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2019-12-25

「初めて親が褒めてくれた」成田凌さん初主演映画『カツベン!』周防正行監督と愛知津島で舞台挨拶


 

12月13日より公開となった映画『カツベン!』は、「Shall we ダンス?」「それでもボクはやってない」などで知られる周防正行監督の5年ぶりの最新作です。映画にまだ音がなかった時代に、楽師の奏でる音楽に合わせ自らの語りや説明で彩った活動弁士(通称“カツベン”)になることを夢見る青年を主人公にしたコメディドラマです。ぴあ映画初日満足度ランキングで第一位に輝き、周防作品史上いちばん映画愛に満ち溢れた作品と話題を集めています。今作が映画初主演となった成田凌さんと周防監督が愛知県津島市のTOHOシネマズ津島で舞台挨拶に登壇しました。

映画『愛がなんだ』で第44回報知映画賞助演男優賞を受賞した成田さんが津島に来るまでに起きたプライベートな一大事をサラリと報告しながら、周防監督の作品で映画初出演をした感想、公開を迎え周囲や両親から届いた感想や、もし大正時代に行ったらどんな職種で映画に関わりたいか?など撮影エピソードを交えながら教えてくれました。(取材日:2019年12月23日)

成田凌さんが第44回報知映画賞助演男優賞を受賞した映画『愛がなんだ』名古屋では・・

プライベートな一大事をサラリと報告の成田凌さん「初めて親が褒めてくれました!」周防監督との共通点も

映画『カツベン!』で周防監督がテーマにした“活動弁士”とは、映画にまだ音がなかった時代に、登場する人物のセリフに声をあて、物語を説明した人のことで、“喋りのスーパースター”とも言われ当時の人気職業でした。今作は、活動弁士を夢見る青年・俊太郎が、曲者揃いの映画館〈靑木館〉でニセ弁士から一流の弁士を目指す、笑いあり、涙あり、アクションも恋もある極上エンタテインメントになっています。

愛知県津島市にあるTOHOシネマズ津島で行われた舞台挨拶には、平日の昼の時間にも関わらず多くのファンが集まり成田さんと周防監督との時間を楽しみました。成田さんは「平日の昼間からありがとうございます!短い時間ですがよろしくお願いします」と挨拶。周防監督は「こちら(名古屋)のほうに来ると必ず味噌煮込みうどんを食べます。こっち方面の仕事は喜んで引き受ける映画監督周防です」と挨拶し、この日も名古屋に着いたすぐに味噌煮込みうどんを食べに行ったことを教えてくれました。一緒にうどんを食べた成田さんは監督と色々な“繋がり”があると話し「うどんを食べる時はフーフーしない。やけどしながら食べるんです。そして、お寿司は僕も監督もかっぱ巻きで締めるのがこだわりです」と嬉しそうに話してくれました。

周防監督の作品で映画初出演を果たせたことを「誰もが羨むようなことなので嬉しいですね」と感想を述べた成田さんは公開を迎えて周囲からどんな感想が届いているのかを聞かれると「こういう質問があると思って携帯を見ようと思ったんですけど、携帯を新幹線に忘れてきちゃって…確認できず・・・」とプライベートな一大事をサラリと報告。会場からは“え~!”とどよめきが起こりましたが、続けて「でも、たくさんの友達が見てくれました。“本当に楽しかった!”と言ってくれたので嬉しかったです。初めて親が褒めてくれて。やっと仕事をした感じがします」と優しい表情で話しました。珍しく両親が褒めてくれたそうで、成田さんにとって特別な作品になったようですね。

2019年4月に公開された映画『愛がなんだ』では主人公の片思い相手のモテ男を演じた成田さんは、そのお芝居で世の女性をメロメロにし、第44回報知映画賞助演男優賞を獲得し注目が高まっています。また、小栗旬さん主演映画『人間失格』でも小栗さん演じる太宰治と対峙するシーンは見所のひとつになっており、『さよならくちびる』『翔んで埼玉』『チワワちゃん』にも出演するなど大活躍の一年でした。

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一方、周防監督は「僕はずっと法律や裁判の勉強をしているんですが、その中で出会った元裁判官の友達がご夫婦で映画を観てくれて“妻共々、笑い転げました。本当に素敵な映画をありがとう”って言ってくれました。とても堅い人ですよ。まさかそんな感想をいただけるなんて」と印象に残った周囲の感想を教えてくれました。

ドラマ撮影中の成田凌さん「今、役者として大変なのは〇〇〇〇!」と大正時代の役者を希望

活動弁士が活躍した時代の物語にちなみ、「もし大正時代に行くとしたら、どの職種で映画に関わりたいですか?」という問いに、成田さんは「活動弁士と言いたいところですけど大変なので役者かなぁ。(当時の役者は)セリフを覚えなくていいですもんね。今、役者をやっていていちばん大変なのはセリフを覚えることなんですよ。“いろはにほへと”だけでいきたい!」と冗談交じりに笑顔で話しました。成田さんは現在、2020年2月1日よりテレビ朝日系にて放送開始のドラマ「アリバイ崩し承ります」の撮影中のようで「今、刑事モノを撮っているんですけど大変なんですよ!4話同時に撮っていて、人の名前がぐちゃぐちゃになっちゃうんで」と令和時代の俳優としての苦労を語っていました。

司会者から「活動弁士はやっぱり大変でしたか?」と聞かれると、成田さんは間髪入れず「大変です!何十回も映画を観て、シナリオを書いて、自分で物語を考えているようなもんですから!」と一人で何役もこなす活動弁士の大変さを訴えました。すると周防監督からは「(当時は)翌日上映だから、1回ぐらいしか観てなかったみたい。間に合わない時は即興でやっていたんだよ」という補足が入り、成田さんは「すごいなー。(自分は)半年かかったよ」と驚いた様子でした。

また、周防監督は同じ質問に「映画の価値観が共有されて憧れの世界にもなっている今の時代なら“監督”って言えるんですけど、当時の映画の状況を考えると、そんな冒険できたかなと思います。当時は、(屋内での撮影は)照明が十分じゃないから、ロケが中心だったんです。それで役者さんはみんな土の上で芝居していたから“泥芝居”って言われて、さげすまれていたんです。今のような映画のステイタスがない中で職業として(監督を)選べたかどうか分からないです」と話しました。

名古屋市市政資料館も撮影場所に!岐阜県の芝居小屋“白雲座”や“鳳凰座”を絶賛!

映画『カツベン!』は“見世物小屋”や“芝居小屋”が映画館に変わっていく時代が舞台であることから、たくさんの芝居小屋をロケハンしたという周防監督は「実は岐阜に(小屋が)いっぱい残っているんです。地元の人が自分たちの楽しみとして歌舞伎を演じていた、そのための小屋がいちばん綺麗に保存されているのが岐阜県なんです」と話し、下呂温泉の近くにある白雲座と鳳凰座という2つの小屋が映画の中に登場することを教えてくれました。「名古屋の市政資料館も登場するので探しながら観ていただきたいです」と話しました。

また、周防監督は「どこの小屋だったかな。(映画には)使わなかったんですけど、ゆずがあえてそこでコンサートをしていて、ゆずのサインを見ちゃいました!」と興奮気味に話すと成田さんからは「僕、生まれて初めて行ったライブ、ゆずです!」と、またまた“繋がり”を披露。タイミングの良さに会場も笑い声に包まれました。ゆずが岐阜の小屋でライブを行ったのは2003年のことで、岐阜県中津川市高山にある「常盤座」のようです。成田さんの初ライブは‟ゆず”だったというのもここだけの話かもしれませんね。

撮影現場での“喋りのスーパースター”は周防組常連のアノ人!「人間ってこんなに喋れるんだって思いました(笑)」

映画『カツベン!』は豪華なキャスティングも見どころのひとつです。活動弁士の行く末を見守るかつての人気活動弁士・山岡役を永瀬正敏さん、スター気取りの活動弁士・茂木役を高良健吾さん、女優になることを夢見るヒロイン・梅子役を黒島結菜さんが演じるほか、靑木館のライバル“タチバナ館”の社長令嬢・琴江を井上真央さん、俊太郎も恐れる熱血刑事・木村を演じる竹野内豊さんに加え、竹中直人さんや渡辺えりさん、小日向文世さんら周防組常連陣が集結し物語を彩ります。

活動弁士が“喋りのスーパースター”と言われたことにちなみ、撮影現場での喋りのスーパースターは誰だったかを聞かれると成田さんは迷わず「渡辺えりさんです。人間ってこんなに喋れるんだって思いました(笑)」と即答。「渡辺さんは黒島さんのことが好きなので、黒島さんがいる時はずっと喋ってます。狭い所でキャストがぎゅうぎゅう詰めになってごはんを食べていた時があって、ちょっとしか空いてないのに“黒島さんおいで!”って自分の横に呼んで。それくらい好きみたいです!」と賑やかな撮影現場の和気あいあいとした一場面も教えてくれました。渡辺さんは竹中さんと共演した『Shall we ダンス?』の話もしてくれたようで「当時のことを思い出して、竹中さんに怒ってました」と振り返りました。

舞台挨拶後半には、周防監督がマイカメラで観客のみなさんを撮るという恒例の記念撮影も行われ集まったファンとの時間を楽しんでいました。最後に「活動写真のような楽しさに溢れた映画にしようと思って撮りました。ぜひ楽しんで帰ってください」と周防監督からファンのみなさんへメッセージが送られました。

また、終始、観客席を見渡しながら話しをする姿が印象的だった成田さんは「今日は平日の昼間にも関わらず、本当にありがとうございました。観てもらえて好きなように感じてもらえたら嬉しいです。1回もいいけど2回目もまた新しく楽しめる部分もあると思いますのでぜひ。ただただ楽しんでもらえたら嬉しいです!」と話し舞台挨拶を締めくくりました。

作品概要

映画『カツベン!』

2019年12月13日(金) 全国公開

〈ストーリー〉
子どもの頃、活動写真小屋で観た活動弁士に憧れていた染谷俊太郎。“心を揺さぶる活弁で観客を魅了したい”という夢を抱いていたが、今では、ニセ弁士として泥棒一味の片棒を担いでいた。そんなインチキに嫌気がさした俊太郎は、一味から逃亡し、とある小さな町の映画館<靑木館>に流れつく。靑木館で働くことになった俊太郎は、“ついにホンモノの活動弁士になることができる!”と期待で胸が膨らむ。しかし、そこには想像を絶する個性的な曲者たちとトラブルが待ちうけていた!俊太郎の夢、恋の運命やいかに…!?

出演:成田凌、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹中直人、
渡辺えり、小日向文世、竹野内豊

監督:周防正行

脚本・監督補:片島章三

音楽:周防義和

エンディング曲:奥田民生

配給:東映

公式サイト:https://www.katsuben.jp/

Ⓒ2019「カツベン!」製作委員会


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