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2022-02-08

ドM男と女王様が繰り広げる至高のラブストーリー 映画『夕方のおともだち』村上淳さん、菜 葉 菜さん、廣木隆一監督にインタビュー


 

2月25日(金)より伏見ミリオン座で公開となる映画『夕方のおともだち』は寝たきりの母親と暮らし水道局に勤めるまじめな男・ヨシダヨシオと、彼が通いつめるSMクラブの女王様・ミホが紡ぐ愛と「生」が描かれたヒューマンラブストーリーです。メッセージ性の強い作品で読者を魅了する漫画家・山本直樹氏の「夕方のおともだち」を原作に廣木隆一監督が完全映画化しました。SMの女王様とドM男という一面だけでなく、心の交差が丁寧に描かれ、彼らの繋がりの行方が気になる作品です。

名古屋での公開を前に廣木隆一監督と主演の村上淳さん、菜 葉 菜さんが名古屋でインタビューに応じ、監督のこだわり、撮影秘話などもたっぷりと話してくれました。(取材日:2022年1月26日)

日常の延長上にある“特別ではない”人間ドラマを描く

映画『夕方のおともだち』の主人公・ヨシダヨシオは寝たきりの母親と暮らし、市の水道局に勤める真面目で平凡な男性ですが、毎夜SMクラブに通いつめるドMな一面を持っています。ふり幅の大きい日常を過ごすヨシオと女王様のミホが紡ぐ二人のやさしい関係が心に沁みる物語が展開されます。

廣木監督は「日常の延長上にある“特別じゃない”、ドラマが生まれていくものをやりたいなと思いました」と話し「中年の男がとぼとぼ歩いて家に帰ってご飯作って・・・何の変哲もない風景なんですけど、この映画を見た人たちが“自分も似た経験をしているな”と思ってくれたり、そんなオッサンがSMに行っても良いじゃないって感じてくれたりしたらいいなと思っています」と語りました。

主人公のヨシオを演じた村上淳さんは「以前参加した廣木組の作品でSMのカルチャーを知りました。自分の真横にはないけれど、世の中にはあるじゃないですか・・・縛る美しさ、命のやりとりをするところなどに芸術的なものを感じていたので抵抗はありませんでしたし、いい脚本なんです。廣木さんが撮るなら、徹底して人間ドラマとして描いていくことを長年の付き合いで分かっていましたし」と廣木監督に厚い信頼を見せました。そして廣木組作品13本目の参加での初主演について「嬉しかったです!」と満面の笑顔で答え、気持ちが高ぶったのか話しながら上着を脱ぐ姿が印象的でした。

女王様・ミホ役の菜 葉 菜さんは「SMを題材にしているけれど、描きたいのはそういう点でないと原作・脚本から感じました。ヨシオとミホの関係性が人間ドラマとして魅力的で、これが映画化されたらどうなるのだろうと・・・やりたいなと思いました」と熱く語りました。SMという一面にとらわれず「人間ドラマ」として紡がれたストーリーを気負いなく見てほしいという思いが伝わってきました。

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息を飲む衝撃のSMシーン!監督お気に入りのシーンで笑っちゃう?

映画『夕方のおともだち』は片田舎で起こる“人間ドラマ”が一番の見所ですが、SMが題材になっているのでSMプレイも見所のひとつです。菜 葉 菜さん演じる美しい“ミホ女王様”による“衝撃のお仕置きシーン”が待ち構えております。そして劇中にはヨシオをSMの世界に引き込み、突然消えた“ユキコ女王様”も登場します。10月の福島県いわきの海で行ったユキコ女王とのプレイシーンについて村上さんは「水が肺にチャポって入ってくるみたいで・・・ヤバイっと思いました」と肉体の限界に挑戦しながらのハードな撮影だったことを冗談めかして話してくれました。大きなスクリーンで見るプレイの数々に釘付けとなる方も、新たな扉を開けたくなる方もいるのではないでしょうか。

2人の女王様のボンテージ姿の美しさについて、廣木監督は「ピンヒール履くと皆、ああなりますよ」と話し出すと、被せ気味に菜 葉 菜さんは「ならないよ!」と突っ込みをいれました。すかさず村上さんは(ユキコ女王様を演じた)「Azumiちゃんは2・3週間炭水化物を抜いていて、その横で僕は美味しそうに炭水化物を食べて・・・僕はポテポテしたかったので」と教えてくれました。丁々発止のやりとりに撮影現場が垣間見えるようでした。

また、インタビュー中に村上さん、菜 葉 菜さんが「笑えるところ・・・なかったですか?」と記者に逆質問する一幕も。某シーンを答えると、廣木監督が「お気に入りです」と微笑みました。廣木監督一押しのヨシオが○○を妄想する模様もお楽しみください。

菜 葉 菜さんの格好良い煙草の仕草 ヨシダヨシオをめぐる魅力的な4人の女性たち

ミホを演じる菜 葉 菜さんの煙草を吸うシーンは必見です!格好いい喫煙シーンの話題になると村上さんが「おお!女優冥利に尽きるんじゃない?」と反応し、菜 葉 菜さんの格闘を間近で見てきた絆を感じさせました。菜 葉 菜さんは「ふだん煙草を吸っていないので、自宅で練習しました」と明かし「初日のシーンが煙草を吸うところで・・・初日の緊張と煙草の仕草と裁きの難しさがあって、そのほかの(喫煙)シーンも凄く難しくて何テークかやらされて・・・やらせていただきました」と振り返りました。「格好いいと言われて嬉しい!」とチャーミングな笑顔を見せてくれました。

映画『夕方のおともだち』にはミホのほか、ユキコ女王、ヨシオの同僚女性、母親と4名の女性が登場します。その4名のなかで廣木監督は「ヨシオの同僚に多くの人が感情移入すると思うんですよ」と語りました。村上さんは「2人の女王を行き来する上で、“普通なのに普通じゃない”(同僚の)彼女がニュートラルに戻してくれる存在でした。まあ、(母を演じる)烏丸さんが一番メス性が強いですね」と話すと、菜 葉 菜さんも「私もそう思う!」と二人で頷きあっていました。廣木監督は女性を魅惑的に映し出す名手として知られています。多面的な魅力を持つ4名の女性の中で、あなたは誰に心をつかまれるのでしょうか。

村上さんは「この作品はタイトルがいいんですよ。あぁ『夕方のおともだち』なんだよなっていう・・・自分にふわっと毛布をかけてくれる感覚です」と作品をアピールしました。そして「ラストの良いところで大橋トリオさんの曲が始まるんです」とエンドロールの楽しみも教えてくれました。

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作品概要

映画『夕方のおともだち』

中部地区 2月25日(金)より伏見ミリオン座にて公開

2月4日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズ、大阪ステーションシティシネマほか全国順次ロードショー

出演:村上淳 菜 葉 菜 / 好井まさお 鮎川桃果 大西信満 木口健太 田中健介

日向寺雅人 坂本つとむ 宮崎吐夢 / 田口トモロヲ Azumi(Wyolica)  / 烏丸せつこ

監督:廣木隆一

脚本:黒沢久子

原作:山本直樹著「夕方のおともだち」(イースト・プレス刊)

音楽:大友良英

エンディングテーマ:大橋トリオ「はじまりの唄」

撮影:鍋島淳裕

照明:かげつよし

美術:丸尾知行

録音:深田晃

エグゼクティブプロデューサー:大岩良江

プロデューサー:浅野博貴 佐伯真吾

企画協力:成田尚哉

製作:クイーンズカンパニー、ティー・アーティスト、ディケイド

制作:ザフール

2021年/日本/日本語/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/115分/

配給:彩プロ  映倫R-18

©2021「夕方のおともだち」製作委員会


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