toggle
2021-09-14

「自分を思い出せる場所が故郷」映画『僕と彼女とラリーと』 主演の森崎ウィンさんに名古屋でインタビュー


 

9月24日に愛知・岐阜県一部先行で公開(全国公開は10月1日)となる映画『僕と彼女とラリーと』は、森崎ウィンさん演じる東京で役者を目指してあがいている若者が、西村まさ彦さん演じる父親の急死で地元の豊田市に帰郷。父が営んでいた「北村モータース」を継続させるため深川麻衣さん演じる幼馴染や、従業員たちと共に、豊田市と恵那市で行われるラリー大会に挑戦していく物語です。挑戦するなかで育まれる仲間との絆や、わだかまりを感じていた父への理解、主人公の新たな出発が描かれ、またモータースポーツのラリーの魅力もふんだんに映し出されているので、自動車やラリーに興味がある方にもお薦めの作品です。

公開を前に主演の森崎ウィンさんに撮影中のエピソード、地元の人との交流や故郷について名古屋でインタビューしました。(取材日:2021年8月30日)

「ウィン君」「俊くん」同い年の仲良しトーク 深川麻衣さんを絶賛 映画『僕と彼女とラリーと』名古屋の完成披露上映会に森崎ウィンさん、田中俊介さんが登壇

愛知県豊田市・岐阜県恵那市にてオールロケ! 世界ラリー選手権をスクリーンで

映画『僕と彼女とラリーと』は森崎ウィンさんが主演し、ラリーの魅力や夢に挑戦する人々の姿が描かれたヒューマンドラマです。「FIA世界ラリー選手権」2021シーズン最終ラウンドの開催が予定されていた(9月7日に中止が発表)愛知県豊田市・岐阜県恵那市にてオールロケで撮影されました。ラリーとは公道をコースにしたモータースポーツで、運転するドライバーと、コースをナビゲートするコ・ドライバーは二人一組で乗車して競技区間を1台ずつタイムアタックして合計タイムで勝敗を競うものです。

主人公でコ・ドライバーを演じるのはスティーブン・スピルバーグ監督の2018年公開のハリウッド映画『レディ・プレイヤー1』や2019年公開の映画『蜜蜂と遠雷』の森崎ウィンさん、主人公の幼馴染でドライバー役を、大河ドラマ『青天を衝く』の和宮役、映画『おもいで写真』で好演した深川麻衣さんが演じます。森崎さんは深川さんに対して「同い年で壁が無く、気さくな方です。真面目でひたむきに演じているのをみて、ぼくも頑張ろうと思いました」と賞賛し、「作品を通して会話して、二人のシーンを作っていくことが楽しかったです」と振り返りました。

また、共演者との思い出を振り返り「竹内力さんは本当に個性の塊!エネルギッシュな方で見えないところで周りを引っ張りあげてくれました。役者の人間力って大事だなと改めて教えられました」と目をキラキラさせて話し、父親役の西村まさ彦さんについて、「本番前にササっとヒントをくださって…さすがです」と感服したエピソードを教えてくれました。竹内力さん、西村まさ彦さんのほか、主人公の兄役に佐藤隆太さん、「北村モータース」の従業員に田中俊介さん、小林きな子さん、有福正志さん、ヒロインの上司役によしこさん(ガンバレルーヤ)などの個性的な面々が脇を固めています。

名古屋・愛知でオールロケした映画『デッドエンドの思い出』スヨンさんと田中俊介さん、チェ・ヒョンヨン監督が名古屋で記者会見

映画『ゼニガタ』名古屋再上映記念!ボイメン田中俊介さん綾部監督 三重・京都・大阪 舞台挨拶レポ

「人の温かさからパワーをもらいました」森崎ウィンさんの故郷ミャンマーへの想い

映画『僕と彼女とラリーと』で役者を目指して上京した主人公がわだかまりを持ち続けてきた父の急死の知らせを受けて帰郷し、父親が営んでいた「北村モータース」の存続をかけてラリーに挑戦していくなかで、父親の真実の姿を知り、地元の仲間との絆を築き、新たな人生を進もうとする物語です。

撮影は昨年11月ごろ、コロナ禍に行われたため「地元の方との関わりがあまり持てませんでした」と表情を曇らせた森崎さん。「それでも、(コロナ禍なのに)地元の方々が撮影を快く受け入れてくださり、畑を挟んで手を振ってくれるとか、主人公の家として自宅を貸しくださった方が冗談を交えながらフランクに接してくださるとか、地元の人の温かさからパワーをもらいました」と振り返りました。また伝統芸能の「棒の手」という神事シーンの撮影では、伝統芸能を守る協会の方から直接指導を受け「代々受け継がれた歴史あるものに触れるのは、実際に体験してみるとドシっと重みを感じましたし、撮影後に(協会の)OKが取れたかどうか気になりました」と真摯に取り組む様子が伝わるエピソードを教えてくれました。

そして、「故郷」がテーマの作品ということで、森崎さんに故郷への想いを聞くと「自分が生まれ育った場所であり、自分のアイデンティティを育んだ場所です。作品を通して、帰った時に忘れていた自分を思い出せる場所が故郷だと改めて感じました。純粋にミャンマーに帰りたいなと思います」と述べました。

「自分と役との狭間で生きる」 圧巻のクラッシックカー勢ぞろい、一発撮りの“ある出来事”

映画『僕と彼女とラリーと』の冒頭シーンで、主人公は東京で役者を目指し、オーディションを受けています。森崎さん自身もオーディションを重ねてきた経験から「この世界に向いているのかいないのか、悩むときも沢山あったんですけど、そういった感覚をリンクさせて、当時を思い出しながら演じていました」と話し、「役になるというよりは、役に寄り添い、共に生きていく感覚が強いです」と役作りについて述べ、「脚本に書かれていないキャラクターの背景を考えて、自然と森崎ウィンの過去をしのばせながら役の人生を作っています」と語りました。本作では役者を目指している点、ラリーカーに初めて出会う点など主人公と共通点が多く「僕と北村大河というキャラクターの狭間を生きている感じがあったと完成した映画を観て思いました」と役作りへの自信を見せました。


印象に残った車のシーンを聞くと、クラッシックカーが勢ぞろいするシーンを挙げ「CGじゃなくて、沢山の方が遠いところから素敵な車を持ってきてくれて参加してくださいました。本当に感謝しかなかったですね」と話し「世の中にこんな面白い車があったのかと、生で見られる経験も無いのでリアルに感動しました」と笑顔で語りました。クラッシックカーが集結し、万感の表情を浮かべる森崎さんやキャストの姿がスクリーンで映し出されています。そして、ラリーカーが山道を走行する場面も見所の一つです。車がお好きな方は、「おかわり」鑑賞してしまうかもしれません。


また、物語の中で「大きな試練」となる“ある出来事”のシーンでは、地元の協力を大々的に得て撮影したそうです。撮影の様子について森崎さんは「一発撮りでした。“じゃ、始めます”の合図でスタートして、監督からは“ヤバかったら逃げて!”という緊張感の中で演じました。奇跡的な瞬間を押えられたと思います」と熱く語りました。主人公たちにどんな試練が襲いかかるのか、そして、危険の中の撮影で一層リアルな表情をみせるキャストの大迫力のシーンをスクリーンで是非、ご覧ください。

田中俊介さんが内田英治監督との出会いを振り返る 映画『ダブルミンツ』凱旋舞台挨拶レポート

映画『ジャンクション29』名古屋での公開記念舞台挨拶で水野勝さん、小林豊さん、田中俊介さん、本田剛文さん登壇

作品概要

映画『僕と彼女とラリーと』

9月24日よりミッドランドスクエアシネマほか愛知県・岐阜県の一部劇場にて先行上映

10月1日より全国公開

監督・脚本:塚本連平

出演:森崎ウィン、深川麻衣、佐藤隆太、田中俊介、小林きな子、有福正志、よしこ(ガンバレルーヤ)
竹内力、西村まさ彦ほか

主題歌:加藤ミリヤ「JOYRIDE」

制作:RIKIプロジェクト

配給:イオンエンターテイメント、スターキャット

©2021『僕と彼女とラリーと』制作委員会


関連記事