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2024-05-30

平泉成さんがキャリア60年で映画初主演 故郷の岡崎で撮影した映画『明日を綴る写真館』名古屋でインタビュー


 

6月7日(金)から全国公開される映画『明日を綴る写真館』は、キャリア60年にして映画初主演の平泉成さんが、故郷の岡崎で写真館を営む鮫島を演じる作品です。Aぇ! groupの佐野晶哉さんが演じる気鋭カメラマン・太一が鮫島に弟子入りし振り回されながらも成長していく姿と、鮫島やその家族の“想い残し”にまつわるドラマなど、悔いのない未来のために登場人物たちが前進していく様子を描く、美しくて優しい物語です。佐藤浩市さん、黒木瞳さん、市毛良枝さんなどのベテランから嘉島陸さん、咲貴さん、田中洸希さん、吉田玲さん、愛知出身の林田岬優さんなど魅力的なキャストが出演し、『明日を綴る写真館』の世界を膨らませています。

映画『明日を綴る写真館』の公開前に平泉成さんが名古屋でインタビューに応え、故郷の岡崎への想い、出演者について、作品への熱い気持ちなどを話しました、(取材日:2024年5月8日)

「岡崎でやらせてもらえて本当に嬉しかった」平泉成さん 溢れる地元愛・岡崎愛を語る

映画『明日を綴る写真館』は、あるた梨沙さんによる同名マンガを原作に、愛知県岡崎市の撮影協力のもと秋山純監督が映像化した作品です。故郷である岡崎で初主演映画が撮影された気持ちを平泉さんに伺うと「こんな大きな映画で、岡崎でやらせてもらえて本当に嬉しかった」と噛みしめるように話し、笑顔を見せました。そして「川の流れ…川沿いから見る岡崎城の風景はいいよね」と撮影中、特に印象深かった場所を振り返りました。

岡崎城の話題になると「歴史資料館(三河武士のやかた家康館)の『家康が語る 決戦!関ケ原』というので、僕は徳川家康をやっているんですよ」と、自身がジオラマシアターで上映される家康を演じていると教えてくれました。岡崎で行ってみたい場所を聞くと、「大樹寺」と答え、桶狭間の戦いで敗れた家康が再起した場所を挙げました。「岡崎出身だからかな。やっぱり徳川家康が良いと思いますね」といたずらっぽく話しました。

平泉さんが通っていた岡崎商業高校の校歌を披露して、当時は甲山付近に学校があったことを懐かしそうに語り、「学校愛が強かった」と今も変わらぬ地元・岡崎への愛情を見せました。劇中にはララシャンスOKAZAKI迎賓館など、岡崎の様々なスポットが登場します。見知った場所がスクリーンに映し出される楽しさも味わえそうです。

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Aぇ! groupの佐野晶哉さんら気鋭の若手俳優陣に注目「それぞれがいい芝居を見せてくれた」

映画『明日を綴る写真館』では様々な人間模様が描かれます。主人公の妻を市毛良枝さん、弟子の太一をAぇ! groupの佐野晶哉さん、息子役を嘉島陸さんが演じます。加えて佐藤浩市さん、吉瀬美智子さん、高橋克典さん、田中健さん、美保純さん、赤井英和さん、黒木瞳さんなど豪華なメンバーが名を連ねています。

若手の俳優たちについて平泉さんは、特に弟子の太一役の佐野さん、息子役の嘉島さん、太一のマネージャー役の田中洸希さんを挙げて「素敵だった」と目を細めました。2人のシーンが多かった佐野さんについて「感受性が非常に豊かで堂々たる受けの芝居ができるし、古いおじさんにも上手に対処してくれる」と称賛しました。そして撮影中の佐野さんの印象として「綺麗な顔しているな」と思っていたと明かし「僕も顔が小さいと若い頃言われていたけど…」とユーモアを織り交ぜながら話しました。

平泉さんは佐野さん、嘉島さんと3人で軽自動車に乗って移動するシーンが特に心に残っていると語りました。若手時代の自分と若手俳優を比べ「僕は彼らのように堂々と芝居できなかった。本当に何も分かっていなかった」と言い、本作では若手に負けないように「堂々として、長いこと生きてきた年輪で芝居をやりました」と振り返りました。平泉さんは「皆がそれぞれにいい芝居を見せています。キャスティングに恵まれました」と手ごたえを見せました。

平泉さんはベテランの俳優陣について「若いころから知っている人が、年齢を重ねてきた中で見せてくれる芝居が良かった」と、佐藤さん、黒木さん、市毛さんの芝居を細かに再現しながら話しました。その姿から、平泉さんの温かな人柄や役者同士の絆が感じられました。

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“たった一枚の写真が人生を変えることがある”「この映画を観て、温かい涙を流してくれたら本当に嬉しい」

本作はカメラマンとしての平泉さんの雄姿や写真が人生でどんなに大切かを感じさせてくれることが見どころの一つとなっています。プライベートでもカメラが趣味だと話す平泉さんは「一眼レフのキャメラをずっと使っていました」と言い、被写体を聞くと、すかさず「孫!」と返答。孫の可愛らしさを語る様子から、かなりの枚数を撮影してきたことが察せられました。平泉さんにとって、カメラや写真はどんな存在なのかと尋ねると、「美しい瞬間や楽しい瞬間を写す日常に無くてはならないものです。出かけるときは必ずキャメラを持っていきます」と答え、「でも、僕のプライベートの写真は少ないんですよ。僕が撮る側ですから」とこぼしました。「家族に撮ってもらう写真は300%くらい気を許しちゃって酷い顔が多いんです。一生懸命、それを消去しています」と笑いながら話しました。

“たった一枚の写真が人生を変えることがある”というテーマの本作。家族写真は特にその側面があると言えるでしょう。災害などに遭ったとき、最初に探すのが写真やアルバムだということを報道などで見聞きします。平泉さんは「写真というのは、そのぐらい大事なものだと思います。そういう想いでシャッターを切れれば」と主人公の鮫島役に臨んだと話しました。自分自身のベストシーンは?と質問すると、堤防の上で”写真を撮る意義”を喋るシーンや”写真の大切さ”を語るシーンを挙げ、「僕の妻も、そのシーンが好きだった」と明かしました。平泉さん演じる鮫島の写真に対する思いに心を動かされる名シーンをぜひスクリーンでご覧ください。

平泉さんはデジタルの良い面を挙げつつ、「僕はデジタルを敵視しているわけじゃないけど、アナログが懐かしい」と述べ、人と人との繋がりについて「アナログの心を忘れないで欲しい。直接あったかい言葉で話すことや、相手のために何かしてあげようという気持ちが最近薄らいできているのではないか」とつぶやきました。そして「この映画を観て、温かい涙を流してくれたら本当に嬉しい」と声を強めました。

加えて「この映画は、公開時に主演が80歳。高齢者が主役をする映画は本当に数少ないです。でも、高齢者だけでなく、若い人も対象として作っています。佐野君も出演しているし、特に若い人に観てもらって、どんなふうに感じるのか知りたいですね」と期待を寄せました。最後に「私、愛知出身ですから。名古屋の方、岡崎の方、僕を応援してください」と声を大きくアピールし「お客さんに観てもらって、作品賞から監督賞から、全部貰えたら嬉しいですね!今年の夢です!」と笑顔で結びました。

作品概要

映画『明日を綴る写真館』

出演:平泉成 佐野晶哉(Aぇ! group) 嘉島陸 咲貴 田中洸希 吉田玲 林田岬優 佐藤浩市 吉瀬美智子 高橋克典 田中健 美保純 赤井英和 黒木 瞳 / 市毛良枝

原作:あるた梨沙『明日を綴る写真館』(BRIDGE COMICS / KADOKAWA刊)

企画・監督・プロデュース:秋山 純

脚本:中井由梨子

企画協力:PPM製作:ジュン・秋山クリエイティブ

配給:アスミック・エース

公式サイト:https://ashita-shashinkan-movie.asmik-ace.co.jp/

©2024「明日を綴る写真館」製作委員会 ©あるた梨沙/KADOKAWA


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