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2022-06-25

たくさんの思い出を語る古厩智之監督 名古屋・シネマスコーレで映画『奈緒子』トークショー


 

名古屋駅西口にあるミニシアター・シネマスコーレで2007年公開の映画『奈緒子』の35ミリフィルム上映が行われ、古厩智之監督による舞台挨拶とトークショーが開催されました。『奈緒子』は上野樹里さんと三浦春馬さんが主演し、伝説の駅伝コミックを映画化した青春映画です。スコーレインディーズスペースで行われたトークショーの様子を取材しました。集まった観客を前に「僕よりも皆さんのほうが春馬くんのこと知っていると思いますよ」「その時のことしか知らないので」などと謙遜しつつ、上野樹里さん、三浦春馬さんのエピソードはもちろん、柄本時生さんやライバル役で出演していた綾野剛さんについて、時に笑いを交えながらたくさんの思い出を話してくれました。(取材日:2022年6月22日)

シネマスコーレでは7月16日~29日まで『森の学校』、7月23日~29日まで『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』、7月30日~8月5日まで『恋空』の上映を行うことが決定しています!

スコーレインディーズスペースで満員の観客に迎えられた古厩智之監督

名古屋駅西口にあるシネマスコーレは、1900年にオープンした座席数51席のミニシアターで、アジア映画やインディーズ映画などを中心に上映し、映画の作り手と観客の交流の場として舞台挨拶やトークショー、サイン会などを積極的に行っています。シネマスコーレの2階に2022年1月にオープンしたスコーレインディーズスペースは観客の休憩スペースや映画トークショーのイベントスペースとして活用されています。

シネマスコーレ2階にオープンした「スコーレインディースペース」待合利用やトークイベント会場に

シネマスコーレでは、6月11日(土)から7月1日(金)まで<ミニシアターで35ミリフィルムを観よう!企画第3弾+α>として『真夜中の五分前』『奈緒子』『森の学校』が上映されています。『奈緒子』の上映期間中に古厩監督が来館し、トークショー(1回目)、『奈緒子』本編上映と舞台挨拶、トークショー(2回目)が行われました。2回のトークショー、舞台挨拶付き上映はすべてが満席で、平日の昼間からシネマスコーレにはたくさんの観客が詰めかけていました。1回目のトークショーが始まり、シネマスコーレ副支配人の坪井篤史さんの呼び込みで35席の観客席が作られたスコーレインディーズスペースのステージに古厩監督が登場すると、温かな拍手が送られました。シネマスコーレでイベント登壇するのは初めてだという古厩監督は坪井さんからのたくさんの質問に丁寧に答えてくれました。

撮影前の特訓と撮影中の走り込みで駅伝ランナーの筋肉を作った三浦春馬さん

『奈緒子』のキャスティングについて聞かれた古厩監督は、奈緒子役の上野樹里さんは決まっていた中で、雄介役について「原作の雄介は野生児で、全然2枚目じゃなくて、元気で純粋な子」と話し、『恋空』が大ヒットしていた頃だったことから「春馬くんは2枚目だし、金髪だし」と当初は他の候補もいたことを明かしました。三浦さんに実際に会ったときにも金髪だったそうで「キョトンとしていて、取り繕う感じがなく、無垢なイノセンスさを感じました」と話しながら、三浦さんのキョトンの様子を真似して見せようとしてくれました。

雄介を演じることになった三浦さんについて、古厩監督は「雄介は天才ランナーの設定だったので、(撮影で)本当に走ってもらうために特訓をしました。撮影に入る前から2か月ほど、オリンピック日本チームの一流トレーナーの金(哲彦)さんに走り方を習って、特訓してもらいました」「怪我をしても頑張ってくれました」と話し、長崎での撮影が梅雨時期だったそうで「雨が多くて撮影ができない日も、走っていました」と当時を振り返りました。映画の中の三浦さんの足の筋肉が駅伝ランナーにしか見えないと話題になると「(トレーナーの)金さんもいい脚になってきたと言っていて、あの筋肉は実際に走ってついたものですね」と三浦さんの努力を讃えていました。さらに「(ライバル役で出演していた)綾野剛くんが岐阜県の駅伝代表にもなったことがあって、上体がぶれない本物の走り方で、金さんと綾野くんに教えてもらっていました」と教えてくれました。

民宿での合宿生活で仲良くなった駅伝チームの面々

三浦さんを含めて10代後半の若い役者が多く出演していた『奈緒子』の撮影を振り返り、古厩監督は「(上野)樹里ちゃんはホテルに泊まっていたのですが、春馬くんは主演なのですが、他の役者と一緒に民宿のようなところに泊まってもらって」と教えてくれました。東京での練習や撮影中、撮影のない日も一緒に走りこんでいた仲間たちとの様子を「あ、思い出した」と言って様々なエピソードを話してくれました。「男の集団って、女の子よりもずっと嫉妬するんですよ」など、柄本時生さんなどを含む同世代の俳優たちと三浦さんの様子も話しながら「ここだけの話」もたくさんしてくれました。さらに「春馬くんは誰より早く走れないといけないとものすごい努力して、『雄介についていけ~』と先頭を走るシーンが多いので、本当にできるようになろうとしていて、最後にはみんなぐちゃぐちゃに仲良くなっていました」と懐かしそうに話していました。

撮影中は全力疾走 まるでアスリートのような会話

実際の撮影について古厩監督は時速24キロ程のプロの駅伝選手と同じスピードで走っても撮影すると速くみえないことから「時速30キロくらいの全力疾走をしてもらって、カット毎に短い距離を何度も走って撮影しました」とかなり過酷な撮影だったことを明かしました。「カメラを回す前から走り始めてもらって、200mくらいスピードがのってきてからスタートして、カットしてすぐに止まると足を痛めるのでさらに200mくらい走って、バタって倒れちゃうんですよ」「1回走ると30分は休憩しないと次の撮影ができないのですが、もう1回というと。『はい・・』と言って」と当時の様子を臨場感たっぷりに話してくれました。

綾野さんと三浦さんのデッドヒートの名シーンが話題になると「2人の会話は『調子どう?』とアスリートの会話のようでした」と話してくれました。古厩監督は「本当にいいシーンは1回しか撮れないと思ってます。ラストシーンの撮影は1回で、ゴール後のシーンも含めてそのままの流れで撮りました」と話し、沿道にたくさんのエキストラを待たせていた撮影時の状況をジェスチャーを交えて説明し、「嘘を撮っているけど、奇跡的なものを目の前に現出させて撮りたいと思っています」と映画作りの楽しさを語ってくれました。

奈緒子と雄介の関係性を1本のペットボトルで表現

『奈緒子』は駅伝青春映画であり、奈緒子と雄介の複雑な関係が描かれた作品でもあります。古厩監督は三浦さんと上野さんについて「(雄介と奈緒子の)お互いを目の前にすると居心地が悪い関係というのを理解していました」と話し、「原作は奈緒子のモノローグが多いんですが、そういうことはしないと決めていました」と語りました。また「雄介と奈緒子の関係は言葉ではなく、目に見えるものでやろうと思って、1本のペットボトルを使うことで、より深い映画になると思いました」とこだわった演出についても教えてくれました。

三浦さんが『奈緒子』で、2008年の第63回毎日映画コンクールで「スポニチグランプリ新人賞」を受賞したことを坪井さんが話すと、古厩監督は「初めて知りました!」と嬉しそうな様子をみせてくれました。また、2018年頃に東宝の撮影所で三浦さんと会ったという古厩監督は「100mくらい向こうから『監督~』って、笑って走ってきたんです。こんなことができるくらい大人になったなぁと嬉しかったです」と久々の再会の様子を話してくれました。

35ミリフィルム上映で観る『奈緒子』

『奈緒子』の35ミリフィルム上映が行われることについて「ちょうど今日のような季節に撮影していて、空も海も白くて、真ん中を日焼けした子が走る。テレビで見ると、白い色の中にいろいろな色が混じって見えるけど、フィルムならその時の色が、そのまま観られるので、ラストのデッドヒートは映画館で観てこそだと思います」と観客に伝え、監督も一緒にシネマスコーレのスクリーンで鑑賞することが伝えられました。マスクを取って観客の写真撮影に応じた古厩監督は、戸惑いながら笑顔も見せてくれました。

シネマスコーレでは、『奈緒子』が表紙になっている新潟の映画館シネ・ウインドの月刊誌「ウインド」2021年11月号(325円)が販売されていて、2回目のトークショーの後にサイン会も行われたそうですが、1回目のトークショー後にはすでにサインを入れた月刊誌「ウインド」を買い求める多くの観客の姿がありました。

ファンの声に応えるシネマスコーレ

シネマスコーレは名古屋市内で35mフィルム映写機のある数少ない映画館のひとつで、2022年1月より<ミニシアターで35ミリフィルムを観よう!>を企画し、様々な作品をスクリーンでフィルム上映しています。5月14日(土)から27日(金)まで<ミニシアターで35ミリフィルムを観よう!企画第2弾>として、『森の学校』『君に届け』『東京公園』を上映し、三浦春馬さん出演映画の上映を希望する観客のリクエストに応え、<ミニシアターで35ミリフィルムを観よう!企画第3弾+α>として、『奈緒子』『森の学校』のフィルム上映、『真夜中の五分前』はデジタル上映を行っています。7月にも三浦春馬さん出演作の上映を企画しているとのことで、詳細が発表され次第、ご紹介しますね!

7月1日までアンコール上映中の『森の学校』は再びアンコール上映が決まり、7月16日~29日まで、シネマスコーレで観ることができます。また、7月23日~29日まで『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(上映時間 14:15-16:20)の上映も予定されています。2022年7月のスケジュール(シネマスコーレ イベント情報ブログより)

そして、7月30日~8月5日まで、『恋空』の35㎜フィルム上映が決定しました!上映時間など、また詳細が分かり次第、ご紹介しますね!

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シネマスコーレcineana.net/archives/6301

Address:名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1階

名古屋市中村区椿町8-12

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作品概要

『奈緒子』

監督:古厩智之 原作:坂田信弘 中原裕 脚本:古厩智之 長尾洋平 林民夫

出演:上野樹里 三浦春馬

喘息の療養のために長崎県波切島を訪れた12歳の奈緒子は、走ることが大好きな10歳の雄介と出会う。しかし海に落ちた奈緒子を助けようとした雄介の父が帰らぬ人となってしまい、2人とも心に大きな傷を負う。それから6年後、奈緒子は天才ランナーに成長した雄介と東京で再会を果たし…。

2007年製作/120分/日本

配給:日活


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