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2020-07-10

映画『劇場』行定勲監督に名古屋でインタビュー 名古屋の上映館は?


 

7月17日より全国公開、Amazon Prime Video にて同日より配信される映画『劇場』は又吉直樹さんの同名恋愛小説を原作に、山﨑賢人さんが主演し、松岡茉優さんがヒロインをつとめている作品です。演劇にすべてを捧げる主人公・永田と、彼に想いを募らせ支えようとする沙希の生涯忘れることができない7年間の恋を描いています。

原作小説を読んで映画化を熱望し、本作の映画化を手掛けた行定勲監督に名古屋でインタビューしました。名古屋での上映館もご紹介します。(取材日:2020年3月16日)

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映画『劇場』が上映される名古屋の映画館

映画『劇場』は当初4月17日に全国公開される予定が公開延期となっていました。吉本興業の配給により7月17日に全国のミニシアターを中心とした劇場公開が決定し、同日にAmazon Prime Video(以下Prime Video)にて全世界独占配信も開始されます。実写邦画が劇場公開と同時に定額制動画配信サービス上で配信されることは、日本のPrime Videoで初の試みです。東海3県では名古屋での上映のみで、上映館は以下の通りです。

伏見ミリオン座

営業を再開した伏見ミリオン座の様子を取材しました(取材日:2020年5月22日)

Address:名古屋市中区錦二丁目15番5号

名古屋市中区錦二丁目15番5号

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「Amazon Prime Video」での鑑賞はこちらから

表現者の苦悩や葛藤「僕の周りはこういう人ばかりです」

映画『劇場』は劇団を主宰し劇作家としての成功を目指す永田と彼を支える恋人・沙希との出会いから別れまでの恋愛模様だけでなく、表現者としての苦悩や葛藤も描かれていることで注目を集めています。山﨑賢人さんが演じる永田は無精ひげを生やし、猫背でボソボソを話し、演劇にすべてを捧げ周囲とうまく折り合いをつけられない不器用な青年です。監督をつとめた行定勲監督は原作小説を読んだ時のことを振り返り「永田をよく知っていると思いました。永田は自分でもあるかもしれないし、こういう人をよく知っています。僕の周りはこういう人ばかりです。演劇だけでなく映画でも、表現者にはこういう人が多いと思います」と答えました。

永田は大阪から上京して劇団を旗揚げし劇作家として評価されることを夢みていますが、上演ごとに酷評されます。沙希は永田の才能を信じて一緒に暮らし、生活費の大半を負担して支えています。行定監督は「演劇や映画って答えがないんです。人によっては良いと言うし、人によっては良くないと言う。この物語はそんな曖昧でルールもないところに立っている自分と向き合って、(才能を)認めてくれる人が現れて、その人を幸せにすればよかっただけの話なんだけど、そうはいかないんですよ」と自身にも思い当たる経験があることを明かしつつ話しました。「自分が一番、信じている人が良いと言ってくれることが一番嬉しいんです。それがあるともう一度やってみようと思えるんです。それが多分、愛の力だと思うんです」と映画の中で描かれている永田と沙希の関係性について語りました。

好きなことを仕事にして夢を叶えることについて話が及ぶと「表現者にとって夢が叶うというのは人に認められるということなのかもしれないですけど、認められる境地に立つとこんなはずじゃなかったと思い始めるんです」と複雑な胸中を明かしました。

山﨑賢人さんと松岡茉優さんを「ポテンシャルが高いなぁ」

撮影前に山﨑さんと松岡さんと数時間にわたって話し込んだという行定監督は「全てがうまくはいかなかったけれど、精一杯向き合おうとした2人の話だと伝えました」と言い「(山﨑さんも松岡さんも)2人とも成功者だと思えるけどまだまだ到達できる何かがある人たちですから、劇中の人物たちに近い気持ちもあるのだと思いました」と振り返りました。松岡さんの反応として「夢を追い求めていることを口実に、ずるずると一緒にいる男女の関係を見たことがあって知っている。だから非常に怒りみたいなものもあるしひとりの女として理解できることもあると言っていました」と話し、山崎さんについては「嫉妬心や虚栄心など近づいてきた人への猜疑心とかがあったりするのはわかりますと言ってました」と明かしました。

山崎さん、松岡さんのお芝居について「僕がリクエストをしたらその通りにできる人間だということが立証されているので、そういうものを見たいと思っていないんです」と話しました。「松岡はあざとさギリギリのところで芝居を成立させていくんですよ。東京に馴染もうとする人間特有の受け答えのわざとらしさや白々しさ、そこってやっぱりどこか孤独を感じますよね」と行定監督のプランとはかなり異なっていたという演技について高く評価しました。本作は山崎さんと松岡さんの出演シーンが9割近くで、2人のお芝居が物語を引っ張っていきます。行定監督は「松岡が変貌するとそれに対して山崎も変わっていくんです。ポテンシャルが高いなぁと思って2人のことを見ていました」撮影時の様子を教えてくれました。

映画『劇場』ではラストにかけて、小説ではできないある演出が加えられています。行定監督は「この手法は演劇的な手法だと思いついたら映画を撮りたくなりました」と話し「生々しい肉薄した感情の話、2人の関係の話なのに急にある演出、仕掛けが入るんです。それはちょっと発見かもなと思ったし、みたことのないラブストーリーとして観た人の心に残れば、その人の歴史になるだろうと感じました」と本作への自信をのぞかせました。

作品概要

映画『劇場』

7月17日(金) 全国公開/「Amazon Prime Video」にて全世界独占配信

出演:山崎賢人、松岡茉優、寛一郎、伊藤沙莉、井口理、浅香航大

監督:行定勲

原作:又吉直樹「劇場」(新潮社)

脚本:蓬莱竜太

配給:吉本興業

©2020「劇場」製作委員会


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