映画『ぴっぱらん!!』名古屋舞台挨拶 崔哲浩監督がMC×主題歌に腕を挙げながら登壇する福士誠治さん
11月15日(金)からミッドランドスクエアシネマで公開となった映画『ぴっぱらん!!」は大人気任侠ドラマシリーズ『日本統一』W主演の山口祥行さん、『北風アウトサイダー』で映画監督デビューを飾った崔哲浩さん、阪元裕吾監督の『ある用務員』で殺し屋の主人公を演じた福士誠治さんが3兄弟を演じるトリプル主演で、25年前の父の暗殺事件を発端にした謎の真相が気になる展開のヒューマンバイオレンスです。ミッドランドスクエアシネマ2にて行われた上映後の舞台挨拶には、崔哲浩監督はじめ福士誠治さん、新宮里奈さん、櫂作真帆さんが登壇しました。各々頑張ったシーンについて、崔監督への思いや、主題歌についてなど和気あいあいとトークしました。(取材日:2024年11月17日)
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福士誠治さんのトレーディングカードはメルカリで15000円?和気あいあいの舞台挨拶
韓国語で「ぴっ」が雨と血を意味し、「ぱらん」は風を意味するので、”ぴっぱらん”は「血と雨と風」を表します。映画『ぴっぱらん!!』は25年前に全国で名を轟かせていた百鬼(なぎり)三兄弟が、突如一家の大黒柱の父が何者かに暗殺されたことからバラバラに暮らすことを余儀なくされ、極道の組関係のきな臭い動きが見られるようになったあるタイミングで三兄弟が再会し…というストーリーです。百鬼三兄弟を中心としたヤクザ映画であり、やりきれないほどのヒューマンドラマも味わえる作品です。
映画の上映が終わると拍手が起こり、ひょいっと崔監督が劇中の衣装をまとって一人登壇。客席に向かって「本作で脚本、プロデューサー、監督、百鬼要(次男)役をさせていただきました崔と申します。今日はMCをさせていただきます」と挨拶しました。崔監督は「拍手は何回頂いても気持ちいいですね」とニッコリすると客席から大きな拍手が送られ、嬉しそうな表情を浮かべました。
映画の主題歌が流れると崔さんは、自身が演じた要(次男)の恋人役の新宮里奈さん、3兄弟の妹役の櫂作真帆さんを迎え、「名古屋に福士誠治さんが来てくれました!」と大きな声でコールしました。百鬼3兄弟の三男:湊役の福士さんが歌のリズムに合わせて拳を挙げながら登場すると、ファンの女性たちが頬を染めてキャーっとリアクション。
崔さんは「では、主題歌をここで止めていただいて…」というと福士さんは「サビのところで”ハッ!”てやりたかったのに」と惜しげな顔を見せて掛け合い、劇中のヒリヒリするような顔とは違うチャーミングな表情を見せました。
鑑賞者に入場時、劇中人物が映ったトレーディングカードを配布しているとのことで、崔監督が 「この中で(登壇した)4人のカードが当たった方はご起立かウインクして下さい」と話しかけるとキャストに分かるように数人の反応がありました。新宮さんは「わたしのカードだ」と可愛らしい笑顔を見せていました。崔監督は「スクリーンに200人以上のキャストが出ていて、その中から選抜した51人のカードをお配りしています。福士さんのカードはメルカリで15000円っていう噂です」と言うと、櫂作さんは「崔さんは4900円くらい?」と混ぜ返し軽快なトークで沸かせました。
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役作りで大変だったことについて、百鬼3兄弟の妹を演じた櫂作さんは「お味噌汁を”懐かしい”って飲むシーン。何を思って懐かしいって言おうか悩みました」と話しました。実は映画のラストはTo be continuedとあり、後に繋がるシナリオがまだ固まっていなかったそうです。
崔さん演じる要(次男)の恋人役の新宮さんは「父親がヤクザで、しかも自分が愛した人もそういう関係の人だったという所の複雑な心境を表すことが難しかったです」と話しました。そして「縛られるシーンがあるのですが、打ち合わせがないままだったみたいで段取りをして欲しかった」と加えると福士さんが「若干、監督への愚痴みたいになってますね」とニヤリとしました。
ドラマ・映画・舞台・音楽と幅広い活躍をしている福士さんに、崔監督は「本作で一番不良の役でしたがどうでした?」と聞くと、福士さんは「自分とかけ離れている湊役なので、役者として振り切ってできて、楽しい時間でした」と振り返りました。そして「監督の崔さんとは、佐々部清監督の作品などでご一緒しました」と長年の関係を伺わせました。福士さんは崔さんの監督ぶりについて「僕が長男に再会するシーンなどで、細かく心をつついてくれるんです。スイッチングをすごいしてくれたので、やっぱり監督なんだなと思いました。でも、要役のスーツで演出するから面白かった」と笑いながら賞賛しました。
拉致されて、縛られた姿で押し入れにいるという場面を演じた福士さんに、櫂作さんが「あの中にいる時間って長かったんですか」と質問すると、福士さんは「ずっと僕縛られていて、閉められた押し入れの中で用意スタート、カット、もう一回…って音だけ聞こえていたんです。お手洗いを我慢しながら頑張りました」と縛られるポーズを交えながら明かすと客席からクスクスと笑い声が聞こえました。饒舌でフランクな福士さんの姿に客席のファンたちは魅了されてしまったようです。
トークの途中で「何分まで喋っていいんだっけ」と確認する崔監督に、20分ですとスタッフが伝える瞬間があり、福士さんは「段取りができてないでしょ。撮影もこんな感じ」とツッコミました。自由な感じでトークは続き、今後の『ぴっぱらん!!』はどんなストーリーになっていくのかを各々発表していく流れで進みました。みんなで興味深いストーリーを出して、笑顔を向け合う姿からチームワークの良さが伝わってくるようでした。崔監督の頭の中に『ぴっぱらん!!』3部作の構想があるそうなので、続きが楽しみですね。
山口祥行さん、崔哲浩監督、福士誠治さん 主題歌「百鬼三兄弟」・挿入歌「鬼神絆』を三兄弟で歌唱
映画を盛り上げる音楽にも注目の『ぴっぱらん!!』です。崔監督は「実は、福士さんに全部歌ってもらおうと思っていました。でも福士さんが『3人で歌わなければ意味がないんじゃない?』って言ってくれて、この形になりました」と歌唱の経緯を明かしました。福士さんは舞台や音楽活動で歌っており、歌唱力は折り紙付き。崔監督はボイストレーニングをして臨んだそうです。長男役の山口祥行さんの声は…劇場でお楽しみください。
最後に櫂作さんは「これからも『ぴっぱらん!!』をよろしくお願いします」、新宮さんは「トレーディングカードを大事に持って帰っていただければ」と笑顔を見せました。崔監督は「今、30か所で上映しています。もし、今日の映画を観て心が動いたという方はSNSなどで広めていただくと嬉しいです」と熱く語りました。結びに福士さんが「劇場に足を運んで頂くというのが本当にありがたいです。」と感謝を述べ「映画は映画館で観るのが一番いいと思っています。今後のストーリーの伏線になっている所があると思うので、楽しんで頂けたらと思います」と挨拶しました。
舞台挨拶後は登壇者によるサイン会が催され、長い行列ができました。お客さまからの「出演者の数に驚きました」「続きがとても気になります、待っています」などの声を聞きながら嬉しそうにサインをし、名古屋のファンとの交流を楽しんでいました。
作品概要
11月1日(金)~テアトル新宿、アップリンク吉祥寺ほかにて順次公開
11月15日(金)~ミッドランドスクエアシネマで公開
監督・脚本・プロデューサー:崔哲浩
出演:山口祥行、崔哲浩、福士誠治、森本のぶ、中野マサアキ、許秀哲、上松大輔、玉木惣一郎、新宮里奈、櫂作真帆、遠藤綱幸、幸将司、植松洋、ムンス、奈良坂篤、原元太仁、マコト、玉木順一郎、深見亮介、上久保慶子、夏井世以子、有希九美、並樹史朗、丈趙博、西原亜希、木ノ本嶺浩、西田聖志郎、永倉大輔、金守珍、津田寛治、渡辺哲、三浦浩一
配給:渋谷プロダクション
2024年/115分/日本