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2021-06-17

「(他の)誰かにやってもらっては困ります」映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』 高岡早紀さんに名古屋でインタビュー


 

6月18日から公開となる映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』は東海テレビ放送が製作し、フジテレビ系列で放送された連続ドラマ「リカ」(2019年10月)の続編となる作品です。幼い頃から愛に恵まれなかった自称28歳の雨宮リカが、運命の男性と一緒にいるために手段を選ばず暗躍するラブ・サイコ・スリラーストーリーです。怖いけれど、どこか共感できてしまうリカを高岡早紀さんが好演し、ドラマ放送中には「この女、怖すぎてヤバい」とSNSで話題騒然となった最恐の“純愛モンスター”リカを、今度はスクリーンで観られます。高岡さんに名古屋でインタビューし、リカの魅力と映画化への率直な思い、アクションシーンの裏話などお聞きしました。(取材日:2021年6月10日)

「リカがこんなにも支持されるとは思わなかったです」

映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』は2019年のドラマの最終回で高岡早紀さん演じるリカが警察に捕まった後に逃亡し、愛する男性のもとへと向かったその後の物語が描かれています。最恐のヒロイン・リカをドラマから演じてきた高岡早紀さんは当初「嫌われキャラこその面白さがあるのだろうな」と感じていたそうで、ドラマが進む中で「リカがこんなにも支持されるとは思わなかったです」と意外な反響にびっくりしたそうです。高岡さんは「サイコな部分を忘れている訳ではないけれども、リカの純粋でピュアな部分に大きく惹かれていったのでないでしょうか」と次第にリカが「好かれキャラ」として受け入れられたことが映画化に繋がったと感じていることを教えてくれました。純愛と狂気の境界線について聞くと「手前で踏みとどまっていたらピュア、1歩踏み込むと狂気でサイコ。手前までの部分がピュアだからリカに共感してしまう魅力があるんだと思います」と話しました。

運命の男性と一緒にいたいというリカの願望と目的を達成するための行動力は、映画版でもドラマと同じく一貫しています。高岡さんは「自分が信じたことに対して、何があってもぶれない部分がリカの魅力です」と力強く述べました。そして映画版でのリカについて「ドラマの時と違って、本当に一人ぼっちだと気落ちしたタイミングで、リカに刺さる究極の愛の言葉を掛けてくれる男性に出会います。本当に最後の恋だと感じているのです」と「永遠の28歳と言っているのにね」といたずらっぽい笑顔で話してくれました。最後かもしれない恋、愛する人を手に入れるために必死な“純愛モンスター”リカの姿を是非スクリーンでご覧ください。

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脚本を読んで思わず絶句!?「何回読んでも、飛ぶって書いてあるんです」

高岡さんは2019年放送の連続ドラマ「リカ」の後、2021年に放送された「リカ~リバース~」でリカを生み育てた母親を演じました。高岡さんは「単純にリカをもう一度演じたいと思っていたので、今度はサイコなリカを生んだ母親という役まわりで更に面白みがありました」と語りました。ドラマ「リカ~リバース〜」の撮影時に映画化の話を聞き「リカが大画面で恐ろしいことをしたり、恐い台詞を言ったりして良いのだろうか」と思いつつ台本に目を通したことを明かしました。高岡さんは「脚本を読んで絶句と言いますか、リカが飛ぶじゃないですか!何回読んでも飛ぶって書いてあるんですよ」と当時の動揺ぶりが伝わるほど大きな身振りで話しました。「リカ」を映画化するにあたり、エンターテイメントとしてパワーアップさせたいというプロデューサーの熱意に触れ「ドラマでは、走るシーンが面白さを盛り上げる要素でした。その上を行くには、やっぱり飛ぶ。飛んだら面白いですよね」と納得するまでの経緯を教えてくれました。

高岡さんはリカの走るシーンについて「できるだけ短い距離でとお願いしていたのに、撮影ではみんな欲張りなので、あと少し、もうちょっとと、結局すごい距離を走る羽目になるんですよ」と話し「何日か後に、あら?あら?」と(筋肉痛を)感じることもある裏話も教えてくれました。飛ぶシーンの撮影では、ハーネスをつけて飛んでみたところ思っていた以上に苦痛がなかったそうで「わー!楽しい。もっとやりたい!」と楽しめたと話してくれました。演技とアクションを同時進行で行うことについては「走ること、飛ぶことに必死なのではなく、リカの目的は違うところにあります。ターゲットへの気持ちがもとになった動作なので・・・大変です。でもがんばるんです。」と女優魂を見せました。追っ手から逃げる高速走り、まるでスパイダーマンのように空を飛び、壁を登る人並み外れた身体能力を持つリカを演じる高岡早紀さんの体当たりのアクションにもご注目ください。

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「リカを他の誰かにやってもらっては困ります。言い続けますよ、28歳って!」

原作は第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、累計65万部を突破した五十嵐貴久さんの人気サイコスリラー小説「リカ」シリーズで、現在すでに第6弾まで出版されています。原作者の五十嵐さんは映画冒頭のあるシーンについて「そうか、あそこまでやるんだ」と大変驚いたそうで、小説と映像の違いを認めつつ「原作と映像の両方を楽しんでいただけたらと思います」とコメントを寄せています。原作はかなりのおどろおどろしさがありますが、映画も原作の怖さを十分に味わわせてくれますが、映像表現的にはPG12レベルにおさめられています。

高岡さんは映像と小説はまったく違うものと述べたあと「ドラマや映画では、観てくださる皆さんがより共感できるポイントを増やしたり、エンターテイメントとして楽しめる作品を作ることが醍醐味だと考えています。普通に考えたら飛んだりはしないはずです」とニッコリしてから、「でも“飛んだらもっと面白い”のであれば、皆さんに喜んでもらえるようエンターテイメントに徹しました。幅広い層の皆様に楽しんでいただけると思います」と作品への自信を見せました。最後に、まだ映像化されていない「リカ」シリーズの映像化、続編への声が掛かればどうしますかという質問に対して「リカを(他の)誰かにやってもらっては困ります。言い続けますよ、28歳って!」とサラリと答える姿にリカを演じてきた高岡さんの凄み、魔性ぶりを感じました。

映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』はジェットコースターのような怒涛の展開で観る者を圧倒します。恐怖、共感、おかしさ?!あなたはどんな感想をもつのでしょうか。大きな画面で“リカワールド”をお楽しみください。

作品情報

映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』

6月18日(金)よりセンチュリーシネマほか全国公開

出演:高岡早紀/市原隼人、内田理央、尾美としのり、マギー、佐々木希

監督:松木 創

原作:五十嵐貴久「リカ」「リターン」(幻冬舎文庫)

配給:ハピネットファントム・スタジオ

©2021映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』製作委員会


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