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2022-02-21

大切な人と一緒に観たい!驚きと感動のある23分の短編映画『あした、授業参観いくから。』安田真奈監督にインタビュー


 

2月26日より名古屋シネマテークで2週間限定で公開される映画『あした、授業参観いくから。』はある中学校の授業参観の前日に親子で交わされる会話を中心に、7つの台詞が5つの家庭で繰り返される23分という長さの実験的短編映画です。片岡礼子さんが主演し、安田真奈さんが脚本・監督をつとめていて、昨年末に大阪で公開されるとリピーターが続出し、4回もの追加上映が行われるなど大きな話題となりました。

名古屋での公開を前に、安田監督がリモートでインタビューに応じてくれました。本作の制作のきっかけや主演の片岡礼子さんとの出会い、オーディションで選ばれた俳優たち、京都と神戸で行われた撮影についてなどを話してくれました。名古屋での上映スケジュールや初日の舞台挨拶、東京・愛媛での上映情報もご紹介します。

≪追記≫

4月30日から5月6日(火曜水曜定休)まで、名古屋のシアターカフェでアンコール上映が行われます。安田監督の原点を知ることのできる8ミリ作品や『あした、授業参観いくから。』に出演している坪内花菜さんと再タッグを組んだ最新短編などあわせて5作品、78分の特集上映です。

驚きと感動、映像の面白さを感じられる23分の短編映画

映画『あした、授業参観いくから。』はある中学校に通う5人の生徒のそれぞれの家庭で7つの台詞が繰り返される少し変わった23分の作品です。それぞれの親子の間で交わされる台詞は全く同じなのに、全く異なる家庭環境や親子関係が描かれていることに驚き、ぞれぞれの家庭の状況や親子の心理状態の描写が繊細かつ丁寧で、映像表現の面白さも味わうことができます。

各家庭の撮影は主に京都で行われたそうで、安田監督は「時間も予算もないなか、製作スタッフが頑張りました」とこだわりがつまったロケ地やセットが用意できたことを教えてくれました。「7つの台詞を5人の生徒の家庭で繰り返す」という実験的な構造の作品でありながら、登場する親子をとても身近に感じ、彼らの心情に思いを寄せることができたのは、公私ともに安田監督がたくさんの親子を見つめてきたからにほかありません。

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演技・脚本のワークショップから生まれた実験的短編映画

映画『あした、授業参観いくから。』の脚本・監督をつとめた安田真奈さんは上野樹里さんと沢田研二さん演じる電器屋の親子を描いた『幸福(しあわせ)のスイッチ』(2006年公開)で商業映画デビューしました。2011年に児童虐待をテーマにしたNHKのドラマ「やさしい花」の脚本を担当し、児童虐待をテーマにした講演活動も行っています。またプライベートでは中学3年生の息子さんを育てていて、様々な親子と間近で接する機会も多く、「親子の映画」に高い関心を持っています。

本作の中で5組の親子の間で交わされる「あした、授業参観いくから。」「えっ…」という7つの台詞は安田監督が演技や脚本のワークショップで講師をつとめる際に使っていたもので、「全く同じ台詞でも、キャラクター設定や状況によって演技は変わる。脚本ならト書きが変わる。」という事例で使用していたものだと教えてくれました。授業参観という題材と7つの台詞で交わされる親子の会話から「見た後に語り合えるような、さまざまな親子のカタチを描きたい」と短編映画の制作が動き出しました。

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生徒役の俳優たちは思春期ならではの複雑な心理状況を表現

本作の主演をつとめる片岡礼子さんは、5人の生徒たちが通う中学校の英語教師役です。安田監督は片岡さんとの出会いについて、コロナ禍で映画館の営業が再開した頃にTwitterでやり取りをしたことだったと明かしてくれました。本作の企画が動き出した際に、教師役で是非とオファーしたところ快諾してもらえたそうです。中学校のシーンの撮影が行われた神戸市にある市立ふたば学舎は廃校となった小学校を活用したコミュニティスペースで、趣のある校舎の雰囲気が魅力的です。

また、メインキャストの中学生5人はオーディションで選ばれた関西で活動している新人俳優たちで、思春期ならではの複雑な心理状況を見事に表現しています。親役の出演者の中には和泉敬子さんや前田晃男さんなど関西に馴染みのある俳優も参加していますが、本作が映像作品初出演となる方もいて、5組の親子の組み合わせも見どころのひとつです。

「家族や親子について語り合いたくなる映画を作りたい」と企画した安田監督の狙い通り、本作を鑑賞した後には大切な人にこの映画のことを知らせたくなるはずです。大阪・神戸での公開で大きな話題となり、多くのリピーターが劇場に足を運んだ本作をぜひ、名古屋のスクリーンでご覧ください!

名古屋シネマテークで公開初日に安田真奈監督による舞台挨拶

名古屋シネマテークでは2月26日(土)〜3月11日(金) まで2週間限定で公開(※3月2日休映)、上映時間は以下の通りです。また、公開初日には安田真奈監督が舞台挨拶に登壇します。

2月26日(土)〜3月4日(金) 19:10~(3月2日休映) 

3月5日(土)〜3月11日(金) 10:00

入場料:(均一)1000円(当日券のみ)

名古屋シネマテーク(今池)

2020年5月 営業再開後の名古屋シネマテークを取材しました

Address:名古屋市千種区今池1-6-13 今池スタービル2F

名古屋市千種区今池1-6-13

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東京と愛媛での上映も以下の通り、決定しています。

愛媛:シネマルナティック (愛媛) 4月2日~8日(火曜休館)

東京:ケイズシネマ (東京新宿) 4月16日~22日 12:00

名古屋シアターカフェでアンコール上映!新作短編もあわせて特集上映!

4月30日から5月6日(火曜水曜定休)まで、名古屋のシアターカフェで『あした、授業参観いくから。』のアンコール上映が行われます。『あした、授業参観いくから。』に加えて、安田監督の原点を知ることのできる8ミリ作品や『あした、授業参観いくから。』に出演している坪内花菜さんと再タッグを組んだ最新短編などあわせて5作品、78分の特集上映となります。特集上映初日には安田監督の舞台挨拶も予定されています。満席の回もあるので、予約をしてから参加されることをおすすめします。

スケジュール:4/30(土)~5/6(金) 連日13時/15時 ※火水定休

※4/30(土)初日安田真奈監督舞台挨拶予定 13時/15時上映後

料金:1000円+1ドリンク(600円~)

定員:19名

最新短編含む5作品計78分

『あした、授業参観いくから。』(2021年/23分)※片岡礼子さんから観客の皆さんへのメッセージ映像つき

『こじらせて屋上』2022年/8分※予定

『忘れな草子』(1996年/16分/8ミリ→デジタル)

『something interesting』(2000年/1分)

『イタメシの純和風』(1997年/26分/8ミリ→デジタル)

シアターカフェ『あした、授業参観いくから。』+安田真奈監督ショートフィルム選の詳細はこちら

シアターカフェ

住所:愛知県名古屋市東区白壁4-9

電話:052-908-3187

愛知県名古屋市東区白壁4-9

 

作品概要

映画『あした、授業参観いくから。』

2月26日より名古屋シネマテークで公開

4月30日から5月6日(火曜水曜定休)まで、シアターカフェでアンコール上映がおこなれます。安田監督の原点を知ることのできる8ミリ作品や『あした、授業参観いくから。』に出演している坪内花菜さんと再タッグを組んだ最新短編等あわせて5作品、78分を特集上映です。

【出演】

片岡 礼子 和泉 敬子 前田 晃男 上本 康義 島田 愛梨珠 楠 葉子 塚原 健司 坪内 花菜 河崎 公一 下松谷 嘉音 森 琴樺 内藤 大帆 佐野 亮華 成瀬 千尋 長三 伊乃 歳内 王太 荒木 隆一 ほか

【スタッフ】

脚本・監督:安田 真奈

プロデューサー:山本 祥生

撮影:武村 敏弘 j.s.c

照明:古川 昌輝

音楽:原 夕輝

録音:小出 佳史

助監督:柳 裕章

メイク・スタイリスト:谷山 伸子

美術:山中 昭子

宣伝・予告編編集・WEBサイト:三島 彩香

編集:藤沢 和貴

ミキサー:岩田 修一

制作:船津 春菜

製作:株式会社パラサング


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