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2022-04-18

ヘヴィ・メタルと地元・大須を愛するバンドOUTRAGE デビュー35周年記念映画『鋼音色(はがねいろ)の空の彼方へ』監督&キャスト&メンバーにインタビュー


 

5月20日(金)から名古屋で先行公開される映画『鋼音色の空の彼方へ』は、名古屋が世界に誇るバンドOUTRAGEのデビュー35周年記念作品です。劇中劇の形で、OUTRAGEを演じる若手俳優たちが役を通して自分と向き合い、大切な仲間と共に次のステージへと駆け出し始めるという熱い物語が繰り広げられます。主人公である”OUTRAGE”メンバー役の4人をはじめ、名古屋を拠点とする個性派キャストが多数出演する”ALL名古屋MADE IN 名古屋”の名古屋愛が詰まった映画で、OUTRAGEのメンバーもひょんな場面でカメオ出演しています。映画『鋼音色の空の彼方へ』の公開を前に、山田貴教監督、出演者の秋田卓郎さん、 岡陽介さん、OUTRAGEの 阿部洋介さん、 安井義博さん、 丹下眞也さんがインタビューに応じました。OUTRAGEが名古屋を拠点とする理由、大須の魅力、作品製作のいきさつや役づくりについて、ご当地トークも交えて話してくれました。(取材日:2022年4月7日)

日本で初めてステージダイブをしたバンド:OUTRAGE なんで名古屋じゃいかんの?

映画『鋼音色の空の彼方へ』は名古屋・大須を拠点に世界中にヘヴィ・メタルを発信するバンドOUTRAGEのデビュー35周年を記念して企画された映画です。デビュー後に上京するアーティストが多い中、OUTRAGEは拠点を名古屋に定めているものの、作る楽曲が全て英語詞、世界志向という点でユニークな存在です。OUTRAGEのドラム・丹下眞也 さんは「僕たちがデビューした80年代は文化の発信は東京スタートで、それを僕は悔しいと思っていました。名古屋はカッコいい街だし、”なんで名古屋じゃいかんの?”と考えていました」と振り返りました。また「上京していたら、逆に今(の状況)はなく、名古屋でバンド活動してきたから、ここまで続いてきたと思います」と述べました。

アマチュア時代の思い出として「(ギターの)阿部がアメリカ留学中にMETALLICAのライブで”ステージダイブ”を見たことを帰国後に話してくれました。映像も入ってこなかったから、僕らはステージダイブを頭の中で再現するしかなかったんですよね。それで当時のヴォーカルがライブ会場だったHeartLandSTUDIOでステージダイブしたんです。お客さんは相当びっくりしたと思います」と丹下さんが振り返りました。阿部洋介さんは「アメリカのライブでは、”ステージダイブ”だけでなく”モッシュ”という観客がフロア内で体をぶつけあうことがあって、人が倒れると屈強な男たちが助け出すんです。そこに愛を感じました」と刺激を受けたライブの模様を語ると、丹下さんは「ダイブもモッシュも当時、映像はもちろん言葉すら入ってこなかったから、やはり僕たちが1番にダイブしたと思います」と改めて胸を張りました。名古屋発の「ステージダイブ」エピソードは作中にも描かれています。お見逃しなくご覧ください!

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大須の魅力。名古屋弁について議論も

大須の今昔について阿部さんが「子どもの頃と比べると、今は全く変わりましたね」と話すと山田監督は「大須、一度シャッター商店街になったもんね」と同意。阿部さんは「バンドを組み始めた当時、ツッパリグループがパンクで、僕ら帰宅部ノリの人はヘヴィ・メタルに走っていました」とバンド活動がにぎやかだった頃の裏話を明かし「今はワンちゃんOKの飲食店が増えました」とチャーミングな笑顔で、地元の今の情報を教えてくれました。丹下さんは「大須にはエレクトリック・レディランド(E.L.L)があったから、メタルの発信場所でした。これは今でもそうですよね」と述べ、名古屋の音楽を支えるライブハウスに敬意を見せました。そのE.L.Lの支配人、平野さんは本作では意外な役柄で出演します。山田監督自らオファーし、出演を渋る平野さんの背中を平野さんの奥様がプッシュして出演が叶ったと嬉しそうに山田監督が喋るとメンバーの皆さんも笑顔で大きく頷いていました。

映画製作にあたり山田監督はOUTRAGEのメンバー一人一人に聞き込みをしてエピソードを探っていったそうです。「大須育ちっていうことで、子どもの頃にみんなでワーっと銭湯に行った話が印象的だったので劇中にどうしても入れたかったんです」とこだわりを語り、銭湯シーンの見せ場について含み笑いしをしました。

また、大須が名古屋弁の行き交う土地柄だということで山田監督は撮影中、スタッフ・キャストの間で「これは三河弁じゃないか」などとチェックしていたことも教えてくれました。OUTRAGE・丹下役の秋田さんは「世代によっても名古屋弁が少し違っていて、このシーンは80年代の大須だからしゃべり方をどうするか議論しながら進めた感じです」と話しました。名古屋に住んでいる方も、そうでない方も名古屋弁(大須弁?)の響きが楽しめる作品になっています。

音楽の演奏や自分の境遇と重ねていくアプローチ ライブシーンにメンバーも驚いた

本作は、「OUTRAGEのデビュー35周年の記念に映画を作るように」とバンドのプロデューサー的な存在の伊藤政則さん(音楽評論家)の鶴の一声でスタートしたそうです。丹下さんは「最初に聞いたときポカンとしてしまいました」と率直に述べ「伊藤さんは、普通のバンドがやらないことをやっていきなさいとアドバイスを下さったんだと思います。10年前にドキュメンタリーを作っているので、良いアイデアを求めて山田監督にお願いしました」と映画製作の経緯を話しました。山田監督は「どんな作品にするか悩んでいたところに脚本家の成子貴也さんを紹介されて、いくつかの案を頂きました。その中の一つが劇中劇でした」と話すと、阿部さんが「劇中劇を考えつくなんて天才だなと思いました」と重ね、丹下さんは「この形だとOUTRAGEを知らない人も”知りたい”って思ってくれるんじゃないかなと感じました」と満場一致で決定したことを教えてくれました。

「OUTRAGEのドラマー丹下役を演じる山内」という役柄について秋田卓郎さんは「同時期に二つの作品を進めているイメージで挑みました。物語自体もOUTRAGEを徐々に知っていき成長していきます。ドラムはゼロからのスタートで、ひたすら練習。動画をみて丹下さんの腕の上げ方や頭の角度・体勢を細かく見返しました」と振り返りました。丹下さんは「素晴らしかった!1・2時間スタジオ練習する中でグッと吸収するんですよ。すごいな、役者さんって」と絶賛しました。秋田さんは「学生時代は機械体操部でドラムはほとんど触ったことがない状態でした。でも新しいことに挑戦する、楽しんでやり切ろうと頑張りました」と表情を輝かせました。

「OUTRAGEのヴォーカルNAOKI役を演じる前田」という役柄について岡陽介さんは「僕もめちゃくちゃ映像を見てマネから入りました。寄せていくアプローチです。前田役は僕と心境が近い感じで演じやすかったです」と話しました。安井さんが「二人とも、本物に見えました」と話すと二人は嬉しそうに「ありがとうございます」と同時にペコリとし、息の合った所を見せました。

山田監督はベースの安井さんを演じる俳優を選ぶ際「安井さんは、ご覧の通り(筋骨隆々)ですから、オーディションでは上半身の筋肉の付き具合を見せていただきました」と明かしました。監督の眼鏡に適った安藤悟さんの筋肉にも注目です。また、岡陽介さんは「NAOKIさんはちょっと喋ったときに、けっこうノリがよくてキャラも自分に似ているのかなと感じました」と教えてくれました。阿部さんは「僕は作品と距離を持って、映画で初めて観たいと台本を読まずにいました。それで試写でライブシーンをみて…引きました。監督めっちゃ教え込んだなと!」と興奮気味に話しました。OUTRAGEメンバーが認め、メンバーの楽器で演じられた圧巻のライブシーンは必見です。

秋田さんは「名古屋の人はもちろん、名古屋以外にお住いの方に名古屋の街や、喋り方などを感じていただける映画になったと思います」と自信を見せ、丹下さんは「この映画をみてOUTRAGEを知っていただければ嬉しいです」と語りました。結びに山田監督は「音楽も映画もエンターテイメントです。観る方々が純粋に楽しんで頂き、興味を持った人は音楽の方にも接してくれるとありがたいです」とアピールしました。

4月25日(月)名古屋で舞台挨拶付き先行プレミア上映会

4月25日(月)に映画『鋼音色の空の彼方へ』の舞台挨拶付き先行プレミア上映会の開催が決定しました。本作のモデルとなったバンド[OUTRAGE]丹下眞也さん、阿部洋介さん、そして映画で[OUTRAGE]のメンバーを演じた俳優の秋田卓郎さん、岡陽介さん、山田貴教監督が舞台挨拶に登壇します。

日時:4月25日(月) 18:30の回(18:15開場 /上映前18:30~舞台挨拶)

会場:ミッドランドスクエア シネマ  スクリーン3

     愛知県名古屋市中村区名駅四丁目7番1号 ミッドランドスクエア商業棟5階

登壇:[OUTRAGE]丹下眞也、阿部洋介/ 秋田卓郎、岡陽介、山田貴教監督(予定)

※ゲストは都合により、予告なく変更となる場合がございます

料 金:2,100円均一(税込)

※前売券・各種割引・招待不可 / プレミアシート別途+800円

チケット販売:http://www.midland-sq-cinema.jp/top

【2022年4月開催】名古屋&近郊の映画舞台挨拶&映画イベント&映画祭 開催情報一覧※随時更新

作品概要

映画『鋼音色の空の彼方へ』

2022年5月20日(金)名古屋先行公開 ミッドランドスクエアシネマ、センチュリーシネマほか

出演:秋田卓郎、岡陽介、兼平勝成、安藤悟 近藤久美子、 山中裕史、 末永桜花(SKE48) 、三根孝彦、 酒井直斗 、梨伽 、高井泉帆 、憲俊 、野々田奏、上田定行

<特別出演> 【OUTRAGE】NAOKI 阿部洋介 安井義博 丹下眞也

原案:伊藤政則

プロデューサー:小崎滋之

監督:山田貴教

脚本:成子貴也

THEME SONG [Inspired by the movie] 「Summer rain」「Psycho flower」/ OUTRAGE

製作:「鋼音色の空の彼方へ」製作委員会

配給:スターキャット

 


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