映画『グッバイ、ドン・グリーズ！』愛知県岡崎市出身いしづかあつこ監督が≪松岡ひとみのシネマコネクション≫に登場
2月18日より公開中の映画『グッバイ、ドン・グリーズ！』は世界中で絶賛された大ヒットテレビアニメ『宇宙よりも遠い場所』（2018年）を手掛けたいしづかあつこ監督、MADHOUSE制作によるオリジナル長編劇場アニメーション作品です。雄大な自然とともに3人の少年の冒険が描かれていて、彼らが行き着くアイスランドの自然の美しさ、そこで描かれる少年たちの成長とある奇跡に心が揺さぶられます。
愛知県岡崎市出身のいしづか監督が名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで行われた≪月イチトークライブ 松岡ひとみのシネマコネクションvol.13≫にゲストとして登壇しました。子供の頃や高校時代、愛知県立芸術大学からMADHOUSEに進むまでのエピソードなども話しながら、アイスランドを描いた理由、ロウマ役の花江夏樹さん、トト役の梶裕貴さん、ドロップ役の村瀬歩さん、田村淳さんや指原莉乃さんなど声優陣とのやり取りも話してくれました。イベントの中では、名古屋市内でアイスランドのアンテナショップを運営する上野浩孝さんからのメッセージが代読され、駐日アイスランド大使からのメッセージ映像も上映されました。（取材日：2022年2月27日）
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「2回目は前半の見え方が全然違ったんじゃないかな」「視点が変わったときに世界そのものの広さが変わる」
映画『グッバイ、ドン・グリーズ！』は周囲と上手く馴染むことができないロウマと、同じように浮いた存在のトト、アイスランドからロウマの住む田舎町にやってきたドロップ、3人の少年によるひと夏の冒険を描いたオリジナル長編劇場アニメーションです。本作では、2018年にTV放送され「よりもい」の愛称で知られる『宇宙よりも遠い場所』の監督・制作チームが再タッグを組みました。
名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで行われた≪月イチトークライブ 松岡ひとみのシネマコネクションvol.13≫のゲストとして、いしづかあつこ監督が大きな拍手の中、上映後のスクリーン前に登場しました。愛知県岡崎市出身のいしづか監督は「里帰りの機会をいただいて」と地元での舞台挨拶を喜んでいる様子でした。また、観客の中に2回目、3回目の鑑賞者がいることがわかると「2回目は前半の見え方が全然違ったんじゃないかなと思います」と話し、「この映画そのものが、視点が変わったときに新たな成長を遂げる、世界そのものの広さが変わることを描けたらと思っていました」と伝えました。
いしづか監督の高校時代に話が及ぶと「県内の進学校に間違って入ってしまって、勉強漬けでした」と振り返りつつ「高校で最初に仲良くなったクラスメイトに誘われて演劇部に入っていました。演出をやっていて、当時、オリジナル脚本にもチャレンジしました」と教えてくれました。また子供の頃のエピソードとして「絵を描いたり、音楽をやったりするのが好きで、将来は芸術関係の何かをするに違いないと思い込んでいました」と話し、司会の松岡さんから「アニメとの出会い」を聞かれると「アニメは全然観ていなくて『ドラえもん』だけ観ていました」と答えました。
愛知県立芸術大学ではデザインの勉強をしていたそうで、卒業後の進路について「テレビアニメをやっている会社に入りたいと先生に言ったら驚かれました」と話しました。卒業生でアニメ監督になった人はいなかったそうで、「卒業制作も商業アニメーション形式の作品を出したら怒られました」と大学時代の思い出を教えてくれました。
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豪華声優陣に「そろっちゃった！！」とニコリ 「少年としての幼さ」をリクエスト
映画『グッバイ、ドン・グリーズ！』の物語の中心となる3人の少年の声は、ロウマ役が花江夏樹さん、トト役が梶裕貴さん、ドロップ役が村瀬歩さんと豪華な声優陣がそろっています。いしづか監督は「そろっちゃった！！」とニコリとしながら「普段からオーディションをやらせていただいていて、やっぱりこの3人のうまさとキャラの生き方が素晴らしくてこの3人にお願いしました。皆さんお忙しい方なのでスケジュールが合わないんじゃないかと心配していたんですけど、集めてくださったんですよ！」と少し興奮した様子で話してくれました。声優陣へのリクエストとして「少年としての幼さ、特に前半は“ただの中学生”で行きたいですとお願いしました。田舎で育っている14、15歳の男の子って、どのくらいの大人感なのかと考えて、幼めに演じてもらっています」と教えてくれました。また、ロウマのお父さん役の田村淳さんについて「ご本人もアニメのお芝居に興味を持たれていて、方言も頑張ってくれました」ととても上手だったと話し、ハキハキサバサバしているお母さん役の指原莉乃さんとの掛け合いが面白そうだとオファーしたことを振り返りました。
ドロップが着ている恐竜パーカーについて「アイスランドは常に雨具が必要で、何かを被っているイメージをお伝えしたら、吉松（孝博）さんが出してくれました。ドロップは病気のせいで華奢で体が小さな子で、オーバーサイズのものを着ているイメージで、大きな生き物の服を着ているのがあの子らしいなと思って採用させていただきました」と教えてくれました。
いしづか監督は映画『グッバイ、ドン・グリーズ！』について「説明として描かれていない部分があり、不親切かなとも思いました」と断りながら、何度も観ていくうちに気が付くことがあり、それが伝わったときに喜びを感じると話しました。イベントの最後には「いろんな掘り下げ方をしてみていただければ嬉しいです」と観客に想いを伝えていました。
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アイスランドで上映会の提案に「それ！！やりたいんですよね～！行きたい！」
映画『グッバイ、ドン・グリーズ！』でアイスランドを描いた理由を聞かれると「『よりもい』で南極、一度、地球の端っこを踏んでいるので、次も、どこか遠くを目指すような話を見たいんじゃないかと大きな世界地図を開いたんです」と話し「アイスランドは日本人が見ている地図の東西での世界の端っこだと思って、大自然が豊かな国で、そこに荒野しかない、猛々しくて怖い、自然の畏怖すら感じさせる怖さが今回のテーマにぴったりだなと思ってプロットに組み込みました」と教えてくれました。
また「ヨーロッパで売られている地図は日本が端っこで、大西洋が真ん中になっていてアメリカとアイスランドって近いんですよね」と話し、アイスランドにロケハンに行く際にはニューヨークを回って地球一周してくる計画をしていたそうですが、コロナ禍で行けなくなってしまったそうで「頭の中でバーチャルロケハンをいっぱいしました」と残念そうな表情をのぞかせました。
ミッドランドスクエアの4階にあるフランス料理店「ビストロ イナシュヴェ」で、3月20日(日)まで映画「グッバイ、ドン・グリーズ！」タイアップメニューでアイスランド料理が食べられることが話題になると「お店で食べられるんですよね！時間があったら行きたくて」といしづか監督も気になっている様子でした。
この日、都合で来場することができなくなったアイスランドマーケット代表で在日アイスランド商工会議所の理事である上野浩孝さんからのメッセージを松岡さんが代読すると、いしづか監督は「アイスランドを知る人のお墨付き！ありがたいです！」とコメント。さらに、アイスランド共和国のステファン・ヨハネソン駐日大使さんからのメッセージ映像が上映され、いしづか監督への感謝の気持ちが伝えられました。
上野さんの「人生が変わるくらいパワーを持った大地と夜空を覆うオーロラ、人々の温かさがあります」という言葉からアイスランドに行ってみたい気持ちも高まりました。名古屋市名東区本郷にある「アイスランドマーケット」は日本で唯一アイスランド大使館の推奨があるアイスランドをテーマとしたカフェ＆ショップです。北欧インテリア、アイスランドの雑貨、料理、北欧紅茶、コーヒー、デザートなどが楽しめるそうなので、映画『グッバイ、ドン・グリーズ！』を観て、ぜひ行ってみてくださいね！
会場内のアイスランド熱が高まる中で、松岡さんから「アイスランドでの上映ができたら」という提案に「それ！！やりたいんですよね～！行きたい！」と興奮して答える一幕もありました。
作品概要
2月18日（金）ミッドランドスクエアシネマほかにて公開
スタッフ
監督・脚本：いしづかあつこ
キャラクターデザイン：吉松孝博
美術監督：岡本綾乃
美術ボード制作協力：山根左帆
美術設定：綱頭瑛子、平澤晃弘
色彩設計：大野春恵
撮影監督：川下裕樹
3D監督：廣住茂徳、今垣佳奈
編集：木村佳史子
音楽：藤澤慶昌
音響監督：明田川仁
音響効果：上野励
アニメーション制作：MADHOUSE
配給：KADOKAWA
製作：グッバイ、ドン・グリーズ！製作委員会
主題歌： [Alexandros] ／「Rock The World」（ユニバーサルJ / RX-RECORDS）
キャスト
ロウマ（鴨川朗真）：花江夏樹
トト（御手洗北斗）：梶裕貴
ドロップ（佐久間雫）：村瀬歩
チボリ（浦安千穂里）：花澤香菜
ロウマの父：田村淳（ロンドンブーツ1号2号）
ロウマの母：指原莉乃
(c)Goodbye,DonGlees Partners
