成田凌さんの潤んだ目は自前 大倉忠義さん主演映画『窮鼠はチーズの夢を見る』行定勲監督にインタビュー
9月11日にセンチュリーシネマほかにて公開となる映画『窮鼠はチーズの夢を見る』は水城せとなさんの漫画を実写化した作品で、関ジャニ∞の大倉忠義さんと成田凌さんが出演し、セクシャリティを越えて人を好きになることの喜びや痛みを純粋に描いています。『ナラタージュ』『リバーズ・エッジ』『劇場』などの行定勲監督がリモートでインタビューに応じてくれました。
人気漫画を映画化するにあたり意識したことや、大倉さんや成田さんと話したエピソードなどを語りました。(取材日:2020年8月19日)
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「名言だらけの原作から言葉をそぎ落とし、あるひとつの台詞に向かっていく」
映画『窮鼠はチーズの夢を見る』は水城せとなさんによる恋愛漫画の傑作『窮鼠はチーズの夢を見る』と続編にあたる『俎上の鯉は二度跳ねる』を実写映画化した作品で、関ジャニ∞の大倉忠義さん演じる広告代理店勤務のサラリーマン・恭一と成田凌さん演じる恭一の大学時代の後輩・今ヶ瀬の男同士の恋愛を描いています。
行定勲監督は原作漫画について「恋愛のプロセスが克明に描かれた漫画で、飽きさせない展開があります」と魅力を語り、映画化にあたり「恋の指南書のように名言だらけの原作ですが、映画ではできるだけ言葉をそぎ落とし、あるひとつの台詞に向かっていくことを決めました」と話しました。また、その台詞とは予告編映像の中でも登場する「心底惚れるって、全てにおいてその人だけが例外になっちゃうってことなんですね」であることを明かしました。
大倉さん演じる恭一は妻がいながら不倫をしていて、受け身の恋愛ばかりを繰り返している雰囲気のある色っぽい男性です。行定監督は大倉さんに「恭一は常に後ろめたさを感じながら、それぞれにいい顔をする優しさが仇になるような男」と話していたそうです。恭一が今ヶ瀬に振り回されて恋の痛みに翻弄される姿や様々なベッドシーン、今までに見たことのない大倉さんの切ない表情は大きな見所です。
恭一に一途なアプローチを続ける今ヶ瀬というキャラクターについて成田さんと撮影前に話し合ったという行定監督は「彼らは目がすごく澄んでいて潤んでいるという共通認識がありました」と話しました。本番前に目薬をする案もあったそうですが「(成田さんは)初日の撮影から目をすごく潤ませていて、子犬のような目をしていました。恭一との距離感が近づくにつれて、目が可愛くなっていって、(自前の目で)やりきった印象です」と成田さんの目の演技を絶賛していました。
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「成田凌の力を持って女優たちを凌駕してくれ」とリクエスト
恭一と今ヶ瀬の恋に絡んでくる恋敵となる女性キャラクターも本作の魅力で、映画では恭一の妻役に咲妃みゆさん、不倫相手に小原徳子さん、会社の後輩役に吉田志織さんなどが出演しています。行定監督は「成田凌の力を持って、キャスティングされた女優たちを凌駕してくれと焚きつけたんです。そして見事に凌駕してるんですよ!可愛いですよね。女優たちもそれぞれに魅力的なのに」と笑いながら教えてくれました。
特に「ゲスの極み乙女。」のドラムでもある、さとうほなみさんが演じる恭一の大学時代の彼女・夏生と今ヶ瀬が直接対決するシーンは見応えがあり、笑いもこみ上げてきます。このシーンについて行定監督は「言葉を直接的にぶつける前に、恭一を巡って細かな行動での描写が多くて、伝わるように撮るのが大変でした」と話しました。
夏生というキャラクターについて「ボーイッシュでサバサバした、付き合いやすい女なんだけど、こういう女が一番めんどくさいんだよね」と話し「女の武器がムダ打ちになるシーンもあって、よくやってくれたな」と撮影を振り返りました。行定監督は「キャスティングが重要で、決まるまでが大変でしたが、さとうほなみにしてよかったです」と年末の望年会で出会い、オーディションに参加してもらったことを明かしました。
行定監督は「人が人を愛するというのはどういうことか、女性たちが男に問いかけているんです」と話し、セクシャリティを越えて人を好きになることの喜びや痛みを純粋に描いた本作の魅力を話しました。
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作品詳細
2020年9月11日(金)よりセンチュリーシネマほかにてロードショー
原作:水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」/「俎上の鯉は二度跳ねる」(小学館「フラワーコミックス α」刊)
監督:行定勲
脚本:堀泉杏
出演:大倉忠義、成田凌、吉田志織、さとうほなみ、咲妃みゆ、小原徳子
配給:ファントム・フィルム
©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
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