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2019-02-08

三重県・伊勢志摩が舞台の映画『半世界』阪本順治監督&主演の稲垣吾郎さんに名古屋でインタビュー


 

2月15日に公開となる映画『半世界』は、三重県・伊勢志摩を舞台に39歳という「人生の折り返し地点に差しかかった主人公たちが、どこへ折り返していくのか」をテーマにした物語です。誰もが通るある地点の葛藤と、家族や友人との絆、そして新たな希望を描く、笑って泣ける『愛』がいっぱいの映画です。

オリジナル脚本を手掛けた阪本順治監督と、無精髭に煤だらけの姿で黙々と仕事をこなす炭焼き職人を演じた稲垣吾郎さんに名古屋でインタビューし、三重県・南伊勢町で敢行されたオールロケのエピソードを交えながら、作品の見どころを語ってもらいました。(取材日:2019年2月1日)

映画の公開を記念して、名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)から映画『半世界』のポストカードとプレスシートをプレゼントします。応募方法などの詳細もご紹介します。

こちらは同日にTOHOシネマズ名古屋ベイシティで行われた舞台挨拶のレポートです。

「玄関に伊勢の備長炭を飾っています」映画『半世界』名古屋舞台挨拶に稲垣吾郎さんと阪本順治監督が登壇

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稲垣吾郎さんが39歳の炭焼き職人を演じる

映画『半世界』は、阪本監督が長く温めていた企画で完全オリジナル作品です。三重県・伊勢志摩を舞台に「諦めるには早すぎて、焦るには遅すぎる<39歳>という年齢の男三人の友情物語を軸に、主人公・紘(コウ)と父親、紘と息子、紘と妻など複数のエピソードを交えながら描かれています。

なぜ<39歳>という年齢にスポットを当てたのか、阪本監督に聞いたところ、「自分が30歳で監督デビューし、初めのうちは甘やかされていましたが、40歳でプロとして更に認知されなきゃいけない、何か違った自分を見たいと思った時に、30代後半から準備することが必要でした。だから、39歳は自分にとってのターニングポイントでした」と、監督自身が人生の転機を迎えていた年齢だったこと、それが今回の企画に繋がっていると話していました。「思春期の思い出や、今置かれている状況を一度作品に出してみよう」そんな思いを込めて書かれたストーリーに登場する主人公・紘には、監督自身の思い出や自分の父親との関係が影響していることも教えてくれました。

そして、そんな主人公・紘を演じた稲垣吾郎さんは今作で深慮もなく父親の炭焼き窯を継ぎ、備長炭を製炭し生計を立てている「炭焼き職人」という特殊な役柄に挑戦しました。役作りについては、実際に撮影で使用した窯を貸してくれた炭焼き職人の森前栄一さんの指導のもと役作りに励んだことを話し、「窯から見える火や熱には圧倒されました。怖くも感じるし、美しくも感じるし、それが映画の中に収められたことが本当に良かったと思います」と映画の見どころを紹介してくれました。

また、『炭焼き』という日本の伝統技術を目の当たりにして、「こういうものに僕たちは支えられているんですよね。もっと備長炭に注目してほしいし、生活にも取り入れてほしいです。もっと備長炭を広めていきたい」と話す稲垣さんの眼差しが、映画で見せた炭焼き職人・紘を思い出さてくれるようでした。

また、映画『半世界』で稲垣さんは、多感な年ごろの息子を持つ父親役という新たな一面を見せてくれます。「(父親役については)経験もないですし、分からないことでした。でも、あの家があって、池脇さん演じる初乃という奥さんがいて、子供がいて、スタッフの空気感もあって、そのおかげで演じることができました」と現場の雰囲気に助けられていたことを明かしました。

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そして、お気に入りのシーンを聞くと港で息子役の杉田雷麟さんと毛布にくるまる場面を挙げました。「父親役というのは演技とか技術より気持ちのほうが大切だと思いました。そう映っているといいなぁ」と優しい表情で自身が演じた父親役を振り返っていました。

映画『半世界』は懐かしい日本の風景を思い出させてくれます。そのひとつとして妻の初乃が作る桜でんぶで書かれたメッセージ入りのお弁当からは夫婦のほほえましいコミュニケーションが垣間見えます。稲垣さんにお弁当に書いてあったら嬉しい桜でんぶメッセージを聞いたところ「相手にもよりますよね(笑)この間まで舞台でベートーベンの役をしていたんですけど、ファンの方がツイッターで『ベートー弁』を作ってくれていたのを見て癒されましたー」とほっこりエピソードも教えてくれました。

 

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近鉄線で現場通い!スイッチが入るのは〈津〉を過ぎたあたりでした!

映画『半世界』は2018年2月にクランクインし、長閑で風光明媚な三重県・南伊勢町を中心にオールロケで撮影されました。初めて三重県に訪れたという稲垣さんは東京と現場を往復しながら撮影に挑んでいたそうで、三重へ来るたびに「こんなに美しくて、居心地が良くて、住みやすい土地があるんだなぁと思いました。田舎暮らしの経験がないなので、ずっと滞在することを考えると最初はおっかなびっくりだったんです。ですが、土地の雰囲気のおかげで役に入ることができました。いつも紘のスイッチが入るのは<津>を過ぎたあたりでした」と、毎回撮影のたびに近鉄線の電車に乗って現場へ通っていたことを明かしました。

また、撮影中に滞在したホテルから見える美しい朝日を眺めることが毎朝の日課になっていたという稲垣さんは実は散歩好きだそうで、撮影の合間に「川沿いを歩いたり、港まで歩いて行ったりしていました。町も人も穏やかで、今度は旅行でじっくり遊びにきたいです」と南伊勢町を満喫していたことも明かしました。

阪本監督「悪いけどゴローって呼ばせてもらうよ!」

また、今回が初タッグとなる阪本監督と稲垣さん。稲垣さんとの距離感を阪本監督は「撮影中は同じ場所に住んでいる感覚にならないと撮れないので、すごく近い距離にいたと思います。でも、撮り終わると距離感は撮影前に戻ります」と少し寂しそうに話し、「(稲垣さんは)近寄りがたいものがあるんです。でもそれがないとオーラがないってことになるので俳優には必要なんです。でも、一緒に現場にいるときはそんなこと言ってられないから、“悪いけど稲垣くんじゃんなくてゴローって呼ばせてもらうよ”」と事前に稲垣さんに了承を得たことを話しました。

監督の発言を聞いた稲垣さんはすかさず「そういえば今日は監督、“稲垣くん”って言ってますよね。今、気づいた。戻んなくていいじゃないですか!せっかく距離が縮まったのに!監督が距離感を戻してるんだ。僕じゃない(笑)」と、イスをくるりと監督の方に向け前のめりになりながら話していました。

さらに、もうひとつ思い出し、「そういえば衣装合わせが終わった時、僕が車に乗り込んで走りだしたら、すぐにスタッフさんに呼び止められたんです。監督が“稲垣くん、現場ではゴローって呼び捨てにするからね”って、わざわざ伝えてくれたんです。おかしかったなぁ(笑)」と阪本監督の俳優への愛情と気遣い、優しい人柄が伝わるエピソードを披露してくれました。

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香取くんの横に座って『半世界』を観てみたい!

映画『半世界』では、口元に無精髭をたくわえ、頬は煤まみれ。くたびれたネルシャツに目深に被ったニット帽姿という、これまでに見たことのない新しい役柄を演じている稲垣さんは自身にとっての<39歳>を「人生の分岐点ではなく、デビューした頃と変わらず勢いで走っていた年齢でした。グループが解散して環境が変わった42、3歳の時に、ここから新しい半分の世界が始まると感じました」と話してくれました。

再スタートしてから1人で出演する作品としては第1作目の主演映画となる映画『半世界』。以前から阪本作品への憧れを抱いていたという稲垣さんですが、すでに阪本作品への出演経験がある香取慎吾さんへは「直接、(出演情報を)伝えるってことはこれまでの作品でもなかったんです。新聞で知ることもありましたしね(笑)でも今は前と比べて慌ただしく過ごさなくてよくなってきたので、香取くんとは今回の撮影について「現場はどう?」「楽しいよ!」とか、日常の他愛もない会話の中で話しました。これから観てくれるだろうからどんな反応をしてくれるのか楽しみです。いつも具体的な感想はないですが、顔色で分かるから、(香取くんの)横に座って反応を見てみたいですね」と、ワクワクしたような表情で話す姿が印象的でした。



映画『半世界』オリジナルグッズをプレゼント!

映画『半世界』の公開を記念して、ポストカードとプレスシートをCine@nagoya(シネアナゴヤ)の公式Twitterをフォロー&リツイートされた方の中から抽選で2名様にプレゼントいたします。

応募方法:Cine@nagoya(シネアナゴヤ)のTwitterアカウントをフォローし、以下の投稿をリツイートしてください。

※応募の際にコメントとして、稲垣吾郎さんの過去出演作で好きな作品や映画『半世界』への期待や感想などを書いていただくと、全てしっかりと読ませていただきます!

プレゼント内容:映画『半世界』ポストカード、プレスシート、チラシのセット

応募期間:2019年3月4日(月)まで

当選数:2名様

※当選者へは後日DMにてご案内をいたします。

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作品情報

映画『半世界』

2月15日(金)より TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、ミッドランドスクエアシネマほかにて全国ロードショー

【あらすじ】
山中の炭焼き窯で備長炭の職人として生計を立てている紘(稲垣吾郎)の前に、かつての同級生であり元自衛官の瑛介(長谷川博己)は現れ、深い考えもなく単に父親の仕事を継ぎ、ただ毎日をやり過ごしていた紘の姿に驚く。そして、もう一人の同級生、光彦(渋川清彦)には、息子への無関心を指摘され後悔の念にさいなまれる。仕事の忙しさを言い訳に、息子の事も家庭の事も妻・初乃(池脇千鶴)に任せきりで仕事のみならず、家族にすら無関心だった自分に気づかされる。
やがて、瑛介が抱える過去を知った紘は、仕事、そして家族と真剣に向き合う決意をする・・・。仕事にも家族にも無関心だった男が、同級生との再会をきっかけに、人生と向き合っていく姿を丁寧に描く。

脚本・監督:阪本順治

出演:稲垣吾郎 長谷川博己 池脇千鶴 渋川清彦 小野武彦 石橋蓮司 他

配給:キノフィルムズ

©2018「半世界」FILM PARTNERS

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