「萌歌ちゃんが固定概念を覆してくれた」映画『未来のミライ』名古屋試写会 上白石萌歌さんと細田監督が登壇
7月20日に公開となるこの夏の話題作『未来のミライ』は『時をかける少女』や『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』などの人気作を送りだしてきた細田守監督によるオリジナル長編アニメ映画です。『未来のミライ』はある都会の片隅に住む4歳の男の子“くんちゃん”と未来からやってきた妹の“ミライちゃん”と出会い、時をこえた冒険をする物語で、“家族の愛の在り方”を描いた作品です。
映画『未来のミライ』中京テレビ特別試写会が名古屋市内で行われ、舞台挨拶に“くんちゃん”を演じた上白石萌歌さんと細田守監督が登壇しました。細田監督がこの映画の企画を始めたきっかけや上白石さんとのオーディションでの出会いを語り、上白石さんはお父さん役の星野源さんやお母さん役の麻生久美子さん、ミライちゃん役の黒木華さんと一緒に行ったアフレコの様子など、たくさんのお話を聞かせてくれました。(取材日:2018年7月5日)
スポンサーリンク来名は2ヶ月ぶりの上白石萌歌さんと6年ぶりの細田守監督
7月20日に公開となる映画『未来のミライ』は『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』など大ヒットアニメーション映画を次々に生み出してきた細田守監督の最新作で、主人公はまだまだ甘えん坊の4歳の男の子“くんちゃん”です。生まれたばかりの妹を迎えたくんちゃんがそれまでとは違う家の様子に戸惑っていると、くんちゃんの前に未来からやって来た妹・ミライちゃんがあらわれ、初めての体験を繰り返しながら成長していきます。
中京テレビ特別試写会が名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで行われ、主人公の“くんちゃん”の声を担当した上白石萌歌さんと細田守監督が舞台挨拶に登壇しました。
上白石さんは5月にも映画『羊と鋼の森』のプロモーションで名古屋を訪れており「2か月ぶりの名古屋です。お昼にまたひつまぶしをいただきました。美味しいものたくさん食べさせていただいて名古屋が大好きになりました。」と笑顔で挨拶をされました。細田監督は6年前に名古屋市公会堂で行われた『おおかみこどもの雨と雪』の舞台挨拶以来の来名であることを述べながら「6年ぶりにやって来ました。名古屋の皆さんに(映画を)観てもらうことができて、とてもうれしく思います。」と話していました。
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作品誕生のきっかけは細田監督の長男がみた夢
細田監督には今、5歳と2歳の子供がいらっしゃるそうです。当時、妹が生まれたばかりだった上の子供からある朝「大きくなったミライちゃんに夢であったよ」と言われたそうです。「成長した下の妹にあったという息子が羨ましく、成長したらどんな女性になるんだろうとお父さんもみてみたいと思った。」と話し、子どもの夢の中に入るわけにはいかないので映画になったと企画の始まりを語りました。「いつもは電車の夢しか見ていないだろうに、その時は映画の企画書のような夢をみてくれた。」と笑いを交えて話してくれました。
“くんちゃん”を演じることが決まったときの気持ちを聞かれた上白石さんは「すごくビックリしました。今18歳で、年齢も性別も超えた役に命を、声として吹き込ませていただくのは自分の中でもすごく挑戦だと思いました。監督の作品の大ファンだったので、4歳の男の子として監督の世界の一員になれたことがとてもうれしかったです。」と振り返りました。
映画『未来のミライ』ではお父さん役に星野源さん、お母さん役に麻生久美子さん未来からやってきたミライに黒木華さんなどが声優をつとめています。アフレコの様子について上白石さんは「一緒に出演するシーンは同じブースの中で(一緒に)録るんですけど、ブースの中がお家の中のような和気藹々とした雰囲気で、最終的には家族のような雰囲気になっていて、いいアフレコ現場でした。」と教えてくれました。細田監督も「役者さんたちの背中を観ながら録っていくんですけど、星野さんや麻生さんというよりお父さんお母さん、萌歌ちゃんも4歳児がそのままアフレコしているような感じでやっていたんで、背中を見ていて家族感が凄い伝わってきてよかったですよ。」と話し、最初から家族のような関係性を上白石さんも細田監督も感じていたそうです。
スポンサーリンク「萌歌ちゃんが固定概念を覆してくれた」
声優の決定にはかなり悩んだという細田監督は「ミライちゃんやクンちゃんはオーディションで、長い時間をかけて決めました。」と話しました。最初に決まったのはお母さん役の麻生さんだったそうで、監督と長い付き合いがあり、最初から決めていたそうです。お父さん役の星野さんとは会ったことがなかったそうですが、「星野さんって結婚もしていないし、お子さんもいらっしゃならいけど、お父さんの生々しい気持ちが出ていて、コミカルに包んでくださって、現実感には舌を巻きました。」と役にピッタリだったことを話し、プロデューサーの一人である川村元気さんからの推薦もあったことを明かしました。
上白石さんは元々はミライちゃん役のオーディションを受けていたそうです。細田監督は「最初はクンちゃんは年齢の近い男の子かベテランの女性、野沢雅子さんのような、どっちかだと思っていたんです。」と話し、萌歌ちゃんがオーディションに来た上白石さんにくんちゃんのセリフを言ってもらったところ「選んでいる自分がビックリするくらいで、18歳の可愛い女の子の中に、4歳の男の子がいるって!萌歌ちゃんが存在感とお芝居と表現力で(僕の)固定概念を覆してくれたんです。」と当時の気持ちを語り「すごく感動して、ペットボトルのお茶を進呈した。一種の僕の嬉しい気持ちを表現しました。」と話し、上白石さんは「飲んだんですけど、いつもよりおいしいお茶な気がしました。」とハニカミながら答えていました。
スポンサーリンク声優初挑戦の上白石さんが心がけたこと
今作が声優初挑戦という上白石さんは「嫉妬したり、悲しいことも嬉しいこともストレートに表現しているのが子供だなと思ったので、心の動きをなるべく一致させるように演じたつもりです。」と少し不安をのぞかせながら心境を語りました。また注目してほしい点として「“くんちゃん”が成長していくんですけど、後半はちょっとお兄ちゃんっぽくなっていると思うので、注目してください。」とアピールしました。
細田監督はアフレコでは細かく演出をするというよりもそれぞれの俳優さんに任せていたそうで「各役者さんたちの表現が面白いので、アドリブもいっぱいありますよ。一番は星野さん、やたらあります。」と話していました。
また細田監督は「小さい子供と一緒に暮らしていると自分の子供時代のことを思い出すんですよ。自分が子供の頃に親にしてもらったこととかを思い出すんですね。」と話し、「時空がごっちゃになるのが小さい子供と一緒に暮らす醍醐味だと思って、それが映画の中に反映されていると思います。」と自身の今の暮らしが作品の中に活かされていることをのぞかせました。
これから映画をご覧になるお客さんへのメッセージを求められた上白石さんは「最初は小さなお家から話が始まるんですけど、そこからは想像もできないくらい大きな世界にくんちゃんが連れて行ってくれます。」とこの日会場に集まった色々な年代のお客さんに伝え、細田監督は「企画から含めて作るのに3年間かかりました。日本の片隅の小さな家族のお話ですので、ご覧になるとき、自分の家族のことや子供の頃のことを思い出しながら見ていただきたいと思います。」と舞台挨拶を締めくくりました。
スポンサーリンク作品概要
7月20日(金)より全国東宝系にてロードショー
公式サイト:http://mirai-no-mirai.jp/
声の出演:上白石萌歌 黒木華 星野源 麻生久美子 吉原光夫 宮崎美子 役所広司 福山雅治
監督・脚本・原作:細田守
作画監督:青山浩行 秦 綾子
美術監督:大森 崇 高松洋平
音楽:高木正勝
オープニングテーマ・主題歌:山下達郎
企画・制作:スタジオ地図
© 2018 スタジオ地図
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