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2018-09-27

役者のために電柱を抜いた 映画『散り椿』中日新聞特別試写会に岡田准一さんと木村大作監督が登壇


 

9月28日に公開となる映画『散り椿』は日本映画史に残る数多くの大作・話題作の撮影監督として名をはせた木村大作さんの監督三作目にして初の本格時代劇で、岡田准一さんが主演を務め、西島秀俊さんと初共演をしています。名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで行われた中日新聞特別試写会の舞台挨拶に岡田准一さんと木村大作監督が登壇しました。映画のテーマについてや撮影時のエピソードなど話し、岡田さんと木村監督の軽妙なやりとりで和やかな雰囲気に包まれた舞台挨拶の様子をレポートします。(取材日:2018年9月26日)

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岡田准一さんが名古屋のお客さんに「でら良かった!」をリクエスト

映画『散り椿』の中日新聞特別試写会が名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで行われ、上映前の舞台挨拶に岡田准一さんと木村大作監督が登壇しました。岡田さんは「全国を回っているんですが、今日のここがラストになるんです。名古屋の皆さんに、最後に観ていただけるということで嬉しく思っています。」と挨拶し、「(『散り椿』は)美しい時代劇、艶っぽい映像です。時代劇が初めての方も観やすい時代劇になっていると思います。」と作品の魅力を語りました。

そして岡田さんは「面白かったら、『でら良かったよ!!』と薦めてもらえたら嬉しく思います。」と言い、自身が使った名古屋弁について「あってますか?言わない?地方の勝手なイメージ?」とお客さんを笑わせました。木村監督は「多くの人に観てもらえないとボロクソに言われるので、また映画館に観にきてください。皆さん、観終わったあとに宣伝をよろしくお願いしたいと思います。」とアピールしました。

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モントリオール世界映画祭・審査員特別グランプリを受賞した『散り椿』

『散り椿』の第42回モントリオール世界映画祭・審査員特別グランプリ受賞を聞いた時のことを聞かれた木村監督は「宣伝部からの電話を受けて最初に出したコメントは『金じゃなくて銀かよ!』と言ったんですが、それじゃダメと言われて、僕らしくないコメントを出しました。」と言って会場のお客さんを笑わせました。また「封切り前に(賞が)取れたので、(作品の)知名度が上がりました。ひとえに多くのお客さんが(映画を観に)来てくれることしか考えていないので、後押しになったと思います。」ととにかく映画のヒットを気にかけている様子で話しました。

岡田さんは受賞の知らせを聞いて、「タバコ吸えない場所にはいきたくねぇ」と言っていた木村監督が海外に行くのか気になったと話しながら「世界の方が(『散り椿』を)日本の絵画のような美しい映画だったと評価していただけたのは嬉しかったです。」と笑顔をみせました。

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覚悟を決めて行動する武士に通じる木村監督の精神性

三作目の監督作に時代劇を選んだことについて木村監督は「自分の監督作は、ダメだったら先はないと思ってやっている。武士は覚悟を決めて行動する世界なので、自分の精神性にあっているなと思った。」と語りました。また、作中に登場する「大切なものに出会えれば、それだけで幸せだと思うております。」という1行について、自分の人生と重なる考え方だったと明かし、「これは映画になるなと思った。」と『散り椿』を映画化することを決めたきっかけを話しました。

愛を語るのは木村監督か岡田さんか

『散り椿』の軸であるラブロマンスについて話が及ぶと「僕が愛を語るとみんな引くんですよね。強面のほうが有名なので、岡田さんに喋ってもらったほうがいいんじゃないかな。」と木村監督が岡田さんに振ると、岡田さんは「木村監督は愛のある方なんですよね。映像を観てもらえれば、こだわりと愛情が詰まっているので、愛のことを語って、全然大丈夫だと思いますよ。」とバトンを木村監督に戻しました。

木村監督は「自分のこうあるべきだと、今の日本人にも通じる愛を、映画でやったという自負があります。岡田さんの殺陣もものすごいことになっています。馬が16頭も走っています、疾走感もあります。」と映画の見所を次々に話し「観終わったあとに、何かを感じる映画だと思う」とこれから映画を観るお客さんに語りかけました。

撮りたいのは所作よりも感情

岡田さん演じる瓜生新兵衛と麻生久美子さをん演じる妻・篠の夫婦愛を描いている部分で、二人の距離感が時代劇としては珍しいという話題になり、木村監督は「時代劇の作法や所作とは違うかもしれないけれど、自分が愛している妻や恋人とそんなに距離感を持って喋っているわけないよね。僕は所作を撮りたいんじゃなくて、感情を撮りたいんだ!と言って、いい形で撮れたと思います。」とこだわった部分を教えてくれました。また「麻生久美子さんも美しいですが、黒木華さんが引き継いでやってます。ぜひ注目してください。」と女優陣の魅力も語りました。

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役者のために電柱を抜くのが木村監督の流儀

富山県で撮影されたことについて聞かれた岡田さんは「オールロケで時代劇を撮影するのは珍しいんですよ。しかも、電柱を抜いたそうで…」と言うと客席から驚きの声があがり、木村監督は「抜いて移動させたんです。」と言いました。

木村監督は「(電柱が映っても)後で消したりできる時代なんですが、俳優さんになんだこんなところでやるのかと思われたら失敗なので、岡田さんが来る当日までには、電柱が影も形もなく、富山県に言って撤去してもらいました。」と説明しました。岡田さんも「たいていは『(後で)消しますんで』って言われる時代なのに、本物の場所、重要文化財の場所で撮っていて、僕が着ている着物も良い素材、良い仕立てで絶妙なものを作っています。こだわりの職人さんが作ってくれているのを感じてもらえらたら。」と話しました。富山での時代劇の撮影について木村監督は「誰も時代劇を撮りにいったことのない富山で撮ったんです。新鮮さを感じると思います。僕が最初です。」とアピールしていました。

フィルムでの撮影や一発勝負で撮ることにもこだわっている木村監督の現場について岡田さんは「すごい緊張感の中で撮るんですが、『はいOK!お疲れ様!!』と言われたときの気持ちよさが現場ではあります。」と撮影を振り返りました。また、雪や雨を大量に降らせて撮影を行ったことについて木村監督は「フィルムで撮っているので、そのくらい降らせないと雨、雪になりません。コツは長年の経験でわかっています。」と18歳から映画の世界に入って61年目、79歳の監督ならではの含蓄のある言葉を述べていました。

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インスタに夢中の木村大作監督

舞台挨拶も終わりに近づき、最後の挨拶を求められた木村監督は「お客さんがいっぱい来ないと、僕はこの先ないんですよ。でらいい映画になっているんで、よろしくお願いします。」と冒頭の岡田さんの名古屋弁を真似てお客さんに気持ちを伝えました。

岡田さんは「僕たちが愛する木村大作が時代劇を撮る。山、山ときて、(三作目は)山じゃないんかい!!と映画界が突っ込こんだ。(木村監督にとって)時代劇は、黒澤監督に対する想いとか、、」と話していると、隣で木村監督がInstagram用に客席の写真を撮ろうとしており、岡田さんから「全然聞いてない、、インスタ撮ってますけど。」と言われると一度、スマートフォンを下げました。その後、岡田さんが「いいですよ、撮っても。」と言うと、Instagram用の写真撮影タイムになり、岡田さんがお客さんに「ポーズしてみましょうか?」と提案するなど、和やかな雰囲気の舞台挨拶となりました。

木村監督のInstagramはこちらです。名古屋のお客さんの笑顔がたくさん写ってていますね。



作品概要

映画『散り椿』

9月28日(金)ミッドランドスクエアシネマ他 全国ロードショー

監督・撮影:木村大作

脚本:小泉堯史

出演:岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子、緒方直人、新井浩文、柳楽優弥、芳根京子、駿河太郎、石橋蓮司、富司純子、奥田瑛二ほか

©2018「散り椿」製作委員会

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