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2019-05-22

史実に基づく、本物の武蔵を描いた映画『武蔵ーむさしー』三上康雄監督に名古屋でインタビュー


 

5月25日に公開となる映画『武蔵―むさしー』は史実に基づくストーリーで、「本物の武蔵」と武蔵に関わる人物たちを描く本格正統時代劇映画です。歴史のうねりのなか、武蔵、小次郎、吉岡家、豊前細川家、京の所司代、そして女たち、それぞれの生き様と正義が複層する重厚なストーリー。オールロケによる徹底したリアルな映像に加え、本格的な殺陣やアクションによるダイナミックな展開で「武蔵」を描いた作品です。武蔵役に抜擢されたのはドラマ「3年A組 ー今から皆さんは、人質ですー」(日本テレビ系)のイケメン刑事役で話題になり、現在放送中のNHKドラマ10「ミストレス」にも出演中の細田善彦さんです。また、佐々木小次郎を松平健さん、沢村大学を目黒祐樹さん、その他にも若林豪さんなど12名の豪華俳優が集結しました。

脚本・監督をつとめた時代劇映画ファンに圧倒的な支持を受ける三上康雄さんに名古屋でインタビューすることができました。(取材日:2019年4月2日)

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「3年A組」のイケメン刑事役・細田善彦さんが心身ともに完璧に作り上げた「武蔵」に!

映画『武蔵―むさしー』は、数々の剣客と戦い、佐々木小次郎と巌流島で対決するに至る武蔵の姿を、周囲の人物の視点も取り入れ、史実に基づき三上監督が書き上げたオリジナルストーリーです。中学から剣道をしていた監督にとって憧れの存在だったという武蔵について、「吉川英治先生の小説『宮本武蔵』、その小説を原作にした内田吐夢監督の映画五部作の中の武蔵は迷いつつも強くブレないのです。姫路城に三年間幽閉されて、剣によって己の人格を高めようとする武蔵。僕のような凡人からしたら、勉学に励んだら剣は殺しの道具としてしか思えないはずです。本当の武蔵は繊細な人間だったのではないか?と思ったんです」と話し、巌流島で武蔵と闘うことになる小次郎については、「細川家が紅顔の美少年を剣術師範として取り込むはずがない。本当はもっと年を取った人なんじゃないか?なぜ細川家に指南することになったのか?なぜ、武蔵と闘うことになったのか?」とたくさんの疑問を抱いたことを教えてくれました。その少しずつ積もった疑問を線で結び、自分なりに調べた武蔵を作りたいと思ったことが映画『武蔵―むさしー』誕生のきっかけだったそうです。

映画の見どころのひとつとして円熟の達人たち、豪華キャストが出演していることが挙げられます。佐々木小次郎を演じる松平健さんや沢村大学を演じた目黒祐樹さん、その他にも若林豪さんなど豪華俳優陣が集まる中、武蔵役に抜擢されたのはドラマ「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)のイケメン刑事役で話題になり、現在放送中のNHKドラマ10「ミストレス」にも出演中の細田善彦さんです。

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三上作品には初めての出演となった細田さんについて、殺陣の経験がなく初めは心配したという監督でしたが、「話したら頭脳明晰(笑)で武蔵に似ているところがあると思いました。(細田さんの事務所から)“撮影前の3ヶ月間は監督に預けます。好きにしてください”と言われたので」と細田さんをキャスティングした理由を明かしてくれました。

そんな細田さんはジムに通い、3ヶ月間みっちり殺陣を勉強し、心身ともに見事に作り上げた武蔵を劇中で披露しています。撮影前や撮影中は毎晩のように細田さんが監督の元へ訪れ、明日(撮影する)の武蔵について相談し合いながら撮影に挑んでいたそうです。「普段の彼と撮影中の彼は気迫も表情も声も全然違った。スタッフから“監督の魂が細田さんに乗り移っている”と言われるほどでした」と撮影を振り返り、嬉しそうに話す監督が印象的でした。

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三上監督が好きすぎる映画『武蔵―むさしー』の登場人物とは?

剣道の経験者である三上監督は「剣」という共通点はもちろん、吉岡家の門を叩いた武蔵と、30年間家業に専念し、あらためて映画界の門を叩いた自分自身の姿をリンクさせた部分もあったと明かしてくれました。「武蔵だけじゃなく小次郎の中にも長岡佐渡の中にも僕があると思っています。生意気な言い方をすると、シナリオを書いている時にみんな降りてきて、その人物になりきってしまう。その時にその人物の言葉が出てきてしまうんです。でも僕が喋るんでみんな大阪弁なんですけどね(笑)」と、大阪出身ならではのエピソードを聞かせてくれました。

「ただ女性の気持ちだけは分からない」と言いつつ、武蔵のお姉さん“吟”の話題になると、「僕は吟さんが好きで好きで仕方ないんです!」と思い入れのあるキャラクターであることを教えてくれました。「吟さんの前では武蔵は弟になる。吟さんは武蔵が内面を出せる唯一の人物。“勝ちたいけど斬りたくない”という純粋な武蔵を描くには吟が必要だったんです」と力強く話す監督。キャスティングについては監督たっての希望で遠藤久美子さんが演じています。吟を演じるにあたって苦労もされたという遠藤さんですが、撮影後に「私は吟からパワーとエネルギーをもらいました」と話していたそうで、遠藤さんにとっても“吟”は特別な役になっていたことを監督が教えてくれました。

「僕が作った人物を育ててくれるのは俳優さんです」と話す監督は、当初抱いた疑問を線で繋げていくうちに、これまでは気付かなかった魅力的な人物にも出会えたと話します。「巌流島の決闘を考え立ち会ったとされている長岡佐渡。この人は試合の五十日前に京都で亡くなっていました。仕切ったのは息子の長岡興長。武蔵と同じ歳です。そんな人間が(大仕事を)できるわけがない。では、武蔵と小次郎の間に入ったのは誰か、これも調べていくと“沢村大学”という人が浮かび上がってきました。晩年、武蔵と細川忠利(忠興の息子)をひきあわせ、武蔵が亡くなる二日前にも会っている人物です。この人と出会えたのは良かった」と物語にさらに深み与えている人物であることを教えてくれました。

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たとえ相手が大きくても闘う!「小次郎は僕にとってゴジラなんです!」

また、監督は「武蔵のような地べたの人間が最後にあそこまで闘える道程が、自分が映画界に入ってきた道程と似ていると思いました」と、映画界という大きな存在に挑み続ける監督自身と重ね合わせていました。そして、『武蔵―むさしー』の翌週に公開になるハリウッド映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を引き合いに出し、「小次郎は僕にとってゴジラなんです。【たとえ相手が大きくても闘う】というコピーの広告を追加で出したいと思っています(笑)」と、冗談をまじえながら楽しそうに話す三上監督は映画の公開が待ちきれない様子でした。



作品概要

『武蔵―むさしー』

5月25日(土) イオンシネマ名古屋茶屋、名演小劇場ほか全国ロードショー

監督・脚本・編集:三上康雄

出演:細田善彦、松平健、目黒祐樹、水野真紀、若林豪、中原丈雄、清水綋治、原田龍二、遠藤久美子、武智健二、半田健人、木之元亮

製作(兼 制作):株式会社 三上康雄事務所

Ⓒ 2019 三上康雄事務所

公式サイト:https://www.musashi-movie.jp/

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