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2021-02-27

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」名古屋の劇場スクリーンで若手映像作家の短編映画を観られるチャンス!舞台挨拶も!


 

2021年3月12日(金)~18日(木)に名古屋駅のミッドランドスクエアシネマで「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」で制作された30分の短編映画3作品が上映されます。同プロジェクトは2006年度にスタートした文化庁と映像産業振興機構(VIPO)による若手の映画監督を育てる取り組みで、ワークショップ等を経て選ばれた若手映像作家が映画制作会社と共に製作実地研修で35mmフィルム撮影で短編映画を制作します。

2020年度の同プロジェクトで短編映画を完成させた植木咲楽監督、木村緩菜監督、志萱大輔監督がリモート取材に応じました。3名の監督とそれぞれの作品、舞台挨拶の予定等もご紹介します。(取材日:2021年2月19日)

商業映画で活躍する映画監督を輩出する「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」は2006年度に文化庁と映像産業振興機構(VIPO)がスタートさせたものです。若手映画作家の発掘と育成、本格的な映像制作技術と作家性を磨くために必要な知識や技術を継承するためのワークショップを実施し、若手映像作家に35mmフィルム撮影で短編映画を制作する製作実地研修のチャンスを提供しています。

同プロジェクトを経て商業映画監督としてデビューする人も多く、二宮和也さんが主演しロングランヒット中の映画『浅田家!』(2020年公開)の中野量太監督や2月26日公開の『あのこは貴族』の岨手由貴子監督も同プロジェクトの出身者です。2020年度は団体の推薦をうけた応募者の中から20名が課題撮影を中心とするワークショップに進み、3名の作家が35mmフィルムでの映画製作実地研修を行いました。

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植木咲楽監督『毎日爆裂クッキング』

植木咲楽監督は京都造形芸術大学映画学科で高橋伴明さん、福岡芳穂さんらに映画制作を学び、卒業制作の「カルチェ」がPFFアワード2018入選、第19回TAMA NEW WAVEグランプリ受賞など高い評価を受けています。

『毎日爆裂クッキング』は<食>の情報誌の編集者で上司から執拗なパワハラを受け、極度のストレスから味覚障害に苦しんでいる女性が主人公です。物語は主人公を救う人との出会いもあり、爽快さと最後には希望もある作品となっています。

植木監督は「社会の状況がどんどん悪くなっている実感があって、空気が冷たくて人間関係が重苦しくて、抑圧や圧迫など誰もが感じたことがあるものを混ぜ合わせて撮りたいと思いました」と食べ物をモチーフにしつつ、描きたかった内容について話しました。

編集者として働いている東京と取材先である神奈川県の三浦半島、現実世界とキッチンスタジオ、と30分という尺の中で様々なシーンが登場することについて「2つの場所を行き来する表現は今後も追及していきたいと思っています」とこだわった点を語りました。植木監督は「上司役についてはデフォルメした形になってしまって、彼には彼なりの正義があったと思うけれど、30分ではそこまで描き切れなかったのは反省点です」と誠実な人柄を感じさせる話もしてくれました。

木村緩菜監督『醒めてまぼろし』

木村緩菜監督は日本映画大学を卒業し、在学中からピンク映画や低予算の現場で助監督として働き、卒業制作では脚本・監督を務めた「さよならあたしの夜」を16mmフイルムで制作しています。

『醒めてまぼろし』は家では眠ることができず常に睡眠不足の女子高生が心の拠り所となる相手や場所を探す物語で、木村監督は大事な人が自分から離れてしまったり、大事な場所が失われてしまった経験から「失われていくものとどう共存して、生きて行ったらいいかを映画にしました」と話しました。

また木村監督は「劇中の時間通りの時間に撮影をすることにこだわりました。その時間でしか映せないものを撮れたと思います」と話し、電車のシーンは特に難易度が高かったことを明かしました。

俯瞰で撮影された池の上のボートや水に沈んでいく教室など、印象的なシーンも多数あり「説明が足りなくてわからないという人もいると思いますが、説明するよりも感じてもらう作品だと思います」と観る人の感情によって、感じ方が違う作品であると語りました。

志萱大輔監督『窓たち』

志萱大輔監督は日本大学芸術学部を卒業し、監督作『春みたいだ』がPFFアワード2017やTAMA NEW WAVE正式コンペティション部門などに入選。「never young beach」などアーティストのMVを手がけ、最新監督作の『猫を放つ』(2019)が2021年に向け公開準備中です。

『窓たち』は交際5年で同棲中の男女の物語で、女性が男性に妊娠したことを伝えた後の数日間を描いています。志萱監督は「夫婦と恋人の狭間に落ちてしまった男女を描きたい」と話しました。台本は志萱監督の実体験と妄想も含んで構築したそうですが「撮影に入る前に役者さんと会う機会があって、2人のプライベートな話も聞いて台本に反映させるなどしました」と教えてくれました。

2人の関係性や心理描写として、街の風景を巧みに映し出しているのが印象的です。志萱監督は「東京の街の中で僕が好きなムードのある坂道を物語とリンクさせられるかを考えていました」と話しました。2人が歩くY字路や坂道などは早稲田近辺や文京区目白台で、志萱監督は「散歩がてら昼・夜歩いて、いい坂道を見つけて提案もしました」とロケ場所へのこだわりを語りました。

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」一般上映会 in 名古屋

上映日時:3月12日(金)~18日(木) 連日19:00~

※3月13日(土)に舞台挨拶を行います。

※登壇者、登壇内容は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

上映劇場:ミッドランドスクエア シネマ

入場料金:(3本まとめて)一般¥1,300円、学生・シニア¥1,100円(すべて税込)※全席指定

http://www.vipo-ndjc.jp/

 


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