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2019-02-03

「玄関に伊勢の備長炭を飾っています」映画『半世界』名古屋舞台挨拶に稲垣吾郎さんと阪本順治監督が登壇


 

2月15日に公開となる映画『半世界』は稲垣吾郎さんが主演し、映画『顔』『エルネスト もう一人のゲバラ』などで知られる阪本順治監督の完全オリジナル脚本による作品です。三重県南伊勢町を中心にオールロケで撮影され、稲垣さんは山中で黙々と仕事をする炭焼き職人を演じています。40歳を目前に旧友と再会した主人公を中心に人生の折り返し地点を迎えた男達の生き方、思春期の息子や家族との関わりのなかで葛藤したり、絆を考える姿が描かれています。

舞台挨拶付きの先行上映会が名古屋市内で行われ、稲垣さんと阪本監督が上映前のスクリーン前に登場しました。名古屋の思い出、役作りや撮影中のエピソードなど、お客さんとの交流もありながらの舞台挨拶の様子をレポートします。(取材日:2019年2月1日)

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同日に名古屋で行ったインタビューの様子はこちらで

三重県・伊勢志摩が舞台の映画『半世界』阪本順治監督&主演の稲垣吾郎さんに名古屋でインタビュー

2013年『おしん』以来の名古屋での舞台挨拶に「なんで僕以上に知ってるんだろう」

映画『半世界』の先行上映会が名古屋市港区のTOHOシネマズ名古屋ベイシティで行われ、主演の稲垣吾郎さんと阪本順治監督が上映前の舞台挨拶に登壇しました。大きな拍手と歓声で迎えられた稲垣さんは「皆様、こんばんは!稲垣吾郎です。寒い中、来てくださってありがとうございます」と控室から劇場まで外の階段を上ってきてたことを明かしながら挨拶しました。阪本監督は「無理にこっち見なくても大丈夫です」と稲垣さんを見つめるお客さんの気持ちに寄り添い「こうすれば大丈夫か」と稲垣さんの後ろに移動するなどしてお客さんを笑わせました。

稲垣さんが「名古屋はコンサートではよく来ていたけど、映画のイベントで来るのは初めてかも」と言うと、客席から「おしん!!」と声が上がりました。稲垣さんは2013年公開の映画『おしん』で主人公の父親役を演じた際に名古屋で舞台挨拶に登壇していて「『おしん』の時に来た映画館に来られるとは、、」とさも思い出したかのように話し始めると、またも客席からツッコミが入り、「ここ(の映画館)ではないんですね。なんで僕以上に知ってるんだろう」とファンの方とのコミュニケーションも楽しんでいました。

前日の大阪での舞台挨拶の後で名古屋に移動して1泊したそうで、稲垣さんは「味噌串カツとか、しっかりとした味で美味しかったですよ」と監督やスタッフと名古屋で食事をしたことを教えてくれました。また「お昼には“ひつまぶし”をいただきました」などと話していました。トーク中に稲垣さんが何度か咳き込む場面があり「TOHOシネマズさんが用意してくださったポップコーンが喉に詰まって、監督とパリパリ食べていて、僕は白いほうが好きなんですけど、キャラメルも美味しいんですよね」とスタッフに水をリクエストする一幕もありました。

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劇中の備長炭は商品化 稲垣さんの自宅玄関にも

映画『半世界』の主人公は稲垣さんをイメージして脚本を書いたという阪本監督は「(稲垣さんに)人を寄せ付けない感じ、住んでいる世界が違うという印象がありました」と話し「彼が今まで触れたことのない世界や仕事(の役)を(やってほしい)と思いました」と炭焼き職人という職業の役を演じてもらうことになったと明かしました。

稲垣さんは「ビックリしました。プロット(シナリオになる前のもの)を読んだときに主人公のいる土地に久々に帰ってきた幼なじみの役かなと思っていたので、意外でした」と話し「モデルになった(炭焼き職人の)方のファッションをみんなで研究して、髭やニット帽、普段は着ないようなコーデュロイのパンツやワークシャツを着るとその人物になれるんです」と撮影の後半には炭焼き小屋で灰の匂いが心地よくなる感じだったと振り返っていました。

稲垣さんは「(炭焼き小屋は)セットでは絶対に作れない場所なので、実際にその場所をお借りしたんです」と話し「出来上がった真っ赤に燃える備長炭を掻き出す作業は本当にキレイで、見応えがあると思います」と映画の見どころの一つを伝えました。撮影の際に作った備長炭は実際に商品化されているそうで、阪本監督は「映画用に炭を焼いているわけではなく、窯を開けるタイミングで品質が変わるのであくまで炭のご気分で」と炭の出来具合にあわせて撮影が行われたことを明かし、稲垣さんも「出来上がったの夜中の3時くらいなんです。子供の出産と同じでいつになるかわからないんです。炭に振り回されました(笑)」と話していました。

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稲垣さんは「(自宅の)玄関に、その時にできた伊勢の備長炭を2、3本飾ってあります。脱臭効果もあるんで」と言い「うちの玄関は全く臭くないんですけど、いい匂いもとられちゃうのかな?」と脱臭目的で置いているわけではないとお客さんを笑わせました。

すごいピッタリ『吾郎さんのドキュメンタリー』のよう

39歳という人生の折り返し地点を迎えた人物を演じたことについて稲垣さんは「僕は10代の頃から同じ仕事をしてきたので、もうすぐ40歳で折り返し地点などと考える間もなく、めくるめく日々で忙しかった」と言い「環境が変わってここ2年くらい、42、3歳になってからのほうが、新たな半世界が始まった感じがしています」と気持ちを述べました。また稲垣さんは「そんな時の自分の心境でこの役柄だったんで、すごいピッタリでしたし『吾郎さんのドキュメンタリー』のようです」と職業や人物設定ではなく、心境の面で演じたキャラクターとの距離の近さがあったことを語りました。

稲垣さんは「逆算して人生を考えたくないし、僕はあまり先のことを考えないほうで、考えるとなんとなく不安になるし」と40歳をむかえる気持ちについて話しながら「皆さんは随分前のことだと思うんですけど(笑)」とお客さんをいじる発言をし「冗談です。なんか言いたくなっちゃって、まだまだこれからですよね」とお客さんとのコミュニケーションも楽しんでいました。

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幼なじみとの絆や男の友情「僕も羨ましなと思いました」

映画『半世界』では主人公と2人の幼なじみ、3人の男の友情が描かれています。稲垣さんは「僕も羨ましなと思いました。そういう幼なじみがいないので、故郷を捨てた男なので(笑)」と話しました。阪本監督は「中学時代が一番、面白かったんですよ」と自身のエピソードが盛り込まれていることも明かし、稲垣さんは「(『半世界』には)監督自身がすごく投影されている、特に主人公には。監督のオリジナル作品で作家性が強いものなので、(僕は)監督をみて役作りをしていて、3人の男のそれぞれのエッセンスが監督の中にあるんです」と阪本監督のオリジナル作品だからこその魅力を語りました。

阪本監督の「Instagramって何グラム?」に大きな拍手

舞台挨拶も終盤になり、ある出演者の方が客席にいることが明かされ、坂本監督が「剣士朗くんどこですか?」と声をかけると、稲垣さん演じる主人公の息子の仲間役で映画『半世界』に出演していたマレロ江口剣士朗さんが立ちあがりました。名古屋の劇団に所属する剣士朗さんについて阪本監督は「いい味を出しているんで」と紹介し、稲垣さんも「剣士朗くんっていうんだね。(現場では)地元の悪い中学生にしか見えなくて」と撮影当時の印象を述べていました。

またこの日はお客さんによる写真撮影OKタイムが設けられ、多くのお客さんが携帯電話でスクリーン前の稲垣さんと阪本監督を撮影していました。阪本監督が「ツイートしてください。僕はアナログ人間で、Instagramって何グラム?という感じなのですが、よろしくお願いします」と発言すると会場から笑いが起き、稲垣さんが「面白いですね、Instagramって何グラム?」と重ねると客席から大きな拍手が起こりました。

最後の挨拶を求められた稲垣さんは「再スタートして第1作目の主演映画なので、僕にとって忘れられない作品になりました。半世界から全世界まで広げていけるように、(撮った写真は)自分用ではなく拡散するようの写真なので、母性の強い皆さんと一緒にこの映画を育てていければいいなと思います」と来場したお客さんへのお願いとともに締めくくりました。



作品概要

『半世界』

2月15日(金)よりTOHOシネマズ名古屋ベイシティ、ミッドランドスクエアシネマほか全国ロードシ

【あらすじ】

山中の炭焼き窯で備長炭の職人として生計を立てている紘(稲垣吾郎)の前に、かつての同級生であり元自衛官の瑛介(長谷川博己)は現れ、深い考えもなく単に父親の仕事を継ぎ、ただ毎日をやり過ごしていた紘の姿に驚く。そして、もう一人の同級生、光彦(渋川清彦)には、息子への無関心を指摘され後悔の念にさいなまれる。仕事の忙しさを言い訳に、息子の事も家庭の事も妻・初乃(池脇千鶴)に任せきりで仕事のみならず、家族にすら無関心だった自分に気づかされる。
やがて、瑛介が抱える過去を知った紘は、仕事、そして家族と真剣に向き合う決意をする・・・。仕事にも家族にも無関心だった男が、同級生との再会をきっかけに、人生と向き合っていく姿を丁寧に描く。

脚本・監督:阪本順治

出演:稲垣吾郎 長谷川博己 池脇千鶴 渋川清彦 小野武彦 石橋蓮司 他

配給:キノフィルムズ

©2018「半世界」FILM PARTNERS

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