ディーン・フジオカさん主演映画『海を駆ける』 深田晃司監督に名古屋でインタビュー

5月26日に公開となる映画『海を駆ける』は第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で『淵に立つ』が審査員賞を受賞した深田晃司監督の最新作で完全オリジナルストーリー。インドネシアのバンダ・アチェを舞台に、ディーン・フジオカさん演じる海岸で発見された謎の男ラウの周りで、不思議な奇跡と現象が起こる様子を描いています。今作の脚本もつとめた深田晃司監督に名古屋でインタビューをすることができました。
東日本大震災の後でインドネシアを訪問する機会があったという深田監督は「災害に対する日本とインドネシアの受け止め方の違いに面白さを感じた。」と話していました。バンダ・アチェでは津波で流された船が撤去されずにそのまま観光地になっていたり、ツナミ饅頭が売られているのを見たそうで「(インドネシアの方々は)津波について神様が望んだんだから仕方がないよねとあっけらかんとしているところもあった。」と現地で感じたことを振り返り「バンダ・アチェに震災を経験した日本人が行くという映画を作りたいと思った。」と映画『海を駆ける』を作るきっかけとなったエピソードを教えてくれました。
1カ月間にわたって、インドネシア・スマトラ島のバンダ・アチェで全編ロケ撮影が行われた映画『海を駆ける』には日本人キャストとして鶴田真由さん、太賀さん、阿部純子さんが参加しています。鶴田真由さんは20代の頃にインドネシアに移り住んだ女性、太賀さんは女性の息子でインドネシアで生まれ育った若者、阿部さんはインドネシアに遊びに来た従妹という役柄です。

映画『海を駆ける』にはインドネシアで注目されている若手俳優のアディパティ・ドルケンさんとセカール・サリさんも出演していて、大賀さんや阿部さんと4人のシーンも多く、深田監督は今作を「ディーンさんを含めた若者4人の青春群像劇だと思っている。」と教えてくれました。
鶴田さんと太賀さんはインドネシア語のセリフが多く、撮影に入る前から準備をしていたそうです。作中の大賀さんが日本人に見えなかったことに触れると深田監督は「しぐさやちょっとした話し方がインドネシアの若者らしい感じに仕上がっています。監督からは(インドネシアの人の振る舞いについて)そんなに細かな演技指導ができないので、大賀くんの俳優として反応の速度の速さのおかげだと思います。」と話していました。

大賀さんと阿部さんはクランクインの2週間ほど前にジャカルタに入ってアディパティ・ドルケンさんやセカール・サリさんと顔合わせをしたそうで、「若いって羨ましいなと思うんですど(4人は)あっという間に仲良くなって、稽古やリハーサルをするんですが夜は映画を見に行ったり遊びに行ったりしていました。」と若者たちの様子を振り返っていました。大賀さんの自然な振る舞いは撮影前に過ごした共演者との時間から生まれたものだったかもしれません。
映画『海を駆ける』でディーンさんが演じているラウというキャラクターはとても不思議なのですが深田監督は「私にとっての自然観が反映されてます。人間の理解を超えた強靭な論理の中で動いているのが自然、それを反映させたかった。」と話し、ディーンさんには「植物のようにいつも近くにいて、意図や目的が見えないように演じて欲しい。」とリクエストしたそうです。