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2025-06-22

「プレゼンは初めての経験」妻夫木聡さんが映画『宝島』宣伝キャラバンで名古屋のミッドランドスクエアシネマに登場


 

2025年9月19日(金)に公開となる映画『宝島』はアメリカ統治下にあった沖縄を舞台に、自由を求めて駆け抜けた若者たちの友情と葛藤を描いたエンタテインメント超大作です。真藤順丈さんによる直木賞小説「宝島」が原作で、監督を務めるのは大友啓史さんです。主演の妻夫木聡さん、広瀬すずさん、窪田正孝さん、永山瑛太さんが米軍基地から物資を奪い、住民に分け与える“戦果アギヤー”の中心にいた幼馴染の4人を演じています。

映画『宝島』の宣伝アンバサダーを務める妻夫木さんと大友監督が名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで行わていた【予告上映&宣伝大会】に登場し、集まった観客に直接、作品の魅力を語りました。(取材日:2025年6月21日)

妻夫木聡さん「プレゼンは初めての経験」全国宣伝キャラバンのきっかけは『ウォーターボーイズ』

映画『宝島』の宣伝アンバサダーに就任した主演の妻夫木聡さんが大友啓史監督とともに全国宣伝キャラバンを決行しており、6月7日の沖縄を皮切りに、先週の静岡に続き、愛知は3ヶ所目です。名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマでは、公開が予定されている作品ラインナップを一挙に紹介し、映画配給会社の担当者がイチ推し作品をプレゼンするイベント【予告上映&宣伝大会】を定期的に開催しています。イベントに登壇した妻夫木さんは「皆さんの映画愛にすごく感動しました」と今回が6回目となる【予告上映&宣伝大会】の趣旨に感激しながら、「プレゼンは初めての経験」と緊張した様子で映画『宝島』の紹介を始めました。

特別映像を上映した後、妻夫木さんが「宣伝部の方に直々にお願いしました」と自分発信で宣伝アンバサダーとして全国を回ることにしたと伝え、その理由として妻夫木さんが初主演した『ウォーターボーイズ』(2001年公開)の映画キャンペーンで全国を回った経験を振り返り「直々に全国のお客様の顔を見て届けることが大事だと感じました」と話しました。

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大友啓史監督 NHK朝ドラ『ちゅらさん』を振り返り「いつか復帰前の沖縄を描きたいと思っていました」

大友監督はNHKで朝ドラ『ちゅらさん』の演出を担当していました。『ちゅらさん』の主人公えりぃは1972年生まれの「復帰っ子」で、大友監督は当時から「復帰以降を描いただけでは、沖縄を描いたことにはならない。いつか復帰前の沖縄を描きたいと思っていました」と伝え「20年思い続けて、この原作に出会いました」と映画『宝島』の制作のきっかけを語りました。

さらに大友監督は「アメリカ統治下の沖縄、あの時代に何があったのか、大きなアメリカ合衆国と琉球政府が向き合う中で、どんなことが起きていたのか、どういう思いで生きてきたのか、我々も共有して、彼ら彼女らの感情を体験するべきであると強い信念を持っていました」と話しました。

妻夫木聡さん 戦後80年の年の公開に「運命じゃなくて、必然なのだと確信しています」

映画『宝島』の舞台は沖縄のコザです。妻夫木さんんは「『涙そうそう』もコザを舞台にした作品です」と同じ場所を舞台にした作品で主演をつとめることに「運命を感じた」と言い、「その時にできた親友たちが助けてくれました」と話しました。友人に連れられて行った佐喜眞美術館で「沖縄戦の図」を見たことを話し「画を目にした瞬間にいろんな感情が押し寄せてきて、教科書に書いてあることでは学べないこと、リアルな声が心の中に入ってきました」と当時の気持ちを吐露しました。

さらに妻夫木さんは「知ることにとらわれ過ぎて、感じることを忘れていた気がしました。画を見て泣き崩れて、動けなくなってしまったんです」と伝え、「佐喜眞美術館に行っていなかったら(沖縄を描いた作品の主演をつとめることに)本当の意味での覚悟を持てなかったかもしれない」と話しました。映画『宝島』が戦後80年の年に公開されることを「運命じゃなくて、必然なのだと確信しています」と力強く伝えました。

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「ただの映画で終わらせたくない」「登場人物たちの未来は皆さん自身」

妻夫木さんから映画『宝島』のスケールの大きさについて「全てが規格外、構想6年、2度の延期、総製作費25億円、撮影期間106日、沖縄ロケ41日、ロケ地43カ所、エキストラ延べ5000人、希少アメリカンクラッシックカー約50台」と紹介されると、大友監督が「当時の沖縄を再現、嘘のない表現をすると決めていたんです」「あの時代を俳優たちに実際に体験してもらい、そこから出てくる感情を追体験する作品にしたい」「いろんなことを粘り強く、美術、撮影、照明、衣装、メイク、手を抜かずにやりました」と大きな予算が必要だった理由を伝えました。特に、左ハンドルのアメリカンクラッシックカーや軍事車両など、ビンテージカーを集めるのに苦労したと教えてくれました。

劇中には1970年12月20日未明に起きたコザ騒動も描かれていて、大友監督は「基地に続くゲート通りで沖縄の人たちが貯まっていた想いをぶつける騒動で、車をひっくり返し、燃やし、集団でアメリカの基地に向かって行進していった」「それをしっかり再現しようとすると、ビンテージカーを燃やさないといけない」と熱く語りました。また妻夫木さんから本編が191分であることが明かされると、大友監督は「沖縄の20年間、登場人物一人ひとりの感情とドラマがあります」と映画の魅力を伝え「最初は5時間の脚本を書いていた」と驚かせ「体感時間としては、2時間、2時間半くらいに感じてもらえるように仕上げています」とまとめました。

最後に妻夫木さんは「ただの映画で終わらせたくない」というキーワードをスクリーンに映し出し「映画は観た先にある希望を感じてもらいたいと思っています」と話し出しました。「映画はお客さんが観て初めて完成します。登場人物たちの未来がどうなったのか、想像してもらえると思います。それは、皆さん自身なんです。沖縄を描いた作品ですが、日本です。僕たちの話です。そして、世界にも言えること。今ある現実にも向き合わないといけない。子どもたちにどういう未来を残せるのか。観終わった後に確実に命の鼓動を感じてもらえる作品だと思います」と熱い気持ちを観客に伝えました。

作品概要

映画『宝島』

公開日:2025年9月19日(金)

監督:大友啓史

出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、ピエール瀧、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮、デリック・ドーバー ※塚本晋也の「塚」は「ヽ」のある旧字体

原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)

配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会


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