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2023-03-04

【3/10~16・名古屋上映】「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2022」若手映像作家の短編映画を観られるチャンス!舞台挨拶も!


 

2006年度にスタートした文化庁と映像産業振興機関(VIPO)による若手映画監督を育てるプロジェクト「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2022」で制作された30分の短編映画4作品が3月10日(金)から16日(木)に名古屋駅のミッドランドスクエアシネマで上映されます。

このプロジェクトの制作現地研修で短編映画を製作した岡本昌也監督、成瀬都香監督、藤本楓監督、牧大我監督が名古屋を訪れ、記者会見に参加しました。4名の監督とそれぞれの作品をご紹介します。(取材日:2023年2月13日)

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商業映画で活躍する映画監督も輩出する「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」は2006年に文化庁より映像産業振興機構(VIPO)が委託を受け始まったものです。優れた若手映画作家を対象に、本格的な映像制作技術と作家性を磨くために必要な技術を継承するためのワークショップを実施し、今年度は4名の作家に短編映画を製作する製作実地研修のチャンスを提供しています。

商業映画監督としてデビューする人も多く、宮沢りえさんが主演した『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年公開)、二宮和也さん主演の『浅田家!』(2020年公開)の中野量太監督や、第1回「TSUTAYA CREATOR’PROGRAM」でグランプリに輝いた企画を映画化した『嘘を愛する女』(2028年公開)の中江和仁監督も同プロジェクトの出身者です。2022年は団体の推薦を受けた中から15名がワークショップに進み、4名の作家が映画製作実地研修を行いました。

岡本昌也監督『うつぶせのまま踊りたい』

岡本昌也さんは1995年生まれで、演劇・映像を主軸に様々なカルチャーを横断しながら、かながわ短編演劇アワード2021グランプリ受賞、初監督映画『光の輪郭と踊るダンス』がゆうばり国際ファンスタティック映画祭2021に選定されるなど今後の活躍が期待される人物です。「映像系の大学に入って映画をやりたいと思いながら、演劇で褒められて嬉しくて演劇にも取り組んでいました」と話しました。

『うつぶせのまま踊りたい』はタイプの異なる女性二人が「詩」を通して出会い、交流の中で変わっていく様子が描かれています。「詩も芸術の形の1個だと思います。あいまいな感性、ロジカルじゃない感情を映画だったら描けるんじゃないかと取り組みました」と語り、このプロジェクトで学んだことについて「音と映像の調整、仕上げです。今まで(これほど)やったことがなくて、今回仕上げの奥深さを感じました」と実感を込めて述べました。

成瀬都香監督『ラ・マヒ』

成瀬都香さんは神奈川県生まれ。韓国ソウルに4年在住する中でミニシアター通いをするようになったそうです。「血が沸きあがるような作品が多かったです。韓国の洗礼を受けました。それで映画を作りたいなと、日本に帰国して映画美学校フィクションコースに入学しました」と自身の経歴を話しました。「ひょんなことからプロレスにも嵌りまして、こんな熱量の高いことができるのだったら、プロレスの映画が作りたいと思いました」と本作『ラ・マヒ』製作のきっかけを述べました。

『ラ・マヒ』は人の顔色を見て無難に生きてきた女性が、自分とは正反対の行き方をするかつての同級生と再会。プロレス団体に入門し、デビューするまでの姿が描かれています。“ラ・マヒ”とはプロレスの技の名前だと明かし、「スペイン語で“天晴れな技”という意味です。映画の登場人物がこれから人生を歩む中で“天晴れ”であって欲しいという思いをタイトルに込めました」と教えてくれました。

藤本楓監督『サボテンと海底』

藤本楓さんは1995年生まれで、多摩美術大学で舞台衣装や特殊小道具のデザインや製作を学び、卒業後は東京藝術大学大学院に進学し、桝井省志氏・市山尚三氏に支持して映画製作について学んだそうです。「桝井さんの助手として、学生の実習をサポートしていたときに、本作の主演を務める宮田さんと出会いました。彼に宛て書きしました」と話しました。

『サボテンと海底』は映画に出たい気持ちを抱えつつもチャンスに恵まれない35歳の役者が、映画の主演オーディションに参加することになり…というストーリーです。「私は美術スタッフや製作部として現場に関わることが多かったので、監督って何でこんなにワガママなんだろうという恨みがあって」といたずらっぽく笑い、その経験を脚本に盛り込んだことを明かしました。タイトルの『サボテンと海底』の意味は鑑賞中に、何となく気づく仕掛けになっています。

牧大我監督『デブリーズ』

牧大我さんは1998年東京生まれで、大学4年時に親友たちと映画製作を始めたそうです。写真家・作曲家・アニメーターの友人が回りに居たことで、「みんなの力を合わせれば映画が作れると思って、口説いて、一軒家で一緒に住んで、自主映画を作るようになりました」と話しました。そのとき作った短編映画『ダボ』がSSFF&ASIA2022に入選。これが契機となりndjcの企画に誘われたと述べました。

『デブリーズ』はうだつの上がらないCM監督と若手カメラマンが、撮影のために来ていたスクラップ工場から突如異星に飛ばされ、地球のゴミで作られた衣服や仮面を身に付けた謎の民族との交流や、映像製作への愛が描かれています。「最初の自主映画を5000円で作りました。このndjcでは信じられない額がつくので、幼少期に観たスタートレック的な、いつもとは違う大きなことにチャレンジできたらいいなと考えて作りました」と振り返りました。

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2022」一般上映会 in 名古屋

上映日時:3⽉10⽇(⾦)〜16⽇(⽊) 連⽇18:00〜

場所:ミッドランドスクエア シネマ

舞台挨拶:3⽉11⽇(⼟)︓ 映画パーソナリティの松岡ひとみさんと、ndjc2022監督4名によるトークセッション。

入場料金:(4作品まとめて)一般¥1,300、学生・シニア¥1,100(すべて税込)、ほか各種割引有

http://www.vipo-ndjc.jp/

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