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2021-03-30

『続・ゾッキ』を期待! 竹中直人監督、山田孝之監督、齊藤工監督、豊橋出身・松井玲奈さんも登壇 映画『ゾッキ』愛知県横断舞台挨拶


 

3月26日より愛知県先行で公開となった映画『ゾッキ』は、ミニシアターの公開ながら4万人動員の異例の大ヒットを産んだ『音楽』の作者であり、その独特な表現力が唯一無二の作家と称される天才漫画家・大橋裕之さんの初期作集「ゾッキA」「ゾッキB」を原作に実写映画化した作品です。日本を代表する俳優であり、クリエイターとしても活躍する竹中直人さん、山田孝之さん、齊藤工さんの三人が映画監督として共同制作され、3月20日より原作者・大橋さんの生まれ故郷であり、映画の撮影地となった愛知県蒲郡市で先行公開されました。続いて、愛知県でも3月26日より先行公開(※一部劇場を除く)となり、3月27日から28日にかけては豊橋、豊川、岡崎、豊田、名古屋、日進、常滑、刈谷の10劇場を巡る愛知県横断舞台挨拶付き上映会が開催され、竹中さん、山田さん、齋藤さんの3監督とキャストの松井玲奈さんが登壇しました。(松井さんは27日のみ登壇)

4月2日の全国公開を前に愛知だけの特別な時間となった10劇場の舞台挨拶から、ミッドランドスクエアシネマ(名古屋市内)での上映前舞台挨拶の様子をレポートします。(取材日:2021年3月27日)

愛知県縦断舞台挨拶で利き市長?オール蒲郡ロケ映画『ゾッキ』

映画『ゾッキ』は、映画監督として8作目となるベテランの竹中さん、3作目の齊藤さん、映画作品初監督となる山田さんが、それぞれが原作から好きなエピソードを選び監督を務めて1本の映画にまとめ上げた作品です。ほぼ全ての撮影が蒲郡市で行われています。愛知先行公開2日目となった3月27日、ミッドランドスクエアシネマで行われた上映前舞台挨拶に3監督とキャストの松井さんが登壇しました。感染対策のために1席空きで販売されたチケットは完売しており、マスクを着用したたくさんのお客さんの大きな拍手に包まれて登場した4人は笑顔をのぞかせていました。

この日、豊橋→豊川→岡崎→豊田の劇場で登壇した4人。それぞれの場所で、ご当地キャラクターや市長が駆けつけた会場もあったそうで、齊藤監督は「いろいろな市長の個性が…。ゾッキを観てくれている市長。まだ観てくださってない市長・・・。こんなに立て続けに市長に出会う機会もないので、(利き酒ならぬ)利き市長みたいな感じでした(笑)。貴重な市長体験をさせて頂きました」と感想を語り会場の笑いを誘いました。

名古屋といえば「神戸浩」豊橋出身の松井玲奈さんが三河弁で!

「名古屋といえば?」という司会者からの質問に竹中監督が「名古屋といえば神戸浩です。長いお付き合いなんです」と話すと、客席に座っていた神戸さんが手を挙げてアピールしていました。名古屋在住の俳優である神戸さんは1993年公開の『学校』以降、山田洋次監督の作品に起用が続いているほか様々な映画やドラマに出演していて、出演映画は50作品近くあり、多くの映画人から愛されている存在です。映画『blank13』にも出演していて齊藤監督も「僕も名古屋といえば神戸浩さんです」と笑顔で答えていました。

名古屋在住の俳優・神戸浩さんにインタビュー 映画『大コメ騒動』本木克英監督と共に

また、豊橋市出身でふるさと大使でもある松井さんは「今日はたくさんの人に生で会えたことがどうれしいです!今日『ゾッキ』をご覧になって、この映画好きだなぁと思ったら友達に“面白かったから観てみりんよ”って言ってもらいたいです」と三河弁で話し会場を盛り上げました。

また「この顔をまず覚えてから(映画を)観てください」と客席へアピール。実は今作で松井さんが演じたのは“幽霊のような女”で、スキンヘッドに白塗りという超個性的なキャラクター。この役を松井さんにオファーした理由について竹中監督は「僕にとって映像に撮りたい大橋裕之の一コマがあった。その時に、松井玲奈さんの声の音色とか体の線が浮かんだんです」と話すと、松井さんは「“スキンヘッドの白い女”をやらないか?と聞いて“これぇ?”ってなったんですけど、こんな面白い役たぶん人生で2度とないと思ったので“絶対やりたいです!”と言ってやらせていただきました」と笑顔で話しました。

「龍平できたか!」 竹中監督、齊藤監督も舌を巻く山田監督のキャスティング

映画『ゾッキ』は、2018年に竹中監督が当時、舞台で一緒だった俳優の前野朋哉さんの楽屋にあった漫画「ゾッキ」に出会い惚れ込んだことから実写映画化に至った作品で、竹中監督が自らオファーし齊藤監督、山田監督との共同製作が叶ったそうです。3監督が担当したそれぞれのエピソードに登場する様々なキャスト陣も今作の見どころのひとつです。

3監督に自分が担当した以外のエピソードで“このキャスティングいい!”と思った方は?という質問が飛ぶと、竹中監督は「斎藤組でいうと伴くん。マンガから浮き出てきたようなキャラクターをよく見つけた」と伴役を演じたお笑いコンビ“コウテイ”の九条ジョーさんを挙げました。続けて「山田組の主人公である龍平。龍平できたか!と思いました。孝之の演出で龍平がスッと現れたとき圧倒されましたね!」と嬉しそうに藤村役の松田龍平さんについて話す姿も印象的でした。

同じ質問に齊藤監督も松田さんを挙げ、「佇まいや、コンビニで頷くシーン。その頷きの圧倒的な説得力。ものすごく影響を受けた」と話しました。また「竹中組では、竹原ピストルさんと倖田來未さんのペア。これは誰が実現できようか。自分にはキャスティングできなかったと思います」とキャスト陣の豪華さにもふれました。一方、山田監督は「(3人の)感覚もそれぞれ、人付き合いもそれぞれ」と話し、日々、リストにキャストが増えていくのを楽しみに見ていたことを教えてくれました。

『続・ゾッキ』『続続・ゾッキ』も期待!

今回の舞台挨拶ではSNSで事前に質問が募集されており「絶対ブレない軸はありましたか?」という質問に竹中監督は「それはもう信頼ということですね」と即答。「孝之を信頼してるし、工を信頼してる。その信頼関係がうまく繋がったからブレなかったんじゃないかな」と真剣な眼差しで話しました。

山田監督は「原作を読んで、これはやりたい!と思った。作るのは“ゾッキ”であるということを忘れずにいました」と、大橋さんが描いた原作の世界観を大事に撮影に挑んでいたことを明かしました。齊藤監督は「決して1人で孤独に向き合っていた作業ではなかった。山田プロデューサーもずっと現場をリカバリーしてくれていた。繋がっている感覚はずっとありました」と製作中の気持ちを振り返りながら質問に答えていました。

舞台挨拶終盤には、山田監督から「『ゾッキ』がヒットしたら、『ゾッキ2』なのか『続・ゾッキ』なのかわかりませんが、やりたいと思っている」と話がでると、すかさず「響き的に『続・ゾッキ』がいいなぁ」と齋藤監督。これには「ですよね!オレも言ってみてそう思いました!」と山田監督も追随し、更には「『続続・ゾッキ』までという気持ちもありますけど」と齋藤監督からも嬉しい呟きを聞くことが出来ました。最後に、齋藤監督は「原作を読んで自分事だと思う瞬間があった。性別、年齢、国籍などを超えて、半径数メートルのところで起こる、みなさんの周りにある身近な何かを描けていると思う」と話し舞台挨拶を締めくくりました。

「ゾッキ」という言葉は、古本市場の業界用語で“寄せ集め”の意味。3監督による撮影手法もキャストもまさに“寄せ集め”となった映画『ゾッキ』。原作への愛に溢れ、すでに続編を期待したくなる作品です。ぜひ映画館でお楽しみください。

【作品情報】

映画『ゾッキ』

3月20日(土)より蒲郡市先行公開

3月26日(金)より愛知県先行公開(※一部劇場を除く)

4月2日(金)より全国公開

監督:竹中直人、山田孝之、齊藤 工

原作:大橋裕之「ゾッキA」「ゾッキB」(カンゼン刊)

脚本:倉持裕

音楽監督:Chara

主題歌:「私を離さないで」Chara feat. HIMI

キャスト:吉岡里帆、鈴木福、満島真之介、柳ゆり菜、南沙良、安藤政信、ピエール瀧、森優作、九条ジョー(コウテイ)、木竜麻生、倖田來未、竹原ピストル、潤浩、松井玲奈、渡辺佑太朗、石坂浩二(特別出演)、松田龍平、國村隼

配給:イオンエンターテイメント

©️ 2020「ゾッキ」製作委員会

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