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2023-06-30

岡田将生さんと清原果耶さんによる京都が舞台の映画『1秒先の彼』山下敦弘監督に名古屋でインタビュー


 

7月7日(金)に公開となる映画『1秒先の彼』は台湾映画『1秒先の彼女』(2021年日本公開)をリメイクしたラブストーリーで、山下敦弘さんが監督、宮藤官九郎さんが脚本をつとめています。岡田将生さんと清原果耶さんが演じる、何事にも“1秒早い男性”と“1秒遅い女性”のある大切な1日を描いていて、基本的なストーリーはオリジナルのままですが、日本でのリメイクにあたり、男女のキャラクターを反転させ、京都が舞台となっているなど、オリジナル版を観ている人にとって、大変興味深い作品となっています。

公開を前に山下監督が名古屋でインタビューに応じました。映画『天然コケッコー』以来、16年ぶりの再会となった岡田さんの印象や男女反転のキャラクターについて、京都で撮影をした際の様々なエピソードなどを語ってくれました。(取材日:2023年6月20日)

岡田将生さんのヒロイン感と清原果耶さんの凛々しい王子様感

映画『1秒先の彼』は岡田将生さん演じる“何をするにも人より1秒早いハジメ”と清原果耶さん演じる何事にも“何をするにも人より1秒遅いレイカ”による“消えた1日”を巡る物語。2021年に日本で公開した台湾映画『1秒先の彼女』の日本版リメイクで、山下敦弘さんが監督、宮藤官九郎さんが脚本をつとめています。オリジナル版との大きな違いとして、男女のキャラクターを反転させていることが話題となっています。

山下監督はオリジナル版の日本公開よりも前に日本版のリメイクの企画がある事を聞いた上で鑑賞したと言い「4~5回観ていく中で、(オリジナル版の)2人のキャラクターに惹かれて、リメイクとして魅力を感じました」と話しました。当初は日本の俳優でオリジナル版の2人の印象にあう組み合わせのキャストがなかなか思いつかなかったそうですが「プロデューサーから男女反転というアイディアが出て、岡田くんならイメージが合うかもという話になりました」と男女反転させることになり、郵便局に勤めるハジメとカメラを持って郵便局を訪れるレイカというキャラクターが誕生したことを教えてくれました。「脚本の宮藤さんは岡田さんをイメージして始めから脚本を書き直して。レイカについてはいくつかハードルの高い設定もあって、後半でかなり悩んだ部分もありました」と話しました。清原さん演じるレイカは、台湾のオリジナル版では“何をするにも人より1秒遅い男性”でバスの運転手だったのですが、物語のカギとなる2人で海へ向かうシーンは一体どうなっているのか。オリジナル版への深い愛情と敬意を感じ、日本版ならではの様々なアイディアに驚かされ、日本ならではのエッセンスが加えられた最高のリメイク作品となっています。オリジナル版の劇伴が使われているシーンもあるそうなので、オリジナル版と日本リメイク版を比べて観てみるのも面白いかもしれません。

せっかちで少々いけずだが憎めない性格のハジメについて山下監督は「宮藤さんが岡田くんのヒロイン感を見抜いていたんだと思います」と話し「僕と宮藤さんの想像を超えていたのは、清原さんがあんなにも凛々しい王子様感があったことです」と振り返りました。岡田さんの映画デビュー作『天然コケッコー』以来のタッグとなったことについて「(岡田さんは)根っこの根っこはあまり変わっていなくて、キャリアを積んでいろんな経験をしてきていたので、お芝居の話とかをしてもあの頃とは全然違っていましたよ」と16年ぶりの再会について語ってくれました。

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「コロナ禍だったから撮影できた」平安神宮前の閉鎖ロケ 生活の場としての京都の魅力

映画『1秒先の彼』の舞台に選ばれたのは京都です。京都市内の郵便局に勤めるハジメと京都市内の大学に通うレイカ、ハジメの家は風情のある町家で、物語の重要な出来事が描かれる場所は平安神宮の前となっていますが、いわゆる観光地としての京都ではなく、生活の場としての京都が描かれているのが魅力となっています。山下監督は「京都は少しファンタジーな、不思議なことが起きても受け入れてくれそうで、温かくて、柔らかい雰囲気の作品になるかなと思いました」と京都を舞台にするというアイディアは初期に出ていたことを明かし、2021年春頃に宮藤さんやプロデューサーと一緒に行った京都でのシナリオハンティングについて「天橋立にも行ったんですが、コロナ禍で人が誰もいなくて、時間が止まっているような感じでした」と話しました。

平安神宮前を封鎖して行った撮影について「予算的にも今だったら厳しかったと思います。結果的に、コロナ禍だったからこそ撮影ができました。時間制限もあるし、天候も厳しかった部分もあって1日で撮りきりました」と振り返りました。レイカの通う大学は北区の立命館大学で撮影を行い「とても暑くて、エキストラの人たちが熱中症にならないか心配しながら撮影しました。京都の夏を舐めていました」と苦労もあったことを語りました。ハジメが町家暮らしになった理由について「京都国際学生映画祭に参加したときに町家でザコ寝して過ごしていたので、僕の京都の思い出が町家のイメージだったんです」と話し、ロケ地として山中油店の管理している町家ゲストハウスやリフォーム済の町家を借りたことを明かし「本当はもっとキレイなのですが、生活感を出しました」と教えてくれました。

山下監督は「これだけ腰を据えて、京都にガッツリ合宿して撮ったのは初めてです」と約2ヶ月間、二条のビジネスホテルを拠点としていたことを話し「中古の自転車を買って、撮影の休みに自転車でふらふらしていました。河原町や祇園ではなく、生活するとさらに面白さがわかる街だなと思いました」と京都の魅力を感じたようで、撮影の途中で偶然知り合った見た目のインパクトが強烈だったという地元の学生にエキストラ参加してもらったことなども教えてくれました。ハジメが勤める郵便局について「日本郵政の協力を得られていなくて、実際の郵便局は借りることができなくて」とロケ地探しに苦労したことを明かしました。山下監督は「京都市内の郵便局のシーンは、入り口が特徴的な倉庫をロケ地として使わせてもらいました。天橋立の郵便局は後ろが海になっているよいロケーションの廃屋を美術部が改装して、なんとか仕立てました」と話しました。

作品概要

映画『1秒先の彼』

7月7日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

キャスト:岡田将生 清原果耶 荒川良々 福室莉音 片山友希 加藤雅也 羽野晶紀 しみけん 笑福亭笑瓶 松本妃代 伊勢志摩 柊木陽太 加藤柚凪 朝井大智 山内圭哉

監督:山下敦弘

脚本:宮藤官九郎

原作:『1秒先の彼女』(チェン・ユーシュン)

製作:『1秒先の彼』製作委員会

制作プロダクション:マッチポイント

製作幹事・配給:ビターズ・エンド

2023年/日本/カラー/DCP/5.1ch/ヨーロピアンビスタ/119分

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©2023『1秒先の彼』製作委員会


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