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2020-02-26

中操の5日間の撮影に3週間!映画『Fukushima 50』佐藤浩市さんと火野正平さんに名古屋でインタビュー


 

3月6日に公開となる映画『Fukushima 50』は2011年3月11日に発生した東日本大震災で大きな被害を受けた福島第一原発内に残った名もなき作業員たちの5日間を緊迫感のある映像で再現した作品です。本作の中心的な舞台は福島第一原発1・2号機の中央制御室(中操)です。原子炉から最も近い場所にある中操に待機し、緊急時対策室(緊対)の指示を受けながら、原子炉建屋に入る危険な作業にあたった作業員たちのリーダーを演じた佐藤浩市さんとベテラン作業員を演じた火野正平さんが名古屋でインタビューに応じました。(取材日:2020年2月11日)

『Fukushima 50』名古屋の舞台挨拶に佐藤浩市さんと火野正平さんが登壇

【2020年4月17日 追記】

期間限定の有料ストリーミング配信をスタート

映画『Fukushima 50』は3月6日に全国公開となりましたが、新型コロナウイルス感染症対策のための外出自粛や映画館の臨時休館により「見たいけれど見に行けない」という声が多くあり、それらの声にこたえるために、期間限定で有料のストリーミング配信を行うことを発表しました。4月17日より様々なストリーミング配信サービスでの配信が始まり、価格は1,900円(税込)です。未使用のムビチケ前売券やムビチケ当日券を利用してデジタル配信を利用することもできます。映画『Fukushima 50』は新型コロナウイルス感染症による事態の改善と映画館の営業再開に合わせて一部の映画館で上映が再開される予定で、ムビチケは再上映でも使用することができます。

映画『Fukushima 50』の有料ストリーミング配信についての詳細はこちらでご確認ください。

 

「劇映画ではあるがフィクションではない」

映画『Fukushima 50』は2011年3月に発生した東日本大震災時の福島第一原発事故に焦点を当て、原発事故の現場で起きていた事柄を克明に描き出している作品です。当時、福島第一原発の現場に残り続けた約50名の作業員たちは海外メディアから“Fukushima 50(フクシマ フィフティ)”と称されました。映画では死を覚悟して最前線で戦い続けた彼らの決断や行動を知ることができます。

佐藤浩市さんは本作について「あったようでない形態の映画です。記録映画ではなく、劇映画ではあるがフィクションではない。実際に起きた出来事をよりわかりやくすく伝えるために設定を多少は変えているけど、起きていたことはほぼ事実に基づいています」と語りました。

佐藤さんが演じたのは原子炉から最も近い場所にある福島第一原発1・2号機の中央制御室で収束作業にあたった作業員のリーダーです。原子炉建屋に入る危険な作業を担ったベテラン作業員役の火野正平さんは「戦うなら若い奴を残して、俺が行こうという役でした」と話しました。

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「中央制御室での5日間」の撮影に3週間

映画『Fukushima 50』は東日本大震災が発生し“SBO”と呼ばれる全交流電源喪失状態に陥った福島第一原発の中央制御室(中操)と緊急時対策室(緊対)で事態の収束にあたっていた作業員たちの5日間を描いています。本物そっくりに作られた中操での撮影を振り返り、火野さんは「あのセットの中の撮影だけで、3週間かかったんですよ」と話し、高い緊張感の中での撮影が続いていた理由として「実際にあったことをやっているわけだから」と話しました。

中操のシーンは、死を覚悟しなければならない作業を担うメンバーを決める過程や防護服に身を包み決死の作業に挑む作業員たち、中操で彼らの帰りを心配そうに待つ様子など、暗い中での緊迫した映像が続きます。想像を超える壮絶さを目の当たりにし、どれも実際にあった出来事であること、これまで知らずにいたことに涙が溢れてきます。

佐藤さんは「(セットの中で)何日間も演じていくうちに(当時の様子を)肌で感じる部分もありました」と語り、「1分1秒先にどうなるのかわからない中にいた」と実際の作業員の心境を慮るような表情をみせました。佐藤さんは「実際もし、中操がもぬけの殻だったら、5日間の経過がわからず闇の中だったということの大きさを感じています」と中操に居続けた作業員たちの決断に敬意を表していました。

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作品概要

映画『Fukushima 50』

3月6日(金)ミッドランドスクエア シネマ他 全国ロードショー

出演:佐藤浩市 渡辺謙 吉岡秀隆 緒形直人 火野正平 平田満 萩原聖人 吉岡里帆 斎藤工 富田靖子 佐野史郎 安田成美

監督:若松節朗

脚本:前川洋一

音楽:岩代太郎

原作:「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」門田隆将(角川文庫刊)

製作:KADOKAWA

配給:松竹、KADOKAWA

© 2020『Fukushima 50』製作委員会


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