映画『海を駆ける』名古屋での初日舞台挨拶にディーン・フジオカさんと深田晃司監督が登壇
映画『海を駆ける』が公開初日を迎え、主演のディーン・フジオカさんと深田晃司監督が名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマ2で行われた舞台挨拶に登壇しました。深田監督の前作『淵に立つ』は第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞していて、今作『海を駆ける』もインドネシア、フランス、中国、台湾での上映も決まっています。バンダ・アチェでの撮影を振り返り、インドネシアでの撮影と日本での撮影の違いや休憩中のおやつについて話したり、上映後の舞台挨拶ということでクライマックスシーンの撮影方法も披露するなどリラックスした様子で客席からは拍手や笑いもおきていました。(取材日:2018年5月26日)
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インドネシア語で挨拶をするディーン・フジオカさんと深田晃司監督
名古屋駅のミッドランドスクエアシネマ2で行われた映画『海を駆ける』の上映後の舞台挨拶にディーン・フジオカさんと深田晃司監督が登壇すると、会場を埋め尽くしたお客さんから大きな拍手と声援が起こりました。
司会者からのリクエストに答えてディーンさんが流暢なインドネシア語で挨拶をし、何と言ったか訊ねられると「ディーン・フジオカです。皆さんとここで会えて、嬉しく思います。最後まで楽しんでいってください。」と教えてくれました。深田監督も英語とインドネシア語での挨拶に挑戦し「テレマカシーだけで現場を乗り切りました。」と笑いながら話していました。
スポンサーリンク「アボカドジュースが美味しかった」日本とは異なる撮影の様子
バンダ・アチェでの撮影についてディーンさんは「ジャカルタから飛行機で3時間半ほどかかる遠いところで、スマトラ島にもそれまで行ったことなくて津波もあったし、(ジャカルタとは)全く違う文化で怖いイメージがありました。(ジャカルタで暮らす人から)外国よりも外国のような場所と聞いていたので、アチェで撮影する事は狂気としか思えなかったです。」と最初の印象を語りました。バンダ・アチェはインドネシアの他の州に比べて厳しいイスラム法で統治されていて、お酒の販売が禁止されているそうです。実際のアチェはどうだったのか聞かれると「全然平気でしたね。みんな優しくて普通にお酒を売っているお店もありました。」答えていました。
ディーンさんも監督もお酒は飲まないそうですが、ジャカルタから連れて行ったスタッフはアチェにはお酒がないことを懸念していてたそうで、深田監督は「撮影機材と一緒にお酒も持っていきました。(アチェの)お店にも裏メニューとしてお酒が置いてあったり、地元の人もジュースだと言っていてヤシの実か何かのお酒を飲んでいたりしました。」と実際の様子を教えてくれました。
アザーン(イスラム教の礼拝)の時間は撮影も休憩になったそうで深田監督は「1日5回、強制的に休まなければいけない時間があるのは、慣れると気持ちがいいですね。」と話し、敬虔な信者ではないスタッフはその時間に歌ったり踊ったりしていたことを教えてくれました。インドネシアの方々がみんなで歌っていたので、日本人が一緒に歌える歌を探して歌ったそうですが「歌合戦は完全に日本人の負けでした。」と笑いながら話していました。
休憩中のおやつが話題になるとディーンさんは「ココナッツのおやつとか、全部グルテンフリーでしたよ。マンゴーとか果物がたくさん出てきて、アボカドジュースがおいしかったです。」と話し、絞ったアボカドにチョコレートが入っている飲み物が美味かったと教えてくれました。
スポンサーリンクラウは何者?深田監督がディーンさんを絶賛
ディーンさんが演じたラウ(インドネシア語で「海」)というキャラクターについて、ディーンさんは「これは人間なのか何なのか?」と監督に聞いたそうで、深田監督は「ラウは自然が服を着て人間の形をして散歩しに来ただけというイメージと説明しました。」と話していました。ディーンさんは「(ラウは)植物的なイメージもある。マリオの中のパックンフラワーのような。」と言いながら「一部分だけを切り取るとめっちゃ邪悪な奴の印象になると思うんですよね。あるシーンだけをみるとめっちゃいい奴に見える。全体を通してみると正義とか悪とか良いとか悪いとかそういう概念がそもそもない、そういったところ超越している。」と話していました。深田監督によると「目的とか善悪など人間社会が作り出した概念とは無縁で、そこにいて気まぐれにいろいろなことをしていく。」とラウのキャラクターについて語っていました。
ラウが蝶を追いかけるシーンについて深田監督が「あんなに無邪気な表情で蝶を追いかけられる人がいるのだと、ディーンさんにお願いして大正解だと思いました。」と話すと、客席から大きな拍手が起きました。ディーンさんはラウを演じる際に監督から何度も猫背になることとアルカイックスマイルを求められたそうで「アートインスタレーションみたいな感じで、少し肩を内側に入れてパーツを動かしてラウモードにしていくんです。」と教えてくれました。
スポンサーリンクまたディーンさんが「アルカイックスマイルってググったら縄文土器が出てきましたよ。」と言うと会場から笑いが起きていました。
海のシーンの驚きの撮影方法とは?
クライマックスの海でのシーンの撮影方法を聞かれた深田監督は最初は合成も考えていたと話し、最終的には「海の中に40メートルの桟橋を作って、潮が満ちてきて少し(桟橋が)隠れる短い時間に撮影をしました。」と教えてくれました。ディーンさんは撮影を振り返り「気持ちよかったですよ。インド洋の水はキレイでした。」と話していました。
ディーンさんは「この映画は良い意味でわかりにくい。この映画を通して人生観や死生観など新しい気づきや新しい会話がある作品ではないかと思いました。みなさんがどう思ったのか聞きたいです。それを表現してもらうことで1人でも多くの人にこの作品のことを知ってもらえるのではないかなと思います。願わくば『#海を駆けてきた』でネット上で表現してもらえると、バタフライエフェクトのようになって海外に繋がっていくのではないかと思います。」と来場したお客さんにメッセージを送りました。
深田監督は「100人いたら見方が100通りある映画にしたいと思っています。ラウに対してどう思うかは皆さんの自然に対する考え方によるかもしれないし、皆さんそれぞれの心のあり方が見えてくるような映画がいいと思っています。」と話し、作った自分たちが気づいていないような側面を映画を観た方から教えてほしいとお客さんに想いを伝えていました。
スポンサーリンク舞台挨拶の最後に行われたマスコミ向けのフォトセッションではディーンさんが率先してパネルの位置を変えたり、撮影しやすいようにパネルの向きを調整するなどの気配りをみせました。また、ステージを降壇してからもお客様に笑顔で答え、大きく頭を下げて感謝の気持ちをあらわしていました。
スポンサーリンク作品概要
2018年5月26日(土)公開!
深田晃司 監督(第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞『淵に立つ』)最新作!
全ての生命を生み出す「海」
全ての命を奪う「海」
彼は「海」から現れた――――
インドネシア、バンダ・アチェの海岸で倒れている謎の男が発見される。片言の日本語やインドネシア語を話すが正体は不明。その謎の男にラウ=インドネシア語で「海」と名付けて預かることになった、災害復興の仕事をしている貴子と息子のタカシたち。その周辺で謎の男・ラウは様々な不思議な奇跡と事件を巻き起こしていく。 果たしてラウは何者なのか…。
出演:ディーン・フジオカ、太賀、阿部純子、アディパティ・ドルケン、セカール・サリ、鶴田真由
脚本・監督:深田晃司
配給:日活 東京テアトル
2018/日本・フランス・インドネシア/107分
公式HP:umikake.jp
Ⓒ 2018″The Man from the Sea”FILM PARTNERS
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