「慎吾のマネをしてるんですよ!」映画『台風家族』3週間限定でついに公開!市井昌秀監督&草なぎ剛さんに名古屋でインタビュー
9月6日から公開となる映画『台風家族』は、『箱入り息子の恋』(13)の市井昌秀監督が“両親への思い”をヒントに、12年間の構想を経て完成させたオリジナル脚本作品です。両親が2000万円を奪う銀行強盗事件を起こし失踪してから10年が経過した真夏のある日に、鈴木家の子どもたちが“見せかけ”の葬儀を行うため集まりますが、その本当の目的は“財産分与“を行うためでした。10年ぶりに帰省し、再会したきょうだいが繰り広げる遺産争いが珍騒動になり、その様子を市井監督ならではのブラックユーモアを交えて描いたコメディドラマです。
今作は本来6月に公開される予定でしたが、強制性交罪に問われ逮捕・起訴された新井浩文被告が主要キャストとして出演していることから公開が延期されていました。お蔵入りの可能性もありましたが、上映を待ち望む多くのファンの力で公開が決定。9月6日~9月26日の3週間限定とはなるものの、ようやく公開を迎えることができた喜びの心境と映画の見どころを市井昌秀監督と主演の草なぎ剛さんに名古屋で聞くことができました。(取材日:2019年9月3日)
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草なぎさん「ずっと嘘をついていました!」勢いとアドリブで魅せたクズダンスシーン!
映画『台風家族』は、市井監督が自身の両親への思いをもとに12年間あたためてきたオリジナルストーリーです。きょうだいならではの遠慮のない争いの中心となる鈴木家の長男・小鉄を草なぎ剛さんが演じ、そのきょうだいを新井浩文さん、MEGUMIさん、中村倫也さんが演じています。また尾野真千子さんが「クソ野郎と美しき世界」に続いて草なぎさんと2度目の夫婦役で出演しています。そのほか、藤竜也さん、榊原るみさん、若葉竜也さん、甲田まひるさんなど若手からベテランまで魅力的な俳優が揃った作品になりました。
草なぎさん扮する小鉄は、どんな仕事も長続きしない、遺産争いでは家も土地もお金に換えて、一円でも多く自分が遺産をもらいたい、と考えている“クズ男”です。草なぎさんは小鉄を演じていて「何を言われてもなびかないし、逆切れするし、なんなんだこの人は!ありえないだろう!と思いました。でも、監督の脚本がしつこくて、ブレていない小鉄が逆にかっこよく思えてきて、最後はだんだん面白くなってきちゃったんです」とクズ役を楽しく演じていたことを教えてくれました。
ここ数年、台本を読み込んで撮影に臨むことが少なくなっているという草なぎさんは「慎吾のマネをしてるんですよ!慎吾ができるなら僕もできるだろうって。ステージでも、(慎吾は)全然準備してないのに何で出来るんだろうって思ったら、前の日から準備している僕が悔しくなっちゃって。しかも上手く出来ていて!慎吾がずっとそんな感じだから俺も変わらないかなって・・・すみません(笑)」と正直に話す草なぎさんに市井監督は「最高っす」と一言。市井監督は以前から、草なぎさんのことを“生きたお芝居をする人”と思っていたそうです。今作でも、現場の雰囲気を読みながら相手の言葉に対して、セリフに自然と感情を乗せていく演技を目の当たりにして、改めて俳優としての草なぎさんの凄さを感じたことを明かしてくれました。
また、草なぎさんが一番焦っていた場面として教えてくれたのが、小鉄がきょうだいの前で開き直って踊りだす“クズダンス”のシーンでした。草なぎさんは「監督が始まる前から、“あそこの打合せしよう”って言ってくれるんですけど、それが面倒くさくて。家でちゃんと考えてくるから大丈夫ですって、嘘をついて考えてなかったんです。リハーサルもやりたくなくて(監督と)距離をとっていました。ずっと嘘をついていて、それで本番がきちゃって・・・」と話す様子はまるで宿題嫌いの小学生のようで、その無邪気さに会場からも笑いが溢れ、市井監督も笑顔で応えていました。
「まぁ、でもとにかくやってやれ!ていう気持ちで、僕ならできる!僕はできる子だ!と自分を騙してアドリブで、“俺の中の振付師でてくるぜ!”みたいな感じでやりました(笑)」と本番に強いスター力で乗り切ったクズダンスのシーンを楽しく振り返っていました。
スポンサーリンク「応援して声をあげてくれた皆さんに感謝!」
6月の上映延期からようやく公開を迎えるにあたり、市井監督は「映画が公開されるまでには、映画製作に直接携わる人だけでなく、もっとたくさんの応援してくれる方の力があるんだと身に染みて感じました。オリジナル作品ということで、ひとつのことに向かってがんばってくれたスタッフやキャストのためにも、僕自身が公開を素直に喜びたい」と語りました。
草なぎさんは「普通に公開することが当たり前だと思っていたので、いろんなケースがあるんだなと思いました。昨年の暑い中、みんなでがんばって作品を作って、お蔵入りになるのがいちばん悲しいことなので、3週間ですけど公開できることになったのは正直嬉しいです。この作品を応援して声をあげてくれた皆さんのおかげです」とファンへの感謝の気持ちを語りました。
今作では一家の長男でありながら“父親役”でもある草なぎさんは「年を重ねてきて、子供を尊く思う気持ちがより深くなってきているように思います」と話し、子供のちょっとした言葉や動きが草なぎさんの演技に影響を与えていることを明かしてくれました。また、撮影にあたり自身の両親のことも考えたと話す草なぎさんと市井監督が声をそろえて「大好きなシーンです」と話すクライマックスは、まさに監督がテーマにした“両親への思い”が溢れています。鈴木家の“台風”のようなめまぐるしい夏の一日は果たしてどんな結末を迎えるのか、ぜひ劇場でご覧ください!
作品概要
9月6日(金)よりTOHOシネマズ名古屋ベイシティほかにて全国公開
※9月26日(木)までの期間限定公開
監督・脚本:市井昌秀
出演:草なぎ剛、MEGUMI、中村倫也、尾野真千子、若葉竜也、甲田まひる、長内映里香、相島一之、斉藤暁、榊原るみ、藤竜也
主題歌:フラワーカンパニーズ「西陽」(チキン・スキン・レコード)
音楽:スパム春日井
配給・制作:キノフィルムズ
公式サイト:http://taifu-kazoku.com/index.html
©2018「台風家族」フィルムパートナーズ
PG-12
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