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2022-06-06

「勝手に戦友のように思っています」映画『わたし達はおとな』主演の木竜麻生さんに名古屋でインタビュー


 

6月10日より公開となる映画『わたし達はおとな』は木竜麻生さんが主演し、20代の等身大の恋愛の危うさや脆さを描いている恋愛映画で、相手役として藤原季節さんが共演しています。新進女優と次世代監督がタッグを組み、「不器用に、でも一生懸命“今”を生きるヒロインたち」をそれぞれの視点で映画化するプロジェクト、“(not) HEROINE movies”=ノット・ヒロイン・ムービーズの第一弾公開作品で、メ〜テレが制作しています。

まるで覗き見をしているような錯覚に陥るほど圧倒的なリアリティのある男女のやりとりがスクリーンに映し出される本作がどのように作られたのか、本作が長編映画デビューとなる脚本・監督の加藤拓也さんについて、リハーサルや撮影の様子、藤原さんとの共演の感想などを聞くことができました。(取材日:2022年5月25日)

インパクト抜群のポスタービジュアルを「すごく気に入っています」

映画『わたし達はおとな』は木竜麻生さんが演じる大学でデザインの勉強をしている優実と藤原季節さん演じる演劇サークルに所属する直哉の恋愛を過去と現在が行き来するかたちで描いている作品で、本作が長編映画監督デビューとなる加藤拓也さんによるオリジナル脚本です。加藤監督はイタリアで映像演出と演劇について学び、帰国後に「劇団た組」を立ち上げた今最も注目を浴びている演出家・劇作家です。フジテレビの「平成物語」(2018年)、日本テレビの「俺のスカート、どこ行った?」(2019年)など話題のテレビドラマの脚本を手掛け、NHKの「きれいのくに」(2021年)では第10回市川森一脚本賞を20代で初受賞しています。

木竜さんに最初に脚本を読んだ時の感想を聴くと「ここまで話し言葉になっている脚本をあまりみたことがなくて、最初から最後までずっと面白くて、加藤さんの頭の中が面白いです」と話しました。撮影前にリハーサルが行われ、最初に加藤監督から「どれだけ隠すかです」と言わたことを明かし「人は多面的で複雑で、思っていることと、言っていること、本当に伝えたいことと、選んだ言葉が全部違って当たり前」という考えを伝えられたことを教えてくれました。木竜さんは「人間の複雑なところをそのまま表現できるように、思っていることや怒った感情を出すお芝居ではなく、全部を隠して、本音が出る部分も感情の出し方の加減を細かく演出してもらいました」と話しました。さらに「何気ない会話をするのも難しかったです。何気ない仕草を脚本の内容の中で成立させることが難しかったですし、自分の中でチャレンジだったと思います」とリアリティのある会話を生み出すために挑んだことも教えてくれました。

インパクトのある本作のポスタービジュアルについて木竜さんは「加藤さんの作る映画の空気感がきちんと出るものが良いと思っていたので、加藤さんがOK出したものを私はOKですという気持ちがありました」と話し「事務所の方にも、一任してもらっているから決めたけど、ビックリしないでねと言われました」と笑って答えました。さらに木竜さんは「加藤さんは即決だったらしくて、加藤さんに『ポスタービジュアル最高じゃないですか』って伝えたら『そやろ。最高やろ。』って返ってきました」と教えてくれました。「ほかに候補もあったらしいですが、一択だったようで、私も自信を持って出してくださいって感じでした」と話し、実際にポスターを観た感想として「私はすごく気に入っています」と断言。「自分の知らない顔がたくさん観られた映画なので、(ポスターも含めて)自分の知らない顔づくしでいいなって思っています!」と満足気な表情で答えてくれました。

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共演の藤原季節さんに「勝手に戦友のように思っています」

映画『わたし達はおとな』は大学生の優実と直哉の恋愛を覗き見しいるような気分になるリアリティのある恋愛映画です。2人の出会い、過去の出来事や現在抱えている問題などが時系列を行き来しながら描かれています。木竜さんは「優実が体感してきた時間通りの撮影でした」と撮影の順序は時系列通りだったことを明かし「優実はどんどん負荷がかかっていく役だったので、どのシーンもしんどさはあって、私にも負荷がかかっていったけど楽しかったです」と撮影を振り返りました。

木竜さんが撮影2日目になかなか上手くいかないと悩んでいたところ「藤原さんに後ろから急にポンっと肩をたたかれて『一緒に頑張ろうね』って言ってもらえて、映画はみんなで作るものなのに何を1人になろうとしてるんだろうと思いました」と気がつくことができたそうで、そこから藤原さんには「言いたいと思ったら全部言おう」と決めたそうです。全幅の信頼を寄せていた藤原さんについて「現場では圧倒的に頼りになる、一緒に戦っていけるという魅力があります。彼自身が映画を作ることに真っすぐで夢中でやれる方で、一緒に頑張りたいと思える俳優さんだと思いました。勝手に戦友のように思っています」と共演した感想を述べました。

撮影について聞くと「加藤監督は撮るべきものが撮れたら迷わずにOKを出してくださる方だったので、2人が出すべきトーンや出すべき2人の関係性が撮れていれば回数は関係ありせんでした。最後のシーンは場所を変えてそれぞれ1カットの長回しは、1回ずつしか撮っていなくて、3-4時間巻きでした」と撮影の裏側を語ってくれました。別のシーンでは日を変えて取り直したこともあったそうで、本作が加藤監督の演出のもとで緻密に作り上げられていった様子を聞くことができました。

強烈な印象を残すクライマックスでの優実と直哉の長回しのシーンについて「藤原さんとご一緒して、自分が全然知らないところまで行けました。初号試写を観て、自分の知らない顔がたくさんあったり、聞いたことのない声で話していてビックリしました。この仕事をやっていて本当に良かったと思います」と役者として新しい境地を開くことができた様子を窺わせました。

作品概要

映画『わたし達はおとな』

6月10日(金)より伏見ミリオン座 ほか にてロードショー

出演:木竜麻生、藤原季節 菅野莉央、清水くるみ、森田 想、桜田 通、山崎紘菜、片岡礼子、石田ひかり、佐戸井けん太

監督・脚本:加藤 拓也

配給:ラビットハウス

主題歌:the engy 「 Sugar & Cigarettes 」 (Victor Entertainment)

https://notheroinemovies.com/otona/

(C)2022『わたし達はおとな』製作委員会

 


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