関市が舞台の映画『怪獣ヤロウ!』故郷を徹底的にいじった!?関市出身の八木順一朗監督&主演のぐんぴぃさんにインタビュー
2025年1月24日(金)より岐阜県で先行公開、1月31日(金)に全国公開となる映画『怪獣ヤロウ!』は岐阜県関市を舞台に、何をやってもうまくいかない地方公務員がご当地映画の製作を命じられ、市政を巻き込む前代未聞のミッションに挑む姿が描かれたコメディです。また関市の魅力を存分に楽しめる作品です。YouTubeのチャンネル登録者数170万人以上を誇る「バキバキ童貞(バキ童)」として知られる、お笑いコンビ「春とヒコーキ」のぐんぴぃさんが映画初出演にして初主演!岐阜県出身の平山浩行さん・清水ミチコさんや、菅井友香さん、手塚とおるさん、三戸なつめさん、田中要次さん、麿赤兒さんなどバラエティ豊かな出演者が脇を固めます。本作の脚本・監督を務めたのは、関市出身で、ぐんぴぃさんのマネージャーでもある八木順一朗さんです。
公開前に、八木順一朗監督とぐんぴぃさんが名古屋でインタビューに応えてくれました。関市の印象・思い出、撮影秘話について終始笑顔で話しました。(取材日:2024年11月15日)
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「いつか故郷に映像で恩返ししたい」コンペで勝ち取った映画製作 ぐんぴぃさんが「みんなが嬉しそうに包丁とか持ってる…」
映画『怪獣ヤロウ!』は「ご当地映画を製作せよ」と市長に命じられた関市役所観光課の面々のてんやわんやな様子が描かれたコメディです。また、鵜飼いや刀、ご当地の企業などが登場し、関市の魅力がたっぷり詰まった作品です。
舞台を関市にした経緯を八木順一朗監督に伺うと「大学から県外に出てしまったのですが、いつか故郷に映像で恩返しできたらなという想いを持ち続けていたんです」と郷土愛を溢れさせました。街のPRになる映像製作に助成金がいただけるというプロジェクトがあり「映画を作りたいという自分の夢もあったので、エントリーしました。そこから企画が動きだしました」と八木監督は話し、映画製作をコンペで勝ち取った事を笑顔で語ってくれました。
今の関市のイメージを聞くと八木監督は「(自分が離れたころと)余り変わってはいないんですが、関市が持っている伝統産業の深い所を取材したときに、関市出身なのに知らないことが多々あって新鮮に感じられました」と述べ、「自分が生まれ育って大好きだった関市の雰囲気と、今回知った自分にとっては新しい関市みたいなものを一緒にして作った感じですね」と完成した映画についても話しました。
ぐんぴぃさんは関市について「最初に関市に来たのが“刃物祭り”の時でした。まず祭りの名前がヤバい。みんなが嬉しそうに包丁とか刀とかを持ってる…ってすごい場所だなと思いました」と第一印象を話しました。そして「14万人くらい祭りに来ていて、祭りが終わると人がいなくなるんです」とぐんぴぃさんが目を大きくして言うと、八木監督も「もう夕方には、人いませんね~」と掛け合いをみせ、人数のメリハリが効きすぎると頷き合いました。「八木さんがその二面性もあって、もっと良くしていきたいなと言ってました」とぐんぴぃさんは振り返り、様々な伝統産業を見学したことも含めて「大変勉強になりました」と述べました。
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マネージャーとしてぐんぴぃさんを見つめてきたからこそのオファー「いいキャラクターになったと思います」と称賛
八木監督は芸能事務所タイタンの社員でありながら映画『実りゆく』などの監督やNHKの「おかあさんといっしょ」の1コーナーの放送作家として活躍する異色の存在です。八木監督にぐんぴぃさんを主演にした理由を聞くと、ぐんぴぃさんを指さして「可愛いですよね。ポスターも可愛いでしょ」と言うと、すかさずぐんぴぃさんは「ポスターが『すしざんまい』みたいでしょう?」と息ピッタリ。
八木監督は「映画の中で、皆が応援したいと見続けてくれる、中心になる人物だと思いました」とぐんぴぃさんの魅力を話しました。また普段はぐんぴぃさんのマネージャーとしてドラマなどの現場に同行しているので、演技力や仕事の取り組み方は熟知していたとも語り「ある時点から脚本をぐんぴぃに寄せて、全部コメディにしていきました」と明かし、「自分が想像してきた主人公の山田君のイメージをはるかに越えてきて、いいキャラクターになったと思います」と称賛しました。
ぐんぴぃさんは八木監督からのオファーに対して「仕事で『ドッキリ』とかもあったので…真に受けていなかった」というと八木監督が大笑いで反応。ぐんぴぃさんは「次第にすごい役者がどんどん固まって来て、引っ込みがつかなくなったんです」と主演を担うことになった経緯を表情豊かに述べました。怪獣好きというキャラクターの設定から、怪獣映画からいろいろ教わったものの「沢山は観られなかった」と落としつつ「『押さえたぞ!』程度は鑑賞しました」とドヤ顔を見せました。
現場で得た感覚もあったそうで「特撮の現場だったり、八木監督だったりが本当に怪獣映画が好きで、その会話に『うわ!ついていけない』と感じました。でも“好きでいっぱい”の雰囲気が参考になりました」とぐんぴぃさんは振り返り、八木監督も当時を思い起こし「人に聞かせるにはキモすぎる会話」と自虐してアハハと笑いました。ぐんぴぃさんは「この作品は八木さん自身の話でもある。怪獣オタクだし、芸能事務所のマネジャーになってしまって映画が撮れるわけがないと思っていたら、いろんなところで映画を撮れるチャンスが巡ってきた・・・というのは八木さんの現在と重なります。そこを教わりながら演じた感じです」と語り、八木監督との関係の深さをにじませました。
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関市一丸!地元のリアル&レアな一面も映し出す ぐんぴぃさん「バカにならないと夢なんか追えねえよ」と役柄に共感
関市の協力について八木監督は「閉鎖的、伝統至上主義的な感じで規模が小さくなってしまうのではないかと不安だったんですが、実際動き出すと真逆でした」と語り、具体的には、述べ1000人のエキストラが集まったことや、協賛企業が怪獣映画を作るならと一層乗り気になってくれたり、市役所も「ドンドンやれ!」と盛り上げてくれたりしたそうです。八木監督は「満点以上のものができました」と自負し、協賛してくれた企業の方々はまだ完成した映画を鑑賞していないとのことで「どんな反応をいただけるかが楽しみです」とワクワクした表情を浮かべました。
昨年(2023年)の刃物祭りで映画製作の情報解禁をした『怪獣ヤロウ!』。応援してくれる人びとが集い、八木監督が目指していた〈地元のお祭り〉のような雰囲気で撮影が進んだそうです。本作には、地元で有名な女将さんが映っており、八木監督は「映画を観れば本物が見えます。幻の女将さんもちゃんと納めてありますよ」とアピールしました。関市の閑散とした街を敢えて映し出していることについて尋ねると、「地元を悪く言うつもりはなくて、地元の人に外から見るとこう見えるんだということをストレートに伝えたかった」そのうえで「今のリアルな状況をぶっ壊していくには何が必要かみたいなことを映画で表現できたらなと思いました」と熱い思いをにじませました。
主人公を演じたぐんぴぃさんは「劇中、この映画は復讐、怒りで作りますっていうところがあって、演出の時に『怪獣=怒りだ』と監督が言いました。怒りが原動力というのは、自分の考えに一致していて、リアルだと思いました」と語り、加えて「バカにならないと夢なんか追えねえよっていう感じ…人の姿勢として馬鹿でいいじゃん」というところに共感したと述べました。ぐんぴぃさんは27歳で芸人になるために会社を辞めた際の心境を「まともじゃいられなかった」と振り返りつつ、本作で与えられた役と自分の人生とがオーバーラップしているかもと頷きました。
「徹底的にいじってやろう」と作ったご当地映画 個性豊かなキャストから生まれる化学反応
主演のぐんぴぃさんは芸人でありYouTuberでもあり、役者でもあるという多面的な活躍をしています。仕事観について伺うと「どれも本気でやる」ときっぱり。ぐんぴぃさんは「ビートたけしさんが振り子理論って言っていますが、振り子のように役者・YouTube・お笑いと振り子の球がグルグル回って、人間の幅が広がっていく状態が理想だと思っています」と答えました。八木監督は「僕はもともと映画監督を目指していましたが、それが叶わなかった人間で、極論、映画業界の人から認められていない存在です。なのでそういう存在だからこそ見える世界があるので、今回のご当地映画で徹底的にいじってやろうと思ったのかもしれませんね」と語りました。多彩な活動の中でうまれたものが映画『怪獣ヤロウ!』に反映されているのでしょう
ユニークな経歴を持つ八木監督とぐんぴぃさんのタッグだけでも興味深いですが、キャストも濃いメンバーが集結。岐阜県出身の平山浩行さんは渋い刀鍛冶職人役を、清水ミチコさんはワンマン市長を楽しそうに演じています。清水さんについてぐんぴぃさんは「初対面の時にテンパっていたら、面白くかましてくれて・・・」と振り返り、「共演させていただいて、良い経験になりました」とまとめました。八木監督は「ミチコさんはムードメーカーで、アドリブも多かったですね。ただ撮影期間、時間の余裕がなくて、モノマネを披露してもらえなくて残念でした」と述べました。
個性豊かなキャストについて伺うと、八木監督は「僕の好きな人だし、役に合いそうだという感じで選びました。全員いい!」とキャスティングに自信を見せました。主人公の同僚役の三戸なつめさんについて「本当に最高でした」と大絶賛。手塚とおるさんについて、ぐんぴぃさんは「手塚さんはエナジードリンクのモンスターしか飲まないんですよ。変わった人です」と撮影中のエピソードを話しました。八木監督は「手塚さんが演じる武藤は中間管理職の厳しいキャラのはずでした。でも初日のリハーサルでぶっ壊れた武藤が来て…それでいきましょうとなりました」と笑いました。ぐんぴぃさんは麿赤兒さんについて「一番優しかったですね。僕に敬語で話してくださって・・・」と麿さんとのやり取りをモノマネを交えて語り、エアドロで写真の交換をしたと二コリとしました。八木監督は「ぐんぴぃが中心だからかもしれないけど、現場の空気がめちゃめちゃ良かった」とまとめました。関市とキャスト・スタッフがワンチームとなって作った型破りなご当地映画『怪獣ヤロウ!』ぜひ、劇場でお楽しみください。
作品概要
1月24日(金)~岐阜県先行 シネックスマーゴ他 CINEX、TOHOシネマズ岐阜、TOHOシネマズモレラ岐阜、イオンシネマ各務原、シネマワールド大垣
1月31日(金)~全国公開 センチュリーシネマ他 イオンシネマワンダー、イオンシネマ名古屋茶屋、中川コロナワールド、小牧コロナワールド イオンシネマ豊田KiTARA、イオンシネマ長久手、イオンシネマ常滑、ユナイテッド・シネマ岡崎、ユナイテッド・シネマ稲沢、ユナイテッド・シネマ阿久比、ユナイテッド・シネマ豊橋18
監督・脚本:八木順一朗
出演:ぐんぴぃ 菅井友香 手塚とおる 三戸なつめ 平山浩行 田中要次 麿赤兒 清水ミチコ
特別協賛:貝印株式会社、株式会社ビクトリー、辻屋、株式会社フクタハウス、株式会社オザキ、株式会社大野ナイフ製作所、長村金属株式会社、片桐工業株式会社、株式会社KIKU KNIVES、協同印刷株式会社、協同組合岐阜関刃物会館、鈴木刃物工業、関牛乳株式会社、関信用金庫、青協建設、東海理研株式会社、株式会社マーゴグループ、有限会社三輪塗装、ローラーストーン
補助:岐阜県関市 関市映像作品撮影事業
制作プロダクション:エピスコープ
制作協力:東海制作
製作:チーム「怪獣ヤロウ!」
製作幹事:ファニーパンドラ、Atemo
配給:彩プロ
宣伝:murmur
企画・制作:ファニーパンドラ
2024年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/80分
©チーム「怪獣ヤロウ!」
Instagram https://www.instagram.com/kaiju_yaro/