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2025-11-28

「僕はミニシアターに育てられた」 俳優・中島歩さんが主演映画『グッド・ストライプス』上映会で映画愛あふれるトーク!名古屋発の映画祭「NAGOYA CINEMA Week 2025」


 

11月23日(日・祝)から29日(土)まで伏見ミリオン座やセンチュリーシネマ、 ミッドランドスクエアシネマなど名古屋市内の映画館や各所で名古屋発の映画祭「NAGOYA CINEMA Week 2025」が開催されています。今年で5回目となる「NAGOYA CINEMA Week」は俳優の中島歩さんや映画監督の入江悠さん、字幕翻訳者の戸田奈津子さんなど多彩なゲストが登壇したり、名古屋市と連携した特別上映や“映画×食”をテーマにした人気企画「食べる映画会」があったり、新進映像作家を応援する「映像AWARD」など、様々な映画体験ができる7日間となっています。

戸田奈津子さん、中島歩さん、入江悠監督らが登壇!名古屋発の映画祭「NAGOYA CINEMA Week 2025」開催決定 「食べる映画会」ジャパンプレミア上映も!

名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)ではセンチュリーシネマ(名古屋パルコ東館8階)で開催された中島歩さんのトーク付き上映会を取材しました。中島さんは舞台「黒蜥蜴」(13/美輪明宏)で俳優デビュー。映画『グッド・ストライプス』や『いとみち』(21/横浜聡子)、『よだかの片想い』(22/安川有果)など多くの作品に出演。近年では映画「ナミビアの砂漠」(24/山中瑶子監督)や「ガンニバル シーズン2」(25/Disney+)、映画「ルノワール」(25/早川千絵監督/)、また、NHK連続テレビ小説「あんぱん」やNetflix「イクサガミ」の出演も話題になりました。この日、2015年に公開された主演映画『グッド・ストライプス』の上映前に登壇し、作品や映画への思いを語った中島さん。観客からの質問に答える時間も用意され、集まったファンとの時間を楽しんでいました。ありのままで面白い中島さんのトークに終始笑いに包まれた上映会の様子をレポートします。(取材日:2025年11月23日)

「テレビにでた甲斐がありました(笑)」朝ドラ「あんぱん」、Netflix「イクサガミ」出演で注目を集める中島歩さん

大きな拍手に迎えられた中島さんは客席に向けて「お招きいただいて、ありがとうございます。いっぱい集まっていただいて嬉しいです」と、中島さんのあの低い声でゆっくり挨拶をしました。名古屋での舞台挨拶は映画『よだかの片思い』ぶり、Netflix「イクサガミ」の撮影で昨年、愛知に来たという中島さん。この日、満席であることが告げられると「テレビに出た甲斐があります」と嬉しい表情を浮かべました。

映画『グッド・ストライプス』は2015年に公開された中島さんと菊池亜希子さんのダブル主演作です。マンネリカップルに妊娠が発覚し、結婚の準備を進めていく中で、知らなかった相手のルーツを知っていくラブストーリー。若手女性監督岨手由貴子さんがオリジナル脚本で現代的な男女の結婚事情が描かれました。今作で中島さんは第7回TAMA映画賞最優秀新進男優賞を受賞しました。撮影はNHK連続テレビ小説「花子とアン」にクランクインする前だったと教えてくれた中島さん。主演作が決まったときの気持ちを聞かれると「嬉しかったです。ただ、下地がありませんから。経験もないし。誇らしいけど、周りが大丈夫か?っていう状態になりました。リハーサルを菊池さんとやったんですけど、すごく悩みました」と当時の気持ちを振り返りました。そして「セリフが現代口語ですから、その点では、あんまり痛い目に合わなかったな(笑)。時代劇とか無理ですよ!」と演じる時代による言葉の難しさがあることを明かしました。

終始、マイペースに正直なトークをされる中島さん。司会をつとめる映画パーソナリティの松岡ひとみさんから「唯一無二のキャラクターです」と声がかかると、中島さんはすかさず「松岡さんに言われたくないですよ(笑)」と返し「ステキな恰好されていて、絶対、唯一無二って言われますよね!」とお互いに掛け合う場面も。さらに自然体の中島さんを見ることができ、会場は大きな笑いに包まれました。

好きな俳優や映画の話題では、映画『ポンヌフの恋人』を挙げた中島さん。「あれは衝撃的な作品でした。今度、4Kリマスターがかかると思うので、是非見てない方ご覧頂きたいですね」と話しました。ちなみに、映画『ポンヌフの恋人』4Kリマスター版は12月20日から全国で劇場公開予定です。気になる方はぜひ足を運んでみてください。次々に好きな映画や俳優を紹介してくれた中島さんですが、俳優になるきっかけになった映画を聞かれると「そういのは別に・・・。有名になりたいと思ってはじめたから(笑)」と即答すると会場も笑顔に。その他にもレオス・カラックス監督の『ホーリー・モーターズ』やジュリエット・ビノシュ。最近、鑑賞した映画にポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』やミゲルゴメス監督の『グランドツアー』などを挙げ、感想を語る姿から溢れる映画愛を感じました。

映画、ドラマに大活躍中の中島さん。最近はなかなか映画館に足を運ぶことが難しくなってきたそうです。「20代の時は全然仕事がなかったから、ずっと映画館で観ていました。それが糧となった」と学びの気持ちも持ちながら映画館に通っていたことを明かしました。「良かった。あの時たくさん観ておいて。こんなに観られなくなると思わなかった」と話す様子は、少し寂しそうでもあり、今の忙しさを楽しんでいるようにも見えました。

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俳優志望“歩さん”からの質問に「嬉しい。泣いちゃうよ。泣かないけど(笑)」

この日は集まった観客から質問を受け付ける時間も設けられました。中島さんが「プライベートはそんな喋りたくないです(笑)差し支えなさそうなところでぜひ」と声をかけ会場の緊張を解すと一斉にたくさんの手が上がりました。俳優を目指しているという男性から「登場人物が描かれるのは(上映時間の)2時間だけなのに、中島さんが演じる役はそれまでと、そのあとがみえてくる気がしています。どんなふうに役をつくっているのか?」という質問が。前のめりになって聞いていた中島さんは「嬉しい。泣いちゃうよ。泣かないけど(笑)」とリアクション。続けて「僕は脇役をずっとやってきた。(主役と違って)そんなにその人の人生が映画のなかで描かれることはない。いつも意識しているのは、中島歩がその役を演じているという大前提を受け入れる。そこに嘘をつかないってことですね。常に自分で居続けるっていうことですね」と力をこめて話しました。そしてすぐに「そういうことが演技書を読めば書いてある。その辺を読めば書いてあります。別に、俺が思いついたことじゃないです(笑)」と切り返し。絶妙なトークに会場からもクスクスと笑い声が聞こえました。

また俳優志望の男性が最後に「僕も下の名前は同じ漢字1文字で“歩”と言うんです」と明かすと会場からは大きな拍手。中島さんは「いつか現場でお会いできたらいいな」と出会いを喜んでいました。中島さんのバウムクーヘン好きにちなみ「おススメのバウムクーヘンは?」という質問に中島さんが「“時のなる木”で調べてみてください。ハードバウム、固い・・・」と答えている最中に、「浅井長政の全身の銅像が(愛知に)あるので、よかったら来てください」と別の質問・・・というよりメッセージ!中島さんは少し驚いた表情で「来年の大河。ありがとうございます。何も言ってないのに宣伝してくれて(笑)。ありがとうございます。大河でまーす」と小さくアピール。中島さんは来年、2026年放送予定のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で戦国時代を代表する武将・浅井長政を演じることが決定しています。どんな長政を見せてくれるのか今から楽しみです。浅井長政の銅像は名鉄小牧線・間内駅前、春日井市牛山町にあるので、大河に関連して中島さんがまた愛知に来てくれたら嬉しいですね!

「僕はミニシアターに育てられた」中島歩さんが映画愛に溢れたトークや出演作エピソードを披露

イベントの最後に集まった観客のみなさんをバッグに写真撮影。ファンとの過ごす時間を楽しんでいる様子でした。トークの中では他にも、11月28日公開の映画『佐藤さんと佐藤さん』に出演されていること、映画『箱男』(2024年公開)に目だけの出演をしていたことなど、たくさんのエピソードを披露してくれた中島さん。

結びに「僕はミニシアターに育てられたという実感がすごくあります。ミニシアターというのは、経営がすごいピンチなんです。それを救うには、やっぱ皆様に来ていただくしかないと。そのために僕も頑張っています」と力をこめて話し「(ミニシアターに)すごい個性的な作品が集まって、そこから大きな映画も出てきています。

僕もたくさんミニシアターで見てきたんですけど、一見、理解しにくそうな作品も、もう1回見に行ったり、解説を読んでみたり。そうなると面白がれるものが増えるんです。それだけ楽しい時間が増えるっていうことです。ぜひ映画館に足を運んでください。今日はありがとうございました」と挨拶。最後まで映画愛に溢れたトークを聞かせてくれた中島さんでした。

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開催概要

NAGOYA CINEMA Week 2025

期間:2025年11月23日(日・祝)〜11月29日(土)

会場:伏見ミリオン座、センチュリーシネマ、ミッドランドスクエア シネマ、三越映画劇場、星が丘テラス、オリマチ錦

主催:スターキャット株式会社

公式サイト:https://nagoya-cinema-week.com


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