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2019-05-20

「未来の子供たちに平和な日常を残す」映画『空母いぶき』西島秀俊さん、深川麻衣さん、若松節朗監督、小滝祥平プロデューサーに名古屋でインタビュー


 

5月24日から公開となる映画『空母いぶき』は、「沈黙の艦隊」「ジパング」などで知られる巨匠・かわぐちかいじさんの同名コミック(現在も「ビッグコミック」誌で連載中)を西島秀俊さん、佐々木蔵之介さんをはじめ日本映画界を代表する俳優陣が集結し実写映画化したエンタテイメント大作です。映画化にあたり、オリジナルの設定と展開も加え、日本がかつてない危機にさらされた緊迫の24時間を描いています。監督は『ホワイトアウト』(00)『沈まぬ太陽』(09)『柘榴坂の仇討』(14)など骨太な人間ドラマで知られる若松節朗さんです。

若松監督と小滝祥平プレデューサー、そしてキャスト陣から主人公・秋津竜太役の西島秀俊さん、コンビニアルバイト・森山しおり役の深川麻衣さんに名古屋でインタビューし、映画に込めたメッセージや見どころを教えてもらいました。(取材日:2019年5月17日)

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西島秀俊さん「キャスト&スタッフの“覚悟”を感じた作品です」

壮大なスケールで描かれる映画『空母いぶき』は、戦後初の航空機搭載型護衛艦《いぶき》とその乗員たちを中心に、政府やメディア、そして国民たちが、それぞれの立場やそれぞれの思いで“平和”を守ろうとする熱い闘いを描いています。「勝ち負けは関係ない。戦争では勝った方も負ける方も傷つくんです」と話す若松監督は、「未来の子供たちに戦争をしているような世界は残せない。この日常の平和を残さなければならない」と映画に込めた強い思いを教えてくれました。また小滝プロデューサーは「平和について、戦争が起こらない為にはどうしたら良いのかを一般レベルで考え始めるきっかけに、この映画はなれると感じました」と話しました。

本作の主人公で「いぶき」艦長の秋津竜太を演じた西島秀俊さんは完成した作品を観て「キャストやスタッフの気持ちに凸凹がない現場で、集中力の高さやそれぞれが“覚悟”を決めて撮影に入っていたんだということを実感しました」と作品に携わった全員が同じ思いだったことを強く感じたそうです。

「いぶきの撮影現場はみんなが丁寧に“防衛出動”がどういう事なのか、相手を撃墜することがどんなに大きい事なのか、その事をみんなで共有しながら撮影していました。非常に真剣な毎日、とにかく厳しい撮影現場でした」と振り返りました。

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元乃木坂46の深川麻衣さん「ずっとバットを構えていました!」と大先輩との共演に喜び!

史上初の防衛出動の命を受けた自衛隊や「いぶき」の緊迫した現場と対照的にクリスマスムード溢れるコンビニを舞台にアルバイトの森山しおりを演じた元乃木坂46の深川麻衣さんは「(いぶきの撮影現場とは違って)コンビニの現場は和気藹々とした雰囲気でした・・・」と申し訳なさそうに話し、西島さんの様子をうかがいました。

深川さんは店長役の中井貴一さんとの共演について「(劇中に登場する)クリスマスカードの中のメッセージを若松監督と相談されていたり、カメラが回るたびにアドリブが飛び出してきたり、積極的に映画を良くしていこう、面白くしようとする姿を間近で見ることができてすごく嬉しかったです。そういう気持ちをこれからの自分のお仕事に繋げていこうと思いました」と話し、中井さんから飛び出してくるアドリブに「ずっとバットを構えて、とにかく打ち返そうという気持ちでした(笑)」と大先輩との共演を振り返っていました。

クリスマスムードの楽しい雰囲気から一転、非常事態に揺れる一般人たちの姿を表わすことになるコンビニのシーンは、“日常が崩されるとどうなるのか”というリアリティを感じさせてくれる大事な場面にもなっています。深川さんは「普通の日常がいかに恵まれているかという事、自衛官という陰で守ってくれている存在を身近に感じられて、知らなかった事や初めての事をいっぱい見せてもらえた作品でした。女性やお子さん、家族でも観に行ってほしい映画です」と話すと若松監督も、「そうですね!特に女性に観てほしい!」と大きく頷いていました。

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若松監督、西島さんにグッドサイン!「最高です!!」

西島さん演じる「いぶき」の艦長・秋津竜太とともに、もうひとりの主人公となる副長・新波歳也を演じるのは佐々木蔵之介さんです。常に冷静で、口元に穏やかな笑みを浮かべて不気味さすら感じる秋津と、時に声を荒げつつも真っ直ぐに自分の信念を貫こうとする新波。複雑な思いの絡み合う二人の関係も映画の見どころのひとつです。

“秋津竜太”というキャラクターを演じる中で西島さんは「僕は順撮りで撮影していて、起きていることの重大さを確認しながら撮っていて、どんどん追い詰められていくんですよね。でも、そういう演技になると監督は『だめだ。ここは笑ってくれ。秋津は普通の人間じゃんないから、周りの人間と同じようなリアクションはとらないでくれ』と、そこは丁寧に演出してくれました」と話し、若松監督から「秋津の本心は最後にわかればいいので、それは出さないでくれ」と言われていたことを明かしてくれました。

若松監督は「秋津という主人公をお客さんがどんなふうに受け止めるのか気になるところですが、何を考えているんだろう・・・と思って観てくれるのが大成功」と映画の展開において大きな狙いがあったことを明かしました。秋津の穏やかな笑みの真意はぜひ映画館で確かめてください!そしてクライマックスシーンの撮影は夜が更けた頃に厳しい寒さの中で行われたそうで、若松監督は撮影時の西島さんのお芝居を振り返り「最高です!!」と親指を上に向けてグッドサインを贈り、周りからは大きな笑いが起きました。

壮大なスケールで描かれる映画『空母いぶき』は、戦後日本が経験したことのない24時間を艦の中、艦の外、様々な方向から感じることができ、命の重さや平和の大切さを改めて気づかせてくれます。息もつかせぬ展開の中で、物語の脇を固める豪華俳優陣たちが目まぐるしく登場し、個性豊かなキャラクターたちを演じている事も見どころです。公式サイトでは映画オリジナルのキャラクターを逆にマンガ化した《エピソード0(ゼロ)》など、より映画を楽しめるコンテンツが用意されています。ぜひご覧ください!



作品概要

映画『空母いぶき』

5月24日(金)よりTOHOシネマズ名古屋ベイシティ、ミッドランドスクエアシネマほかで全国公開

〈ストーリー〉
20XX年、12月23日未明。未曾有の事態が日本を襲う。沖ノ鳥島の西方450キロ、波留間群島初島に国籍不明の武装集団が上陸、わが国の領土が占領されたのだ。海上自衛隊は直ちに小笠原諸島沖で訓練航海中の第5護衛隊群に出動を命じた。その旗艦こそ、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦《いぶき》だった。計画段階から「専守防衛」論議の的となり国論を二分してきた《いぶき》。艦長は、航空自衛隊出身の秋津竜太一佐。そしてそれを補佐するのは海上自衛隊生え抜きの副長・新波歳也二佐。現場海域へと向かう彼らを待ち受けていたのは、敵潜水艦からの突然のミサイル攻撃だった。さらに針路上には敵の空母艦隊までもが姿を現す。想定を越えた戦闘状態に突入していく第5護衛隊群。政府はついに「防衛出動」を発令する。迫り来る敵戦闘機に向け、ついに迎撃ミサイルは放たれた……。

原作:かわぐちかいじ「空母いぶき」(小学館「ビッグコミック」連載中・協力:惠谷治)

企画:福井晴敏

監督:若松節朗

監修:かわぐちかいじ

脚本:伊藤和典、長谷川康夫

企画:福井晴敏

音楽:岩代太郎

出演:西島秀俊、佐々木蔵之介、本田翼、小倉久寛、高島政宏、玉木宏、戸次重幸、市原隼人、堂珍義邦、片桐仁、和田正人、石田法嗣、平埜生成、土村芳、深川麻衣、山内圭哉、中井貴一、村上淳、吉田栄作、工藤俊作、金井勇太、中村育二、益岡徹、斉藤由貴、藤竜也、佐藤浩市

©かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ

公式サイト:https://kuboibuki.jp/

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