「2人の未来の大女優の初共演」映画『みをつくし料理帖』角川春樹監督、松本穂香さん、奈緒さんに名古屋でインタビュー
10月16日に公開となる映画『みをつくし料理帖』は髙田郁さんの同名時代小説が原作で、数多くのヒット映画を世に送り出した角川春樹さんが監督をつとめています。江戸時代を舞台に松本穂香さん演じる・澪が幼い頃に生き別れになった親友との再会を夢に見ながら、料理人として成長していく物語です。角川監督と松本さん、吉原の幻の花魁・あさひ太夫を演じた奈緒さんが名古屋でインタビューに応じました。
角川監督が2人の女優に感じたこと、撮影現場の様子や本作に集結した角川映画に出演してきた豪華キャスト達とのエピソードも話してくれました。（取材日：2020年9月24日）
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未来の大女優2人の初共演 「目」の演技の大切さ
映画『みをつくし料理帖』は髙田郁さんによるベストセラー時代小説を原作とした初の劇場映画で、角川映画で様々な作品を生み出し、『天と地と』や『汚れた英雄』で監督をつとめた角川春樹さんにとって最後の監督作と言われている作品です。原作小説に大きなリスペクトがあると語る角川監督は「原作は10回以上読んでいて、映画の現場でも読んでいました」と話しました。
享和二年の大坂の大洪水で離ればなれになってしまった仲良しの幼馴染との再会を望みながら、江戸で女料理人として数々の困難に立ち向かいながらも料理に真摯に向き合う姿が描かれています。松本穂香さんが主人公の澪を演じ、奈緒さんは澪の幼馴染で吉原にある遊郭に引き取られ、幻の花魁・あさひ太夫となった女性を演じています。澪が苦心して生み出した料理があさひ太夫の心と体を癒し、2人を再び引き寄せていくことになるのですが、角川監督「映像には映らない匂いを伝えたかった」と料理を美味しそうに見せることにこだわったことを教えてくれました。
角川監督は「言葉にできない想いを観客に伝えるためには目ですよね」と話し、松本さんと奈緒さんに「目」の演技の大切さを伝えられたそうです。松本さんは「目で会話をしてほしいと言っていただきました」と話し、奈緒さんもあるシーンを振り返り「目で告白のシーンだよと声をかけていただきました」と話しました。松本さんと奈緒さんの共演シーンについて角川監督は「2人の未来の大女優の初共演という歴史的なシーンに立ち会っているとはっきりと感じました」と振り返りました。
角川映画に出演してきた豪華キャスト、スタッフが集結
角川監督は本作の制作にあたり「テレビと映画との明かな違いや魅力を出さなければいけない」と考えられたそうで、キャストやスタッフにこだわり「日本映画としてベストのメンバーが集まった」と自信をのぞかせました。
『犬神家の一族』で金田一耕助を演じた石坂浩二さんは澪が料理人として働く蕎麦処「つる家」の主人役で出演し、『スローなブギにしてくれ』でデビューした浅野温子さんはおせっかいな長屋の隣人役で様々なシーンを盛り上げます。さらに“角川三人娘”から薬師丸ひろ子さんと渡辺典子さんも出演しているほか、榎木孝明さん、鹿賀丈史さん、野村宏伸さん、永島敏行さん、松山ケンイチさん、反町隆史さんら角川映画常連組が大集結しています。
『男たちの大和/YAMATO』で「戦艦大和」の乗組員を演じた歌舞伎俳優の中村獅童さんが澪とあさひ太夫を繋ぐ橋渡し的存在で出演しています。幻の花魁役に挑戦した奈緒さんは「船場言葉には一番苦労しました。着物での所作も自分の思っている以上にゆっくりで一つ一つが美しくなければいけなくて、中村獅童さんがより美しくみえる足の動きについてもアドバイスをしてくれました」と教えてくれました。
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また松本さんは「つる家」の常連客を演じた窪塚洋介さんとのエピソードとして「『緊張とかしないんですか？』と聞いたら緊張はしないねって言っていました」と話し、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』を見ていたそうで最初に会った際には「あ、キングだ！」と思ったとハニカミながら話していました。町医者役を演じた小関裕太さんは同世代ということで、松本さんや奈緒さんと3人で楽しく過ごしたこともあったそうです。
松本さんはワンシーンワンカットでの撮影だったことを振り返り「良い緊張感がありました。スタッフがそれぞれに工夫をして撮影に臨むことができるのは角川監督だからこそなんだと感じました」と教えてくれました。奈緒さんは「色々な部署の方がアイディアを持ち寄って、監督が『いいよ』と受け入れてみんなで作っている感覚があって、新鮮でした」と素晴らしい現場に参加できた喜びを伝えてくれました。
作品詳細
2020年10月16日(金) ミッドランドスクエアシネマ ほか全国公開
出演：松本穂香、奈緒、若村⿇由美、浅野温⼦、窪塚洋介、永島敏⾏、藤井隆、野村宏伸、衛藤美彩、村上淳、榎⽊孝明、⿅賀丈史、⽯坂浩⼆、中村獅童、反町隆史
製作：角川春樹
監督：角川春樹
脚本：江良至、松井香奈、角川春樹
主題歌：手嶌 葵「散りてなお」
作詞・作曲：松任谷由実
原作：「みをつくし料理帖」髙田郁 ハルキ文庫
©2020 映画「みをつくし料理帖」製作委員会
