【1/5公開】映画『嘘八百』武正晴監督に名古屋でインタビュー 千利休の幻の茶器で一攫千金!?
2018年1月5日に公開となる映画『嘘八百』は大阪・堺を舞台に、冴えない古物商と売れない陶芸家が「幻の利休の茶器」を巡って一攫千金を狙い、大御所鑑定士や文化庁を巻き込んで騙し合いを繰り広げる物語です。中井貴一さんと佐々木蔵之介さんがダブル主演し、友近さん、近藤房之助さん、桂雀々さん、塚地武雅さん、坂田利夫さんなど、個性的かつ経験豊富な役者が揃っています。
映画『百円の恋』の監督・武正晴さんと脚本家・足立紳さんが再びタッグを組んで堺の親善大使であり今井雅子さんも共同脚本として参加しているオリジナルストーリーの映画です。愛知県知多市出身の武正晴監督が名古屋に来られた際にインタビューすることができました。(取材日:2017年12月5日)
Contents
時間をかけた脚本作りと二人の脚本家
映画『嘘八百』の制作のきっかけについて、第39回日本アカデミー賞で最優秀脚本賞を受賞した映画『百円の恋』を観たプロデューサーから武監督に堺の話を作りたいと話があったそうです。骨董についての知識は全くなかった武監督ですが、エンタテインメントに仕立てるにあたって「(脚本家の)今井雅子さんが先に開発していたプロットに人を誑かすような人たちのエッセンスを入れていった。」と話していました。「オリジナルは比較的作りやすかった。」と言いながら、3年ぐらいかけて脚本を作ったそうです。
2人の脚本家の共同脚本という形で進んだ『嘘八百』ですが、足立さんは骨組みやキャラクター作りが中心で「ちょっと錆びついてしまった実力者がサビを払って本当の力を発揮する(ストーリーで)、40歳後半から50歳の男の人がそろそろ俺らの本領発揮というものに見てくるといいな。」と考えて作っていったそうです。もう1人の脚本家である今井さんは堺の親善大使で朝のテレビ小説なども書いてきていて、堺や千利休のことに詳しく、さらに関西風の味付けをうまく補強してくれたと2人の脚本家の役割分担について教えてくれました。
また、撮影が近づいて美術や骨董の監修や作陶家の方から追加された事や監督が調べた事などを今井さんが整理して脚本にしてくれたそうです。「今井さんは(様々な追加事項の)さばき方がすごく上手かった。」と初めて一緒に仕事をした感想を話していました。
武監督は世界中にある贋作にまつわる物語が好きだと話し、人を騙す方法にはパターンがあって、それを『嘘八百』に取り入れていったと教えてくれました。堺が舞台なので千利休の茶碗が出てくるのですが、色々と調べていくうちに「茶碗だけではダメで箱とか証書とかそういうものが全部揃わないと価値が上がらない。」ということがわかり、中井さんが演じる古物商や佐々木さんが演じる陶芸家と共に、千利休の幻の器作りに協力するメンバーを絡めていくことを考えたそうです。このメンバーは木下ほうかさんや坂田利夫さん、宇野翔平さんが演じていて、中年男のチームワークも作品の見所となっています。
初の本格共演となる中井貴一さんと佐々木蔵之介さんの魅力
武監督は関西出身の50歳前後の俳優さんを探して佐々木さんに白羽の矢を立てたそうです。オファーの段階では佐々木さんと中井さん、どちらにどの役をお願いするかは決まっていなったそうですが、台本を読んだ中井さんは「当然、ぼくはこっち(古物商)だよね。」と言っていたそうです。中井さんについて武監督は「正体不明だけど、いかがわしく見えない人で、関東と関西の両方のエッセンスを持っている。」と語っていました。
佐々木さん演じる陶芸家が千利休の幻の器を作ろうとするシーンはとてもカッコ良くて見応えがあるものです。このシーンは武監督が作陶協力・指導をお願いした堺の陶芸家の昼馬和代さんを取材したときに想像と違っていて面白いと感じ「作陶家が本気で(陶器を)作る様子は迫力があり、見せ場のひとつになると思い、できるだけ忠実に再現して描いていった。」と話し、何でもない土が茶碗になる過程は映画の中で表現するべきだと思ったとも教えてくれました。
佐々木さんはこのシーンの撮影のために、男性陶芸家の工房へ行き、相当練習をされたそうです。全身の力を使って土を捏ねている様子や命をかけて器を作る横顔がめちゃめちゃ色っぽくてカッコいいので、ぜひ大きなスクリーンでご覧ください!
シナハンで出会った学芸員さんにそっくりでオファー
映画『嘘八百』には堺の学芸員役で塚地武雅さんが出演されているのですが、この役には実在するモデルがいるそうです。武監督がシナリオハンティングをしているときに出会った方なのですが「(実際の)堺の学芸員の方で、ずーっと利休の手紙とかを読み漁って、歴史を伝えて行く人なんです。堺にいた利休が作った文化を伝えたい気持ちが素敵で、(映画の中で)説明役にもなる。」と教えてくれました。
そして、その方が塚地さんにそっくりだったということで、出演をお願いしたそうです。メイキングの写真を入手しましたので、そのそっくり具合をぜひご確認ください。
映画では塚地さん演じる学芸員さんがキラキラした目で千利休を語るのですが、実際に堺に行って実際の学芸員さんのお話も聞いてみたい気持ちになりました。
学芸員さんについて話す中で、武監督は「自分のことを犠牲にしても守ってきた人たちがいた、(未来に)伝えようとしてきた人がいたということが価値なんじゃないかなと思う。」と話していたのが印象的でした。
作品概要
公開時期:2018年1月5日(金)全国公開
監督:武正晴(『百円の恋』)
脚本:足立紳 今井雅子
出演:中井貴一、佐々木蔵之介、友近、森川葵、前野朋哉、堀内敬子、坂田利夫、木下ほうか、塚地武雅、桂雀々、寺田農、芦屋小雁、近藤正臣
© 2018「嘘八百」製作委員会
映画『嘘八百』が観られる名古屋・名古屋近郊の映画館
Address:名古屋市港区品川町2-1-6
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伏見ミリオン座(栄)
Address:名古屋市中区栄一丁目4-16
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Address:愛知県西春日井郡豊山町豊場林先1番8
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TOHOシネマズ赤池(プライムツリー赤池4F)
Address:愛知県日進市赤池町箕ノ手1番
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Address:愛知県長久手市長久手中央土地区画整理事業地内5・10・11街区 イオンモール長久手4F
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Address:愛知県一宮市木曽川町黒田南八ツケ池25-1 イオンモール木曽川内
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