はるな愛さんの初監督作品『mama』も!「Filmusic in 中川運河・春」シネマスコーレで3週間上映
9月14日から名古屋駅のミニシアター・シネマスコーレで上映されるオムニバス映画「Filmusic in 中川運河・春」は10年間かけて中川運河一帯を文化地区にする「中川運河再生文化芸術活動助成事業(ARToC10)」の一つです。これまでに、冬、夏、秋の中川運河を舞台にした短編作品が作られており、『凪待ち』や『孤狼の血』などの数々の話題作を生み出している白石和彌監督や俳優としても活躍する田中要次さんが監督として作品を制作したこともあります。「Filmusic in 中川運河・春」では、はるな愛さんが初めて監督をつとめた作品『mama』をはじめ、春の中川運河を舞台にした3つの短編作品が上映されます。
名古屋市中川区の中川生涯学習センターで同作の完成披露上映会が行われ、上映後には3作品それぞれの監督や出演者が撮影を振り返るトークタイムが設けられるなどしました。名古屋での上映情報とあわせて、上映会の様子をご紹介します。(取材日:2019年8月2日)
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「Filmusic in 中川運河・春」完成披露上映会に3人の監督が登壇
「Filmusic in 中川運河」は中川運河を舞台にした短編映画を製作・上映するプロジェクトで、名古屋のミニシアター・シネマスコ―レが名古屋都市センターから資金支援を受けて、開館30年を迎えた2013に第1集「冬」を制作し、その後、1年おきに「夏」「秋」が制作されてきました。このプロジェクトは映画業界で活躍する監督や俳優を招きながら、出演者やスタッフとして地元の方々にも参加を募り、一緒に映画制作をするものです。
「Filmusic in 中川運河・春」では、東海テレビで放送中の「映画MANIA」に出演しているはるな愛さんが『mama』を、シネマスコーレ創業者の若松孝二監督の伝記的映画『止められるか、俺たちを』(白石和彌監督)で助監督をつとめた野村愛さんが『花につむじ風』を監督として制作、また、NHK文化センター名古屋教室「みんなで映画を作ろう」の受講生による『Canal try』も制作されました。中川生涯学習センターで行われた完成披露上映会では、3作品の上映後にそれぞれの作品の監督と出演者や映画制作に参加された方々が観客の前に登場し、撮影の様子を振り返ったり、映画製作に参加した地元の方々も感想を述べるなどしました。
はるなさんは映画『mama』について「セクシャルマイノリティの方に自分らしく生きていればいいやと感じてほしい、吉野ママの話を通して、戦前戦後の話が伝わってほしい」と作品に込めた想いを語りました。また劇中でサックスを演奏している中村瑠美衣さんも登場し、はるなさんが「小さい頃から知っていて、この作品で再会できた」と嬉しそうに話しました。
はるなさんは21歳の頃に東京でBLANKEY JET CITYのドラマーである中村達也さん一家の隣に部屋で暮らしていた時期があったそうで、娘である中村さんは今回の再会について「性別について悩んでいる時に(はるなさんは)ヒーローっていうか、アイドルだったので、はるなさんの作品に出られたことが嬉しくて、戦前戦後のことも作品として残してくださって、ありがとうございます」と感謝の気持ちを述べました。中村さんは岩崎賢作監督の作品「Canal Try」にも出演しています。
スポンサーリンク9月14日から名古屋シネマスコーレで上映・舞台挨拶も
「Filmusic in 中川運河・春」は9月14日から3週間に渡り、シネマスコーレで上映されます。上映スケジュール、上映時間は以下の通りです。また、公開初日には舞台挨拶(9月14日18時~の回)も予定されています。『花につむじ風』より野村愛監督、『Canal try』より岩崎賢作監督、出演者の田中爽一郎さん、柳英里紗さんが来場されます。チケットは当日朝10時ごろより窓口にて販売(整理券配布)されます。
【上映スケジュール】
9月14日~20日 18:00~20:00
9月21日~27日 16:05~18:05
9月28日~10月4日 14:05~16:05
チケット:当日:一般1300円 学生1100円 会員1000円 前売:1100円(9/13までの販売)
シネマスコーレ(名駅)
Address:名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1階
作品概要
『花につむじ風』(25分)
無職でパッとしない日々を送る主人公の芽依の周りでは何かとアンラッキーな事ばかり。ある日、海外旅行中の母親から急に無茶振りな用事を頼まれてしまう。お金欲しさに嫌々引き受けてしまう芽依。その帰り道、川辺でギターを練習する高校生の花と航を見つける。絶望的に下手な花の演奏に、通りがかったオヤジがいちゃもんをつけ始める。辺りは次第にカオスの渦と化し、アンラッキーな芽依もそこに巻き込まれていってしまう。
監督・脚本/野村 愛
プロデューサー /木全 純治、白石和彌
撮影/馬場 元
録音/前田 一穂
編集/加藤 ひとみ
音楽/安川 午朗
助監督/上倉健太
出演/永瀬未留、相原佳花、佐久本宝、長谷川千晶、野中隆光、田中要次
『Canal try』(40分)
優秀な兄、圭介を持つカイトは、何をやらせても中途半端で無気力な暮らしをしていた。会社では期待されながらも昇進試験を受けない、趣味の路上ライブも途中でやめてしまった。しかし、そんな兄が不慮の事故で亡くなる。密かに想いを寄せていた兄の恋人、 佳緒里の代わりに圭介の意思を継ぎ、自転車でロードレース大会に挑むことになり、圭介がやっていた過酷な練習方法“Canal try”にチャレンジすることに。
監督・脚本・編集/岩崎 賢作
撮影/板津 浩幸 小池 祥
録音/岡本 昌司、矢野 良重、山田 雅和
音楽/朝木 奏多
衣装/濱田 梨愛
助監督/長谷川 千晶 伊藤 成人
出演/田中 爽一郎、柳英里紗、GON、木村 仁、高瀬 英竹、天田 将行、伊藤 一機、小池 祥、安藤 隆典、中村 瑠美衣、中倉 桃果、矢野 良重、川口 智子、山本 久恵
『mama』(36分)
吉野ママこと、伝説のゲイボーイ・吉野寿雄は現在89歳。各界の著名人
が訪れた東京・六本木のゲイバーを閉め、今は中川運河沿いにあるバーをまかされている。そこへママを慕ってトランスジェンダーの亜美とゆしん、俳優の田中俊介が訪れ、ママの戦前、戦後のゲイの歴史を引き出していく。
監督/はるな愛
脚本/いとう菜のは
撮影・照明/大久保 礼司
録音/出口藍子
編集/藤井 三千
助監督/高田 真幸
出演/吉野 寿雄、田中 俊介、ゆしん、たけうち亜美、坪井篤史、中村 瑠美衣
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