toggle
2023-03-19

松山ケンイチさん、長澤まさみさん、鈴鹿央士さんらが参加 映画『ロストケア』愛知・知多の日本福祉大学で特別授業


 

3月24日(金)より公開となる映画『ロストケア』は高齢者介護の現場で起きた連続殺人事件をめぐり、松山ケンイチさん演じる42人を殺めた殺人犯・斯波宗典と、長澤まさみさん演じる彼を裁こうとする検事・大友秀美の対峙を描いた社会派サスペンス。映画を題材に日本福祉大学美浜キャンパス(愛知県知多郡)で社会福祉学部の湯原悦子教授による特別授業が行われ、松山さん、長澤さん、鈴鹿央士さん、前田哲監督、原作者の葉真中顕さんが参加しました。


200名を超える学生たちは映画を鑑賞し、その後の座談会形式で行われた授業は映画の印象的なシーンや原作の話、介護殺人についてなど、短い時間ながら充実したものでした。学生たちとの記念撮影では、授業を担当した湯原教授や学生と触れ合い、学生たちの大きな歓声や拍手が起きるなど、大いに盛り上がりました。(取材日:2023年3月17日)

また映画の公開を記念して、名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)から映画『ロストケア』オリジナルカレンダー(非売品)を3名様にプレゼントします。イベントのレポートと合わせてプレゼントの応募方法もご紹介します。イベントレポートの感想を添えて、ご応募ください。

愛知・知多の日本福祉大学に松山ケンイチさん、長澤まさみさん、鈴鹿央士さんらに220名の学生が大興奮

映画『ロストケア』は葉真中顕さんによる同名小説を原作に、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『そして、バトンは渡された』などの前田哲さんが監督をつとめる社会派エンターテインメント作品です。松山ケンイチさんと長澤まさみさんが初共演し、介護士でありながら、42人を殺めた殺人犯・斯波宗典と彼を裁こうとする検事・大友秀美が互いの正義をかけて対峙する物語です。高齢者介護の実態や孤立死、貧困、社会的格差、介護殺人など、現在の日本が抱える社会と家族の問題が描かれている点にも注目が集まっています。

映画の公開を前に、日本福祉大学美浜キャンパス(愛知県知多郡)で、映画を題材にした特別授業が行われ、進行役の社会福祉学部の湯原悦子教授は「人生で一度あるかないか」と緊張した様子。松山ケンイチさん、長澤まさみさん、鈴鹿央士さん、前田哲監督、原作者の葉真中顕さんが登場すると会場内にはどよめきと歓声が響き、「ここに来られて皆さんと話ができるのをすごく楽しみにしていました」「いい時間が過ごせたらと思います」などと、それぞれが一言ずつ挨拶をするたびに、会場に集まった220名の学生から割れんばかりの大きな拍手が起きました。

特別授業は映画鑑賞のすぐ後に行われたため、2名の学生が映画の感想を伝えるところからスタート。自身も在宅介護の経験があるという学生は「介護者と被介護者のリアルな家庭の問題を映しだしていると感じました。介護を経験された方には共感できるし、介護について知ってもらうきっかけになると思いました」と伝え、もう一人の学生は「社会福祉学部の学生として学んできたことと照らし合わせながら映画を観て、介護者が幸せに暮らせるためにどうしたらよいのかを考えるようになりました」としっかりと感想を伝え、松山さんや長澤さんらゲストの面々は頷きながら真剣に耳を傾けていました。

学生たちと同年代で、映画『ロストケア』で長澤さん演じる検事と共に事件の真相を追い求める検事事務官を演じた鈴鹿さんは「僕よりしっかり感想を述べてくれて、しっかり観てもらえてありがたいです」と感心した様子をみせました。

学生の感想の中にもあった綾戸智恵さん演じる高齢者が軽微な罪を犯して刑務所に入れてほしいと検事の大友(長澤さん)に懇願するシーンの話題に前田監督が「実際にそういう方がいらっしゃるので、映画にも入れようと思いました」と話しました。湯原教授は「高齢者問題は介護だけではなくて、犯罪をしなければいけない何かに想いを馳せてもらえると良いと思います」と伝えました。

原作者の葉真中顕さん「様々な格差が介護に直撃することを肌で実感しました」

映画『ロストケア』の原作は2013年に刊行され、第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞した葉真中顕さんによる小説「ロスト・ケア」です。原作者の葉真中さんは執筆をした15年程前を振り返り「家族の介護をしなければならない状況になりました」と話し出しました。しかも介護保険制度がスタートした頃、大手介護サービス事業者が突然、事業から撤退するなどの混乱があった時期で「その事業者を使っていました」と明かし、たくさんの人の事例を見る中で、リソース、お金、知り合いの有無、家族間の密度などの差があることに気が付いたそうで「様々な格差が介護に直撃することを肌で実感しました」と話し、小説を執筆するに至った経緯を教えてくれました。湯原教授は「小説「ロスト・ケア」は素晴らしくて、司法福祉論で必読図書にしたいと思っていますので、読んでいただければ」と絶賛しました。

続いて前田監督は「原作に出会い、葉真中先生の憤りを受け取って、映画化しなければいけないんじゃないかと思いました」と映画化に動き出した想いを話しました。助監督時代から新聞を読むようにしていると話し、前田監督は「映画にどれだけの力があるかは未知数ですが、映画を観た人が話題にしたり、興味を持ってもらうことが社会を変える原動力になると思ってエンタテインメントを作っています」と語りました。

前田監督の発言を受けて、湯原教授は「研究者として介護殺人について話をしても、講演会に来ていただける方はある程度、関心のある方で年齢層も限られています。それだけでは社会は変わらないと思います」と話し、「(映画が公開されることで)今までこの問題に目を向けてこなかった人にも注目してもらえるきっかけになったと思います」と映画の影響力の大きさを感じていると語りました。

松山ケンイチさんに「ゼミ長に指名したい」 長澤まさみさんに投げかけた難問「斯波に対して必要な刑罰は?」

特別授業も終盤になり、映画『ロストケア』で描かれている“介護殺人”の問題を掘り下げてくことになり、湯原教授が時間を気にしながら松山さんに「大丈夫ですか?」と聞くと、親指を立てて“イイね!“サインでアイコンタクト。松山さんの様子に湯川教授が「私のゼミにいたらゼミ長に指名したい」と発言すると、会場から大きな拍手が巻き起こりました。

湯原教授が検事の役を演じた長澤さんに「斯波に対して必要な刑罰は?」という難しい質問を投げかけ、長澤さんは「斯波がした行為は許されるものではなく、厳しい刑罰を受けるのだと思います」と断言しつつも「斯波にとって、いわゆる法的な刑罰を与えることが罰として捉えられるのかは難しいと思います」と斯波の正義についての考え方に言及しました。

言葉を選びながら丁寧に答えた長澤さんに対して湯原教授は「本当にすごく難しいことを聞いてしまいました」と言い「自分のしたことに対して罪悪感を表に出していない人に対して、司法が何ができるのか、とても難しい問題だと思います」と話しました。

松山ケンイチさんが斯波について語る「誰かと介護の話を共有することが大事」

斯波を演じた松山さんは「斯波は皆さんと何も変わらない。異常さがない点を大事にしていました」と言い、斯波の心理状態や置かれた状況を説明し「外側からだと法律やルール、社会の常識でしか見られないので、事件だけを見ると誰かに助けを求めればよかったと思ってしまうけれど、そうではない状況が裏側にあると思います」と表面化されにくい介護者の苦しみについて話しました。

さらに松山さんは「誰かと介護の話を共有することが大事で、セーフティーネットを調べるという選択肢を持っていてほしかった。それも余裕のある人ができることで、(斯波は)目の前の介護で手一杯でその余裕もなかった」と続けました。「彼の状況は子育ても一緒で、周りの人たちが孤立化させないことも必要になってくると思います」と介護の問題は子育てに通じるものもあり、孤立化させないことの大切さを語りました。

会場に集まった学生たちに向けて「介護を経験されたり、これから介護の仕事に携わるかもしれない皆さんに、この素晴らしい大学で知識を得て、目の前の課題をたくさんの人と共有していくことで救われる人が増えると思います」と熱く想いを伝えました。湯原教授も松山さんの発言に「介護殺人の加害者はみんな一生懸命、介護をしようと思っていて、普通の生活をしようと思っていた人です。映画を観ていて、斯波が経験を共有し、心が開ける人がいればいいなと思っていました」と話しました。

授業の最後には介護殺人をテーマにした「斯波の第一の事件を防ぐとしたら…」というミニ講義が行われ、湯原教授は現実と照らし合わせた考察や、斯波を救えた可能性について学生たちに伝えていました。

重いテーマの授業で空気を和ませる松山ケンイチさんに長澤まさみさんも笑顔

重いテーマの授業でしたが、松山さんが発言の途中で「素晴らしい大学、なんですよね?」と問いかけたり、「残り5分ですね!わかりました!」と終了時間を指示するスタッフに返事をするなどして、会場の空気を和ませていました。

長澤さんは授業が終わってステージを降りる時に、湯原教授や登壇した学生たちに歩み寄って笑顔で言葉をかけていました。その後、授業に参加した学生たちと共に行った記念撮影中に、松山さんが突然、湯原教授の肩に手を回すと、教授の隣にいた鈴鹿さんが驚いて笑顔になっていました。学生たちからは大きな歓声があがり、湯原教授も嬉しそうな表情を浮かべていました。

松山さんは学生たちとより近い距離で写真を撮影しようと椅子に深く腰を落とし、長澤さんも笑みを浮かべ、一緒に写真撮影を楽しんでいました。松山さんの指示を受けたカメラマンも良いアングルの写真を撮ろうと低い体勢でシャッターを押していました。

さらに一度は会場の外に出たものの、車椅子で観覧していた学生が気になったのか松山さんらが再び会場内に現れ、車椅子の学生たちを囲んで写真撮影するなどのサプライズもありました。

映画『ロストケア』オリジナルカレンダー(非売品)プレゼント応募方法

映画の公開を記念し映画『ロストケア』オリジナルカレンダー(非売品)をCine@nagoya (シネアナゴヤ)の公式Twitterをフォロー&リツイートされた方の中から抽選で3名様にプレゼントします。

応募方法:Cine@nagoya (シネアナゴヤ)のTwitterアカウントをフォローし、以下の投稿をリツイートしてください。映画『ロストケア』への期待や鑑賞予定の日程、鑑賞後の感想など、作品に向けた熱い想い、イベントレポートの感想等のコメントは当選者決定の参考にさせていただきます。

プレゼント内容:映画『ロストケア』オリジナルカレンダー(非売品)を3名様

応募期間:4月3日(月)まで

当選数:3名様

*当選者には後日、DMにてご案内をいたします。

〈関連記事〉

名古屋国際会議場・名古屋市役所でも撮影!映画『唐人街探偵 東京 MISSION』妻夫木聡さん、長澤まさみさんも主要キャラで出演

映画『嘘を愛する女』名古屋・舞台挨拶に長澤まさみさんと高橋一生さん!鯱バースデーケーキでお祝い

「(生田絵梨花さんは)ダー子ちゃんより当たりが強い」『コンフィデンスマンJP 英雄編』小手伸也さんに名古屋でインタビュー

客席のリアクションに満面の笑み!天海祐希さん主演映画『老後の資金がありません!』名古屋舞台挨拶

作品概要

映画『ロストケア』

3月24日(金)よりミッドランドスクエアシネマ他にてロードショー

監督:前田哲

出演:松山ケンイチ 長澤まさみ 鈴鹿央士 坂井真紀 戸田菜穂 峯村リエ 加藤菜津 やす(ずん) 岩谷健司 井上肇 綾戸智恵 梶原善 藤田弓子/柄本 明

原作:葉真中顕「ロスト・ケア」(光文社文庫刊)

主題歌:森山直太朗「さもありなん」(ユニバーサル ミュージック)

配給:東京テアトル 日活

公式サイト:lost-care.com

©2023「ロストケア」製作委員会

 


関連記事