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2022-06-12

「健ちゃん頑張ります」「老後はお任せください」伊藤健太郎さんが映画『冬薔薇』名古屋の舞台挨拶に阪本順治監督と登壇


 

6月3日より全国公開中の映画『冬薔薇(ふゆそうび)』は伊藤健太郎さんを主演に迎えた、阪本順治監督のオリジナル脚本による作品です。ある港町で半端な不良仲間とつるみ、友人や女性から金をせびってはダラダラと生きる青年・渡口淳を中心に描かれる群像劇です。公開2週目を迎え、名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで公開記念舞台挨拶が行われ、映画の上映前に伊藤健太郎さんと阪本順治監督が登壇しました。阪本監督が伊藤さんを「健ちゃん」と呼び、本企画のスタートから撮影、キャンペーンを経て、2人の絆が深まっていることを感じさせるやり取りがたくさんありました。

阪本監督の楽しいトークとたっぷりと笑顔を見せてくれた伊藤さんによる舞台挨拶の様子をレポートします。(取材日:2022年6月11日)

記事後半の6月13日〆切のプレスシートプレゼント情報もチェックしてくださいね。

阪本順治監督からの「今日からもう健ちゃんでいいかな?」に「嬉しいです」と笑顔の伊藤健太郎さん

映画『冬薔薇』はある港町を舞台に、伊藤健太郎さんが演じる“学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみながら、友人や女性から金をせびってダラダラと中途半端に生きる“渡口淳”を主人公とした物語です。名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで行われた公開記念舞台挨拶に伊藤健太郎さんと阪本順治監督が登壇しました。割れんばかりの大きな拍手で迎えられた伊藤さんと阪本監督は、大きくお辞儀をしながらステージに上がり、300席超の満員の観客席を眺めながら、嬉しそうな表情を浮かべていました。

伊藤さんが一言挨拶をすると大きな拍手が起き、阪本監督は開口一番に「無理にこっち見なくていいですよ」とお茶目な言い方で伊藤さんを見つめていたい観客の気持ちに配慮をみせました。伊藤さんと一緒の舞台挨拶も8回目となったことから阪本監督は「健ちゃん!今日からもう健ちゃんでいいかな?」と今日からの「健ちゃん」呼びを宣言。伊藤さんは少し驚いた表情をしながら、「嬉しいです」と笑顔で応じていました。

阪本監督は「俳優というのは素晴らしい職業で、常に他者のことを考え続けることは滅多にないことです。健ちゃんとはほど遠い他者を演じ切ることで、ここから一気に飛躍してほしいなと思って書いた役柄です」と映画『冬薔薇』で伊藤さんが演じた“渡口淳”について説明しました。伊藤さんは“渡口淳”を演じることについて「すごく難しかったです。やったことのないタイプのキャラクターで、作品でした」と振り返り「主人公だけど、出ずっぱりではないんです。前半で淳のダメな部分を印象に残せるように、そこで淳を理解してもらえれば」と一番気を付けていた部分を話しました。

阪本監督は「堕ちていく人物像、いままでやってこなかった、あるいは求められなかった役柄を満載にして、ひとつのチャレンジをしてほしくて」と“渡口淳”というキャラクターを生み出した理由を語り「本人からかけ離れたものをやってもらいました。ファンの人に怒られるかなって3秒くらい(考えて)きっとわかってもらえると思って」と脚本執筆中の心情を吐露しました。また客席に向かって阪本監督が「多分、怒っている人もいると思うんですけど。あ、いない?良かったぁ」と観客の反応を見て安心している様子もありました。

撮影スタートの掛け声は『ヨーイ、アイ!』愛に溢れた現場を振り返る

撮影初日の気持ちを聞かれた伊藤さんは「すごく久しぶりの映像の現場で、緊張という言葉だけでは片づけられないくらい不思議な感情」と話し、当時の自分に声をかけるなら?」と質問されると、少し戸惑いながら「『もうちょっとリラックスしな』って言いたい」と笑顔で答えました。さらに伊藤さんは「公私ともによく会っている坂東(龍汰)くんと一緒だったのでリラックスできたし、阪本組ならではの温かみのある現場で、余計なものを削ぎ落していけたかなと思います」と徐々に気持ちが落ち着いていったことを明かしました。

初日の緊張ぶりを話す伊藤さんの隣で阪本監督は「29本目の映画ですが、初日に慣れたわけではなく、『ヨーイ、スタート!』の声が上ずるんです」と実際に高い声を出してみせると伊藤さんが大爆笑。

阪本監督は「冗談じゃなくて、本当に、最初の一発目は緊張します」とマジメな顔で話しました。阪本監督が「『ヨーイ、アイ!』っていうんです。アイって、愛、ラブ。気持ち悪いよね」とスタートの掛け声について説明すると、伊藤さんは「これ、めっちゃいいですよねー」とTwitter投稿で知ったと伝えながら「そうなんだと思って、だから阪本組ってあんなに愛に溢れているんだって」と現場の温かさを感じていたことを語りました。阪本監督はこの『ヨーイ、アイ!』の掛け声を吉永小百合さんの映画から始めたことも教えてくれました。2012年公開の映画『北のカナリアたち』から続けてこられたことなんですね!!

伊藤さんが見たというTwitter投稿はこちらですね!

阪本監督からの激励に「健ちゃん頑張ります!!」「老後はお任せください!」

自分の出番以外の時間も現場にいたという伊藤さんは「とにかく現場が温かくて、スタッフの方ともキャストの方とも仲良くさせていただいて、現場にいる時間がすごく楽しかったですし、ホテルに一人でいる時間が多すぎるとおかしくなりそうで」と居心地のよかった撮影現場の様子を話してくれました。阪本監督は「たくさんのベテランの人を迎えましたけど(伊藤さんは)座長として立ち振る舞って、みんなが一枚岩になっていました。映画人として次々と活躍してくれると思っているので、私を食わしてもらえるのではと」と今後の活躍に太鼓判を押すと伊藤さんも「老後はお任せください!」と断言し、会場の観客を笑わせました。舞台挨拶の冒頭でも阪本監督は伊藤さんに対して「さっき『監督の老後は僕がみます』って言ってくれたので、もう身内みたいなものです」と2人の絆がさらに深まっていることが感じられました。

阪本監督は「俳優は他者を演じていくことで、他者の人生をなぞっていくわけで、自分じゃない人生を何百、何千と過ごしてきた石橋蓮司さんや小林薫さんのように、健ちゃんもなってほしい」と激励の言葉を送り、さらに「何十年か越しに石橋蓮司さんのような顔つきになってほしいなと思います」と阪本組の常連俳優である石橋さんの名前を出し「嫌??」と聞かれた伊藤さんは「健ちゃん頑張ります!!」と笑顔で答えました。

舞台挨拶の最後に、伊藤さんはこれから初めて映画を観る観客もいることから「ドキドキしている部分もあります」と本音を口にし「あの時、自分ができる淳はすべて力を出し切ったつもりです。ぞれぞれで受け取り方も違うと思います。ぜひ楽しんで帰ってくれたら嬉しいです」と思いを伝えました。

マスコミ向けのフォトセッションの後に、観客向けの撮影タイムも設けられました。10秒間の撮影タイムの途中で、阪本監督が突然ステージを降り、伊藤さんのソロショットタイムを作ってくれる気配りも。舞台挨拶の最後に伊藤さんと阪本監督は、観客からの拍手を受けながら2人同時に両手を合わせ、観客の皆さんへの感謝の気持ちを伝えていました。

〈関連記事〉

阪本順治監督への公開前のインタビュー記事はこちら。撮影初日の伊藤さんの様子や阪本監督が伊藤さんに「封じた」こと、伊藤さんへの想いを話し、完成披露上映会での「スクリーンが似合う子」という発言の裏にある真意、撮影で意識していたことも説明してくれました。

【インタビュー】完成披露上映会での「スクリーンの似合う子」発言の真意に迫る 映画『冬薔薇』阪本順治監督

映画『冬薔薇』プレスシートプレゼントの応募方法

映画の公開を記念し、映画『冬薔薇』プレスシート(非売品)をCine@nagoya (シネアナゴヤ)の公式Twitterをフォロー&リツイートされた方の中から抽選で2名様にプレゼントします。B5版16ページ(表紙・裏表紙含む)で、イントロダクション、ストーリー、阪本順治監督と伊藤健太郎さんそれぞれへのインタビュー、スタッフ紹介や撮影の様子などの充実した内容です。

応募方法:Cine@nagoya (シネアナゴヤ)のTwitterアカウントをフォローし、以下の投稿をリツイートしてください。映画『冬薔薇』への期待や鑑賞予定の日程、鑑賞後の感想など、作品に向けた熱い想いのコメントは当選者決定の参考にさせていただきます。

プレゼント内容:映画『冬薔薇』プレスシート(非売品)

応募締切:6月13日(月)まで

当選数:2名様

*当選者には後日DMにてご案内をいたします。

作品概要

映画『冬薔薇(ふゆそうび)』

6月3日(金) ミッドランドスクエアシネマほか全国ロードショー

出演:伊藤健太郎 小林薫 余貴美子 眞木蔵人 永山絢斗 毎熊克哉 坂東龍汰 河合優実 佐久本宝 和田光沙 笠松伴助 伊武雅刀 石橋蓮司

脚本・監督:阪本順治

©2022「冬薔薇(ふゆそうび)」FILM PARTNERS

配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ

2022年|日本|カラー|スコープサイズ|5.1ch|109分|PG12

https://www.fuyusoubi.jp


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