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2022-01-31

ジブリパーク開園は11月1日!建設中の「ジブリの大倉庫」「青春の丘」を初公開!「ジブリ美術館以上に迷子になって」


 

11月1日に第1期の開園が決定した「ジブリパーク」は愛知県長久手市の愛・地球博記念公園内に愛知県が整備を進めているスタジオジブリ作品の世界観を表現する5つのエリアで構成されます。1月27日にメディア向け発表会が行われ、開園日の発表と「ジブリの大倉庫」「青春の丘」の建設中の様子が公開されました。

© 2022 Studio Ghibli

発表会には大村秀章愛知県知事とスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが出席し、ジブリパークの宮崎吾朗監督が建設現場の案内役をつとめました。スタジオジブリが初めて手掛けた愛知県の観光PR動画「風になって、遊ぼう。」もお披露目された発表会の様子、公開された「ジブリパーク」の様子をご紹介します。(取材日:2022年1月27日)

「ジブリパークのある愛知」をPR 愛知県観光PR動画の監督・中川龍太郎さんは「宮崎駿に似ている」

ジブリパークは愛知万博の理念を次世代へ継承し、愛・地球博記念公園の魅力と価値を一層高めるために愛知県が同公園内で整備を進めていて、スタジオジブリ作品の世界観を表現する5つのエリアで構成されます。第1期は「青春の丘」「ジブリの大倉庫」「どんどこ森」の3つのエリア、2023年秋の第2期には「もののけの里」「魔女の谷」の2つのエリアが開園する予定です。大村秀章愛知県知事から「2022年11月1日に開園します」と発表があり、それぞれのエリアについての説明が行われました。

© 2022 Studio Ghibli

また愛知県の観光PR動画「風になって、遊ぼう。」の上映が行われました。この動画は一人の少女が風に誘われて愛知県内の様々な観光スポットを駆けぬけ「サツキとメイの家」にたどり着く実写映像です。紹介されるのは旧豊橋鉄道田口線(新城市・設楽町)、日本遺産「有松」(名古屋市)、常滑やきもの散歩道(常滑市)、窯垣の小径資料館(瀬戸市)、三光稲荷神社(犬山市)、国宝犬山城(犬山市)、オアシス21(名古屋市)、トヨタ博物館(長久手市)、あいち航空ミュージアム(豊山町)、半田赤レンガ建物・旧カブトビール工場(半田市)、佐久島(西尾市)、恋路ヶ浜(田原市)、阿寺の七滝(新城市)、サツキとメイの家(長久手市)の15のスポットで、緑あふれる自然や海、歴史ある街並みや都市風景などが躍動感あふれる映像で愛知の魅力を伝えてくれ、ラストに「ジブリパークのある愛知」というコピーが登場します。

「風になって、遊ぼう。」

この動画はスタジオジブリが初めて手掛けた実写の観光動画で鈴木敏夫プロデューサーは「スタジオジブリがアニメーションでないものを手掛けるのは珍しい、手前味噌ですが結構いいじゃん!」と笑顔をみせました。

© 2022 Studio Ghibli

また、この動画の監督をつとめた中川龍太郎さんは2018年公開の映画『四月の永い夢』がモスクワ国際映画祭批評家連盟賞を受賞し、2019年には松本穂香さん主演の映画『わたしは光をにぎっている』が公開、2020年には衛藤美彩さんと仲野太賀さんがダブル主演した映画『静かな雨』が公開されました。2022年4月には岸井ゆきのさんが主演し、浜辺美波さん、杉野遥亮さんが出演する最新作『やがて海へと届く』の公開が予定されています。中川監督について鈴木プロデューサーは「性格が宮崎駿に似ているんです。あまり深く考えずに頼まれるとすぐやっちゃう、おっちょこちょいな人」と紹介し「(宮崎駿の)精神はこの映像の中に入っているのではないかと思いました」と話しました。

映画『わたしは光をにぎっている』主演の松本穂香さんと中川龍太郎監督に名古屋でインタビュー

中川龍太郎監督2020年公開映画『静かな雨』名古屋大須のたいやき屋で衛藤美彩さんにインタビュー

「決めた!これは吾朗に任せる」「すべてに口を出す人が珍しいこと」宮崎駿さんとのエピドートを披露

ジブリパークの宮崎吾朗監督が案内役となり、第1期に開園する3エリアのうち「ジブリの大倉庫」「青春の丘」の工事現場が初公開されました。鈴木プロデューサーはこの日、ジブリパークの工事現場を見た感想として「この仕事は本当にやって良かった」「(三鷹の森)ジブリ美術館の精神が生きていて、その発展形があって、手応えを感じました」となどと話しました。

© 2022 Studio Ghibli

また2020年11月に一緒に同公園を訪れた宮崎駿さんが「決めた!これは吾朗に任せる」と発言したことを振り返り「すべてに口を出す人が珍しいこと」「吾郎くんが全部やりました!ぜひ期待してください」と話しました。また鈴木プロデューサーは「(宮崎駿さんが)吾朗くんに任せたと言いつつ、ジブリパークのアイディアを考えていた」とも口にし、宮崎駿さんが何かしらの関わりもつ可能性も匂わせました。

「地球屋」にバイオリン工房!エレベーター塔には展望デッキも!

「青春の丘」では『耳をすませば』に登場するアンティーク店「地球屋」や『猫の恩返し』に登場する「猫の事務所」の工事が進んでいました。足場で囲われた「地球屋」の建物の形は映画の中から飛び出してきたようにそのままで、建物の中に入って作品の世界観を楽しめそうです。

© 2022 Studio Ghibli

宮崎吾朗監督は古時計やバロンも設置され、地下1階にバイオリン工房も作られると話し「建物はほぼ出来上がっていて、外壁の仕上げがまだなので、綺麗なオレンジ色になると想像して見てください」と補足してくれました。

© 2022 Studio Ghibli

大きな木があるロータリー広場に設置される予定の電話ボックスや掲示板などはまだ見当たらなかったのですが、家具や小物がミニチュアサイズで制作される予定の「猫の事務所」は約3㎡の小さく可愛らしいサイズで、屋根はしっかりとみられました。完成後、中に入れるのか、外から中の様子をのぞき込むような感じになるのか楽しみですね。

© 2022 Studio Ghibli

既存のエレベーター塔は『天空の城ラピュタ』や『ハウルの動く城』などの19世紀末の空想科学的要素を取り入れた内外装への改修も進んでいました。すでに公開されているイメージボードを見るとエレベーター塔には展望デッキも作られるようで、足場で囲われていて全容はわからないのですが、それらしき形がみられました。

© 2022 Studio Ghibli

温水プールが「ジブリの大倉庫」に!「ジブリ美術館以上に迷子になっていただきたい」

「ジブリの大倉庫」は温水プールの建物を改修して、常設展示室、企画展示室、映像展示室、遊び場、売店、喫茶店、収蔵施設などの整備が進められています。これまで様々な博覧会を行ってきたジブリには大小さまざまな創作物があり、それらを収蔵する場所を探していたそうです。「ジブリの大倉庫」は2フロアで様々な段差があり、「ジブリのいろんなガラクタや宝物がある場所」であると説明され、展示面積は三鷹の森ジブリ美術館の約4倍の広さとなっています。

© 2022 Studio Ghibli

『借りぐらしのアリエッティ』の世界観で「床下の家と小人の庭」、『天空の城ラピュタ』に登場するラピュタの庭園「天空の庭」が制作されるほか、全長6メートルの「空飛ぶ巨大船」も設置される予定です。

© 2022 Studio Ghibli

現状はコンクリートむき出しでしたが、色とりどりのタイルで飾られる予定で、タイル作りからこだわっていると紹介していました。奥に見えるピンク色の建物の中には、子どもたちが『となりのトトロ』の世界で遊べる部屋「ねこバスルーム」が作られます。

© 2022 Studio Ghibli

宮崎監督は「ここから見えない反対側は、また違った作りになっているのでお楽しみに」とまだまだ全容はわからないのですが、「ジブリ美術館以上に迷子になっていただきたい」と笑みを浮かべていました。

トトロが木製遊具「どんどこ堂」に!

「どんどこ森」は写真での紹介のみとなりましたが「サツキとメイの家」を中心とした昭和の田園景観をイメージしたエリアで、トトロのような外観の高さ5.2メートルの木製遊具「どんどこ堂」が設置されます。小学校低学年の子どもが中に入って遊べる木製の遊具は人気スポットになりそうですね。

© 2022 Studio Ghibli

2月1日にジブリパークのティザーサイトがオープン

愛・地球博記念公園は無料で利用できるが「ジブリパーク」の5つのエリアは有料となる予定で、発表会に出席した大村知事は「いわゆる一般のテーマパークとは違って、リーズナブルな料金になるよう調整していきたい」「日時指定の完全予約で、夏くらいには予約が始められるように」と説明していました。

2月1日12時のジブリパークのティザーサイトのオープンと合わせて、「ジブリの大倉庫」を舞台にしたスタジオジブリ制作のビジュアルが初公開されました。ビジュアルにはジブリ作品のさまざまな展示物が詰まった屋内施設「ジブリの大倉庫」の中央に位置する階段が描かれています。

ティザーサイトではこのビジュアルにまっくろくろすけがふわふわと動き、「はじまりは、秘密がいっぱいの大倉庫。」というコピーが大きく出てきます。

ⓒ 2022 Studio Ghibli

ジブリパークに関する最新情報はジブリパーク公式ウェブサイトで段階的に発表されます。

 

 


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