永瀬正敏さん、オダギリジョーさん、金子ノブアキさん 熱田を舞台にした映画『名も無い日』生配信舞台挨拶
6月11日より全国で公開となった映画『名も無い日』は名古屋市熱田区をメインの舞台に、今作の監督をつとめ、名古屋市熱田区出身でニューヨークでカメラマンとしても活躍している日比遊一さんが体験した実話を元に描かれています。東海3県(愛知・岐阜・三重)では5月28日より先行で公開されていますが、全国公開初日の19時過ぎより、三兄弟を演じた永瀬正敏さん、オダギリジョーさん、金子ノブアキさんが日比監督と共に全国27劇場に生配信される約30分の舞台挨拶に登壇しました。名古屋市内ではミッドランドスクエアシネマ、イオンシネマ大高、イオンシネマ・ワンダー、イオンシネマ名古屋茶屋、近郊ではイオンシネマ長久手、イオンシネマ豊田、イオンシネマ各務原、イオンシネマ鈴鹿に生配信されました。
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永瀬正敏さん、オダギリジョーさん、金子ノブアキさんに「夢のような三兄弟。感謝の一言しかありません」と日比遊一監督
映画『名も無い日』は名古屋市熱田区で生まれ育った三兄弟にまつわる物語で、永瀬正敏さんが長男役、オダギリジョーさんが次男役、金子ノブアキさんが三男役で出演しています。名古屋市熱田区出身の日比遊一監督は3兄弟の長男で、本作は自身が経験した実話を元に描かれています。次男の訃報を受けて地元へ戻ってきた長男が弟の身に何が起きたのか、過去の記憶を探るように家族や周囲の人びとの思いを手繰っていく物語です。
撮影から約3年の歳月を経て、ついに全国公開を迎えた気持ちを、永瀬さんは「あっという間であり、無事に公開できた気持ちもあり、心の中がグルグルしていますね」とコメントしました。一昨年前の初号試写を見たオダギリさんは「そこで見て以来なので、ほぼ内容を忘れている」と笑いを誘い、「だからこそ、もう1度映画館で見たいですね。映画館は大変な状況が続いていますが、映画館でしか得られない経験はあると思うし、ぜひスクリーンで見てほしいですね」とアピールしました。また、金子さんは「現場の記憶が鮮明に残っているので、時間が経った気がしない」と心境を明かし、「こうやって、やっと見ていただけるのがシンプルにうれしいです。安心もしていますし、何かが心に残って、前に進むきっかけになればという願いもあります」と話しました。
実の弟の死を題材にした本作について、日比監督は「弟が死んで9年が経ち、構想・原案から6年、撮影から3年が経ちました。もうダメだなと思うときも、ひと言で言い表せない大きな支援をいただき、這いつくばって完成させることができた」としみじみ。「今日は有志の皆さんの思いも背負って、ここに立たせてもらっている。映画はお客さんに見ていただき、初めて完成するので、今日『名も無い日』という作品が独り立ちできて、誇りに思いますし、感動もしております」と感無量の面持ちでした。
永瀬さんが演じる長男は、日比監督がモデルになっており「現場で疑問点があれば、すぐそこに監督がいらっしゃる心強さがあった。この物語を映画化するのは、監督自身、かなりの覚悟があったはず」と回想。撮影は日比監督の実家などで行われ、オダギリさんは「実際に生活されていた空間ですので、軽い気持ちでは入り込めないし、ご実家での撮影だからこそ、いろいろな力を与えてくれた。監督が強い覚悟で臨んだ作品なので、『すべて背負いたい』『自分ができることを全身全霊でやらなければ』という強い気持ちで臨んだ」と振り返りました。また、金子さんは「映画の撮影というより、言葉が見つからず、記憶の中にいた感覚。現場にいる監督の姿を思うだけで、こみ上げてくるものがある。この作品以前/以降で意識も変わったし、貴重な経験でした」と強い思い入れを示しました。
三兄弟を演じた感想について永瀬さんは「オダギリさんの背中越しのお芝居は、こっちにもビンビン伝わってきたし、金子くんは金子くんで、涙を流すシーンなんかは、何か心震えるものがあった。二人とも現場に“心”を持ってきてくれる役者さん」と話し、オダギリさんは「がっつりお芝居するのは、お二人とも初めてですが、いい感じの兄弟だなと。自分のことながら、このキャスティングがしっくり来ると実感していた。芝居を交わせるうれしさがあり、最高の答えを出したいという気持ちもあった」と答えました。金子さんは「上に兄弟がいないので、現場では僕にもお兄ちゃんができたって思えて『甘えちゃえ』と身を任せることができた。身を裂かれるような悲しいシーンもあるが、でも基本的には優しい時間が流れる、穏やかな現場でした」と感想を話しました。日比監督は「夢のような三兄弟。感謝の一言しかありません」と話していた。
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舞台挨拶の締めくくりに、永瀬さんは「いろんな人のいろんな気持ちが詰まった作品。最後には光があると思っていますし、天国の弟さんにおめでとうございますと伝えたい」と挨拶。オダギリさんは「いろんなものを受け取り、感じることできる作品なので、いろんな方にも見てほしい」と改めてアピールし、金子さんは「すばらしい作品に参加させていただき、光栄でしたし、忘れることはないと思います。監督の覚悟でありますし、ものすごい力を持った作品なので、ぜひ広まってくれれば」と期待を寄せていました。
日比監督は「私の身に起こった悲しい、暗い物語を映画にしようとは思わなかった。大切な誰かを失った悲しみは乗り越えるものではなく、そっと心に生き続け、しっかり向き合うもの。そうすることで、次の一歩を踏み出せる…そういう映画だと思います。セリフが少ない、凝縮された俳句のような映画なので、大切な人と一緒に、(映画の)余白に人生を重ね合わせてもらえれば」と全国の映画ファンにメッセージを送っていました。
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作品概要
6月11日(金)よりシネマート新宿他全国公開!
5月28日(金)より東海3県(愛知・岐阜・三重)先行で公開
<STORY>
名古屋市熱田区に生まれ育った自由奔放な長男の達也(永瀬正敏)は、ニューヨークで暮らして25年。自身の夢を追い、写真家として多忙な毎日を過ごしていた。ある日突然、次男・章人(オダギリジョー)の訃報に名古屋へ戻る。自ら破滅へ向かってゆく生活を選んだ弟に、いったい何が起きたのか。圧倒的な現実にシャッターを切ることができない達也。三男(金子ノブアキ)も現実を受け止められずにいた。「何がアッくんをあんな風にしたんだろう?どう考えてもわからん。」「本人もわからんかったかもしれん。ずっとそばに、おったるべきだった。」達也はカメラを手に過去の記憶を探るように名古屋を巡り、家族や周りの人々の想いを手繰りはじめる。
出演:永瀬正敏、オダギリジョー、金子ノブアキ、今井美樹、真木よう子、井上順、藤真利子、大久保佳代子、中野英雄、岡崎紗絵、木内みどり、草村礼子
監督:日比遊一
音楽:岩代太郎
主題歌:エミ・マイヤー「A Day with No Name」
配給:イオンエンターテインメント、Zzyzx Studio
©️ 2021 『名も無い日』製作委員会