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2019-02-28

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2018」名古屋の劇場スクリーンで若手映像作家の短編映画を観られるチャンス!


 

2006年度にスタートした文化庁と映像産業振興機構(VIPO)による若手の映画監督を育てるプロジェクト「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2018」で制作された30分の短編映画5作品が3月8日(金)~14日(木)に名古屋駅のミッドランドスクエアシネマで上映されます。このプロジェクトの製作実地研修で35mmフィルム撮影で短編映画を制作した板橋基之監督、岡本未樹子監督、川上信也監督、眞田康平監督、山元環監督が名古屋を訪れ、記者会見に参加しました。5名の監督とそれぞれの作品をご紹介します。(取材日:2019年2月15日)

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商業映画で活躍する映画監督も輩出する「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」は2006年度に文化庁と映像産業振興機構(VIPO)がスタートさせたものです。若手映画作家の発掘と育成、本格的な映像制作技術と作家性を磨くために必要な知識や技術を継承するためのワークショップを実施し、例年5名の作家に35mmフィルム撮影で短編映画を制作する製作実地研修のチャンスを提供しています。商業映画監督としてデビューする人も多く、宮沢りえさんが主演した『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年公開)の中野量太監督や第1回「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」でグランプリに輝いた企画を映画化した『嘘を愛する女』(2018年公開)の中江和仁監督も同プロジェクトの出身者です。2018年度は団体の推薦をうけた約80名の応募者の中から15名がワークショップに進み、5名の作家が35mmフィルムでの映画製作実地研修を行いました。

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板橋基之監督『くもり ときどき 晴れ』

板橋基之さんは1976年東京都生まれで、ドキュメンタリーや広告映像などの企画・演出をしながら、自主映画の製作をしてきたそうです。

『くもり ときどき 晴れ』は25年間消息不明だった父が生活保護を受けようとしていることを知った娘が父に会いに行くストーリーです。「家族をテーマにしたかった」と「どんな形でも家族、家族それぞれの想いがずれているのに繋がっている」と語る板橋さんは本作で登場人物それぞれの気持ちを丁寧に描いています。


本プロジェクトでの映画製作について「映画を作っているプロダクション、プロデューサー、スタッフも映画畑の方と一緒に作っていくのは刺激的でした」と話し、今後について「暮らしや料理をもっと入れ込んだものを作っていきたい」と抱負を述べました。

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岡本未樹子監督『はずれ家族のサーヤ』

岡本未樹子さんは1984年大阪府生まれで、冨樫森監督、佐々部清監督、瀧本智行監督など様々な監督の映画作品に参加し、助監督としての経験を積んできたそうです。「助監督の先輩から撮るきっかけをつくったほうがいいのでは?と言われたんです」と同プロジェクトに応募したきっかけを語り、今回は3回目の応募でした。

『はずれ家族のサーヤ』は幼い頃から母親と離れて祖母と2人で暮らす小学3年生の女の子が主人公です。母親が時々、父親の違う弟を連れて会いに来る複雑な境遇に置かれた主人公を描いている本作について岡本さんは「大人は幸せを選ぶことができるけれど、子供は大人が選んだ幸せについていくしかないということを表現したかったんです」と語りました。

川上信也監督『最後の審判』

川上信也さんは1976年京都生まれで、CM、MV、ショートフィルムなどを作ってきました。2015年頃からシナリオセンターでシナリオの書き方を勉強し、納得できるシナリオが完成し、同プロジェクトに応募したそうです。

『最後の審判』は東京美術大学の受験浪人5年目の主人公が才能溢れる少女と出会ったことで変わっていく様子が描かれています。「挫折感や前を進んでいる人に対する羨ましい気持ちや尊敬は誰の中にもある」と話し、東京藝術大学への挑戦と挫折は自身が経験したことだと教えてくれました。「この作品は戦略的に途中で終わる感じにしました。この先を観てみたいと思わせたいと決めていた」と話し、このまま長編にすることができる作りになっているそうです。

眞田康平監督『サヨナラ家族』

眞田康平さんは1984年石川県生まれで、東京藝術大学大学院の修了作品が渋谷ユーロスペースをはじめとした全国10館で劇場公開されています。

『サヨナラ家族』は「父親が亡くなった家族」を題材にしていて、「3年ほど前に実際に父親が亡くなった時のことをベースにしていている」と話し「(劇中のセリフは)実際に僕が思ったこと、妹の行動は自分と弟の行動でもあり、記憶から引っ張ってきて書いたもので、当時はしんどかった部分もありました」と教えてくれました。

眞田さんは「去年はワークショップも行って脚本もうけていたのに、5人に残らなかったんです!」と悔しい思いがあったことを明かしました。映画プロデューサーとの映画製作について「こちらの企画もわかってくれた上で一緒に築いてくれたので良かったです。これからも一緒に組みたいと思える人と出会えました」と同プロジェクトで得たものを話しました。

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山元環監督『うちうちの面達(つらたち)は。』

山元環さんは1993年大阪府生まれで、5人の中で最年少の26歳です。大阪芸術大学の卒業制作作品がPFFアワード2015審査員特別賞を受賞しており、同プロジェクトへもPFFの推薦で応募しました。

『うちうちの面達(つらたち)は。』は、家族4人が暮らす一軒家で父親と喧嘩をした母親が家を出て行くのではなく2週間に渡って家の中に隠れているというコメディタッチの作品です。

映画制作プロダクションのスタッフと一緒に行った映画制作について「プロの方々とイメージを共有していくことが難しかったです。言いたいことを伝える方法が見つからず、プレッシャーを感じることもありました」と振り返りました。



「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2018」一般上映会 in 名古屋

上映日時:3月8日(金)~14日(木)連日18:30
3月9日(土)のみ18:00〜 ※3月9日(土)に舞台挨拶を行います。

上映劇場:ミッドランドスクエアシネマ2(名駅)

Address:名古屋市中村区名駅四丁目11番27号 シンフォニー豊田ビル2階

名古屋市中村区名駅四丁目11番27号

入場料金:(5本まとめて)一般¥1,200円、学生・シニア¥1,000円

http://www.vipo-ndjc.jp/

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