「大谷選手にも負けない二刀流ですね」宮沢氷魚さんが商業映画デビューの葛里華監督を紹介 映画『はざまに生きる、春』名古屋先行上映会舞台挨拶
5月26日（金）に公開となる映画『はざまに生きる、春』は宮沢氷魚さんが主演し、発達障害を持つ画家・透と、出版社に勤務する編集者・春の恋模様を描くラブストーリーです。恋をしたときに感じるすれ違いの切なさやもどかしさ、好きな人と分かり合いたいと願う気持ちが丁寧に描かれていて、“人を好きになる”ことへの希望に満ちた物語です。宮沢さんが所属するレプロエンタテインメントが募集した映画コンテスト“感動シネマアワード”で大賞を受賞し、制作が決定した本作。監督・脚本をつとめたのは本作が商業長編映画デビューとなる葛里華さんです。
公開に先立ち、名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで先行上映会が行われ、宮沢氷魚さんと葛里華監督が上映前の舞台挨拶に登壇しました。久しぶりの名古屋を楽しんでいる様子の宮沢さん、作品選びから関わった映画『はざまに生きる、春』への強い想いを口にし、「大谷選手にも負けない二刀流ですね」と会社員として働きながら映画制作をしている葛監督を紹介するなど、ほのぼのとした雰囲気で進んだ舞台挨拶の様子をご紹介します。（取材日：2023年4月10日）
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「名古屋に来るのは3年～4年ぶり」お昼ご飯に名古屋めしも！
映画『はざまに生きる、春』は『レジェンド＆バタフライ』『エゴイスト』など話題作への出演が続く宮沢氷魚さんさんが発達障害を持つ画家・屋内透を演じ、映画『初恋』などの小西桜子さんが空気を読み過ぎてしまう編集者・小向春を演じるラブストーリーです。相手の気持ちを汲み取るのが苦手な透に惹かれながらも、彼に振り回されて、思い悩む春。好きな人のことを知りたい、分かり合いたい思う気持ち、相手の気持ちがわからずに不安になる気持ちなどが丁寧に描かれていて、2人の恋の行方に心を動かされ、“人を好きになる”ことへの希望を感じさせる作品です。
舞台挨拶付きの先行上映会が名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで行われ、上映を心待ちにする観客の前に宮沢氷魚さんと葛里華監督が登場しました。観客からの大きな拍手で迎えられた2人、宮沢さんは「屋内透を演じました宮沢氷魚です！こんばんは！」と笑顔で挨拶し「たくさん人が集まってくれて本当に嬉しいです。名古屋に来るのは3年～4年ぶりくらいになります」と言い、映画『his』のプロモーションで名古屋に来て以来だと話しました。
今日の昼前に名古屋に到着した宮沢さんは「とあるバラエティーのロケをして、テレビ局とそのロケ地の前の通りを歩いたぐらいで、まだほとんど名古屋で外の空気は吸ってません」と忙しかった一日を振り返り「到着をしたときに、メイク部屋にひつまぶしのお弁当が置いてあったので、いただきました。美味しかったです」と名古屋めしを楽しんだことを明かしました。
また、本作が商業長編映画デビューとなる葛里華さんは「私の母親が名古屋の出身でよく名古屋のおじいちゃんの家に来てたので、ここで上映いただけることで皆さんに見ていただけるのはすごく嬉しいです」と集まった観客に気持ちを伝えました。
「作品を選ぶところから関わることってないんです」「すごく幸せなことです」
映画『はざまに生きる、春』は宮沢さんが所属するレプロエンタテインメントが募集した映画コンテスト“感動シネマアワード”で大賞を受賞し、制作が決定した作品です。宮沢さんは同プロジェクトについて「我々が映画化したい作品を選ぶというところから全て始まっているんです」話し「たくさんの脚本の中から残った3～4作品くらい（の脚本）を僕が拝見して、その中で『はざまに生きる、春』という作品が一番印象に残ったんですよ」と本作の脚本との出会いを語りました。
宮沢さんは実際に脚本を手に取って読んだ時のことを振り返り「脚本の文面から、登場人物に対する愛情がとても深くて、読んでるだけで笑顔になったり、泣きそうになったりして、これは絶対に映画化した方がいいと思って、それがこの作品を選んだ決め手です」と教えてくれました。宮沢さんの言葉を受けて葛監督は「選んでくださったおかげで、映画にすることができました」と感謝の気持ちを伝えました。
宮沢さんは「作品を選ぶところから役者が関わることってほぼないんですよ」と普段の仕事の始まりとの違いを話し「今回のプロジェクトは立ち上げから参加させていただいて、監督と2人で話し合って、最後のシーンをちょっと変えたりして、そういうことに関われるのもすごく幸せなことです」と満足気な表情を浮かべました。「本当にありがたい限りで感謝しかありません」と重ねて感謝の気持ちを口にする葛監督は「この規模の映画を撮らせていただくのは初めてだったので、一緒に考えるのがすごく楽しくて、いろんなことを勉強させていただく時間でした」と宮沢さんと過ごした時間を振り返りました。
また葛監督は「普段は漫画の編集をしていて、今回の映画の時はちょっと会社にお休みをいただいて、有給を全部ぶち込みました」と打ち明けると、宮沢さんが「大谷選手にも負けない二刀流ですね」とWBCで大活躍したメジャーリーガー・大谷翔平選手になぞらえて発言し、会場を沸かせました。
「ピュアさが伝わって、好きになってくれたら嬉しいです」
発達障害の青年と編集者のラブストーリーという本作について、葛監督は「いつか映画にしたいテーマだった」と言い、コンテストに向けて、宮沢さん主演の企画として脚本を書き上げたそうです。葛監督は「『his』を観て、透明感があって澄み渡った演技をする、消えてしまいそうな儚さを感じさせる稀有な役者さんだと思っていました」と宮沢さんに対する印象があったと話し「頭の中で（宮沢さんを）イメージして、屋内透というキャラクターを作っていきました」と脚本執筆について明かしました。
宮沢さんは「僕が演じた屋内透くんはアスペルガー症候群の特性を持っていて、会話などコミュニケーションをとるのが得意ではないけど、本当にピュアでまっすぐな人で、画家としてもすごく才能があって、すごい魅力的な方なんですよ」と紹介しました。さらに「本当にびっくりするピュアなんですよ。真っ直ぐな思いに嫉妬するくらい、美しく、素晴らしい人だったので、葛さんにもそういう要素があるのではないか」と話す宮沢さんに、照れた表情を浮かべながら「宮沢さんがピュアに演じてくれたので、画面越しにピュアさが伝わって、好きになってくれたら嬉しいです」とキャラクターの魅力を伝えました。
「多くの人に発達障害やアスペルガー症候群のことを知ってもらえるきっかけになれば」
身近に発達障害の方がいると話す宮沢さんは「発達障害のことを自分なりに理解していたつもりで、わかってるつもりでいたんです」と話しました。映画のリサーチで当事者の方や医療監修の方の話を聞いたり、役と向き合う中で「まだまだ知らないことがたくさんあったなと感じ、『はざまに生きる、春』という作品を通して、1人でも多くの人に発達障害やアスペルガー症候群のことを知ってもらえるきっかけになればと思いました」と語りました。宮沢さんは「発達障害の方でよく体のどこかが動いたり、目線がいろんなところに動く特性があるのですが、透くんの感情が一番繊細に出るのは手なのではないか思い、特に意識しながら演じました」と話し、葛監督は「言葉でうまく伝えられない透くんの特性を、体でも表現できるんじゃないかと宮沢さんが提案してくださって、すごくいいなと思いました」と宮沢さんと一緒に作り上げたことを伝えました。
宮沢さんは画家である透について「青色の絵しか描かないし、身ににつけている洋服とかも基本的に青です」と紹介し「本当に青って何十種類といろんな色があって、その中で透くんは自分が描きたい作品をたくさん作るんですけども、それはこの作品の一つの見どころだと思います」と伝えました。葛監督は劇中に登場する“透の描く画”について「中学の同級生の泉桐子さんという日本画家の方にお願いしました」とすべての画が書き下ろしであることを紹介しました。
舞台挨拶の最後に葛監督は「観てくださった皆さんの心が温かくなってくれることを願っています」といつも映画を作るときに思っていることだと伝えました。宮沢さんは「この作品は2人の純粋な人間がお互いに思いを寄せて、どんどん成長していく、本当にピュアな物語になっています」「自然と何回も観たくなる作品だと思います」「透くんと春ちゃんに会いたくなるような作品になっている思います」と作品への熱い想いを観客に優しく語りかけ、舞台挨拶を締めくくりました。
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作品概要
5月26日(金)公開
出演：宮沢氷魚、小西桜子、細田善彦、平井亜門、葉丸あすか、芦那すみれ、田中穂先、鈴木浩文、タカハシシンノスケ、椎名香織、黒川大聖、斉藤千穂、小倉百代、渡辺潤、ボブ鈴木、戸田昌宏
監督・脚本：葛里華
エグゼクティブプロデューサー：本間憲、倉田奏補、古賀俊輔
企画・プロデュース：菊地陽介、かなりかピクチャー
プロデューサー：吉澤貴洋 新野安行 松田佳奈
2022年／日本／カラー／アメリカンビスタ／5.1ch／103 分
©2022「はざまに生きる、春」製作委員会
