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2025-10-18

ZIP-FM「Sparkling」(2025年10月18日放送)〈将棋を題材にした映画〉


 

2017年7月にスタートした名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)は〝名古屋でもっと映画を楽しもう!″を合言葉に名古屋を生活圏とする皆さんに向けて名古屋に特化した映画情報を発信しています。「名古屋で映画に携わる活動がしたい」「名古屋で映画の魅力を伝えたい」という想いではじめたCine@nagoya(シネアナゴヤ)は今年でスタートから8年目。サイトの運営とあわせて、シネマアナウンサーという肩書きで映画イベントの司会やインタビュアーとしてのお仕事をしている水野由美子に面白いお声かけをいただきました。ZIP-FMで毎週土曜日13:00~16:00に放送、清里千聖さんがナビゲーターをしている「Sparkling」内のコーナー「Sparklingrammar」で映画インフルエンサーとして、月1でレギュラー出演し、テーマにあわせた映画を紹介しています。

愛知県瀬戸市出身の藤井聡太さんが2021年から4連覇している竜王戦。現在、将棋界最高峰のタイトルである竜王戦七番勝負が行われていて、今回制覇すれば、史上3人目、最年少で「永世竜王」の資格を獲得することになるとあって、大きな注目が集まっています。また、9月下旬から「ABEMA」で無料配信が始まったオリジナルドラマ『MISS KING/ミス・キング』も俳優・アーティストの“のん”さんが主演し、棋士として将棋の腕を磨き、天才棋士の父に復讐しようとする物語も話題となっています。そこで、7回目となる2025年10月18日(土)の放送では〈将棋を題材にした映画〉を紹介しました。ラジオ出演に連動する形で、番組でご紹介した映画をまとめました。

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『3月のライオン』

前編が2017年3月18日、後編は4月22日に公開された映画『3月のライオン』は、羽海野チカさんの大ヒット漫画を実写化した2部作です。主人公の桐山零は、中学生でプロ棋士となった天才少年。幼いころに家族を交通事故で失い、深い孤独を抱えながら将棋の世界で生きてきました。プロとしての厳しい勝負に向き合う一方で、近所に住む川本三姉妹と出会い、温かな日常の中で少しずつ心を取り戻していく姿が描かれます。

主演の神木隆之介さんは、繊細な表情や静かなまなざしで、零の心の揺れや成長を見事に表現しています。ライバルとの真剣勝負や師弟関係、プロ棋士としての重圧をリアルに感じさせます。対局シーンは専門家の監修のもとで撮影され、静寂の中に緊張感が張りつめる迫力ある映像となっています。さらに、実際の棋士が出演している点も注目。原作の優しい空気感を丁寧に再現した映像や、三姉妹との交流がもたらす癒しと希望の物語は、将棋ファンはもちろん、多くの観客の心に静かな感動を残す作品です。

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『泣き虫しょったんの奇跡』

2018年9月7日に公開された映画『泣き虫しょったんの奇跡』は、サラリーマンからプロ棋士への“奇跡の編入”を果たした実在の棋士・瀬川晶司さんの自伝をもとにした感動作です。主人公の瀬川晶司(松田龍平)は、おとなしく取り柄のない少年でしたが、将棋に魅せられ、プロ棋士養成機関である奨励会に入会します。しかし「26歳までに四段に昇格できなければ退会」という厳しい規定のもと、重圧に押しつぶされ退会。夢を絶たれた彼は深い絶望を味わいますが、将棋への情熱と仲間たちの支えによって再び立ち上がります。やがてサラリーマンとして働きながらも諦めきれず、前代未聞の“プロ編入試験”に挑戦する姿には胸を打たれます。

監督の豊田利晃さん自身も奨励会出身ということもあり、棋士の世界の厳しさと誇りがリアルに描かれています。主人公の少年時代を演じる窪塚愛流さんの初々しい演技も印象的で、モデルの瀬川さん自身も特別出演。夢を追うことの苦しさと尊さを静かに伝える、人生の再起を描いた感動の物語です。

名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)では映画『泣き虫しょったんの奇跡』公開時、松田龍平さんと豊田利晃監督にインタビュー、公開後の舞台挨拶も取材しました。

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実話の映画化としては『聖(さとし)の青春』(2016年11月19日公開)もあります。難病と闘いながら将棋に人生を賭け、29歳の若さで亡くなった棋士・村山聖(さとし)の生涯を描いたノンフィクション小説を、松山ケンイチさん主演で映画化。松山さんは役作りのため20キロ以上も重増し、羽生善治さん役で東出昌大さんが出演していたことでも話題になりました。

『AWAKE』

2020年12月25日に公開された映画『AWAKE』は、かつて将棋のプロを目指しながら夢破れた青年が、人工知能を使った将棋ソフトの開発を通して再び夢に挑む姿を描いた感動作です。主人公・英一(吉沢亮)は、奨励会での挫折を経てプログラミングの道へ進みます。ある日、かつてのライバルで現役棋士となった清田と再会し、AIを駆使してもう一度勝負を挑むことを決意。人間とAI、そして過去の自分との戦いを通じて、夢を追うことの意味と再生の力を静かに浮かび上がらせます。

物語は2015年に実際に行われた棋士とコンピュータの対局「電王戦」に着想を得たオリジナルストーリー。吉沢亮さんは陰のある冴えない大学生という難しい役どころを繊細に演じ、挫折の痛みと再起への情熱をリアルに表現しています。かつて夢を諦めた経験がある人にこそ深く響く、静かな熱を秘めた青春ドラマです。

さらに、主人公の少年時代を演じた梅谷祐成さん(愛知県在住)の自然体の演技も印象的。映画『AWAKE』公開時に、梅谷さんに名古屋でインタビューし、東京で開催された吉沢亮さん登壇の舞台挨拶中継を一緒に見るなどの時間を過ごしました。舞台挨拶で吉沢さんが梅谷さんの事を「挨拶、喋り方、言葉遣いもきっちりしていて。お芝居も素晴らしいですし、すごい子だな!天才だな!と思いました」と絶賛していました。「僕の子供時代を演じてくれた子役さんの中でもかなり雰囲気が近い子だと思いました」と話していて、舞台挨拶中継を見ている梅谷さんも嬉しそうでした。

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『盤上の向日葵』

2025年10月31日に公開される映画『盤上の向日葵』は、「孤狼の血」などで知られる柚月裕子さんの同名小説を映画化した、壮大なスケールのヒューマンミステリーです。山中で謎の白骨死体が発見され、事件解明の手掛かりは、遺体とともに見つかったこの世に7組しか現存しない希少な将棋駒。警察が捜査を進める中、容疑をかけられたのは、突如将棋界に現れ、一躍時の人となった天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)でした。

さらに、桂介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で裏社会を生きた男・東明重慶(渡辺謙)の存在が浮かび上がります。桂介と東明のあいだに何があったのか――。桂介が幼少期に経験した過酷な家庭環境、人のと出会いを通じて将棋に救いを見出し、やがて異例の道を歩む棋士となります。東明との師弟関係、裏社会とのしがらみ、そして将棋という道を巡る葛藤が、彼の光と闇を深く刻んでいきます。

映画版では原作にないオリジナルキャラクターとして桂介の元婚約者(土屋太鳳)も登場します。昭和から平成へと移り変わる時代の中で、居場所のなかった少年が将棋を通して人とつながり、やがて“光”を見出していく物語。美しい向日葵畑のシーンや終盤の坂口さんと渡辺さんの共演シーンは圧巻で、静かな衝撃と深い余韻を残す作品です。監督をつとめた熊澤 尚人さんは愛知県名古屋市出身、吉高由里子さん主演の映画『ユリゴコロ』(2017年公開)や千原ジュニアさんが『ごっこ』(2018年公開)などのダークな作品も撮ってきた監督で、本作も重厚なヒューマンミステリーに仕上がっています。

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2025年10月18日(土)放送のZIP-FM「Sparkling」内のコーナー「Sparklingrammar」で紹介した映画をまとめました。

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