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2021-04-08

たくさんの笑顔と嬉しい涙 幸せ溢れる写真撮影!名古屋“おもいで写眞”プロジェクト実施レポート


 

名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)は名古屋の老舗写真室「天野写真室」と共同で≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫を2ヶ月半に渡って行ってきました。映画『おもいで写眞』の公開をきっかけに、映画さながらに「あなたの素敵な思い出のある場所で写真を撮ります」と呼びかけ、東海エリア在住の65歳以上の希望者を募りました。応募者の中から1名を選ばせていただき、具体的な希望をお聞きして、撮影を行いました。

≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫の企画スタートから、打ち合わせ、撮影当日、完成した写真をお渡しするまでの様子をご紹介します。また、≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫の様子はCBCテレビ「チャント!」と朝日新聞に取材していただき、それぞれのメディアで放送、記事掲載が予定されています。そちらもぜひご覧ください。

名古屋“おもいで写眞”プロジェクトのはじまり

映画『おもいで写眞』(2021年1月29日全国公開)は愛知県名古屋市出身の映画監督、熊澤尚人さんによるオリジナルストーリーで、主人公が東京でメイクアップアーティストの夢に破れながらも、故郷の富山で“遺影写真”の撮影という新たな仕事に出会い成長していく物語です。『愛がなんだ』『空母いぶき』『水曜日が消えた』など、話題作への出演が続く深川麻衣さんが主演で、高良健吾さん、香里奈さん、井浦新さん、古谷一行さん、吉行和子さんらが出演しています。

劇中では、主人公がお年寄りの方々に「遺影写真の撮影」ではなく「素敵な思い出のある場所で写真をとります」と持ちかけて写真を撮影をしていく様子が描かれていて、“おもいで写眞”がきっかけでお年寄り同士の交流が生まれたり、忘れていた思い出と再会することで、笑顔やパワーを取り戻していく姿からはたくさんの希望と感動を与えてもらえます。作品の内容や劇中の“おもいで写眞”の取り組みに感銘を受けた名古屋の老舗写真室「天野写真室」が名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)と共同で、東海エリア在住の65歳以上の希望者1名の方の“おもいで写眞”を実際に撮影する企画が立ち上がりました。「天野写真室」は昭和21年に開業。広小路本町の中村百貨店内に開設、その後にオリエンタル中村から名古屋三越栄店となり(現在は、5F 名古屋三越写真室として)写真館営業を続けています。

≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫募集ページ(募集期間は終了しています)

応募動機は「父の80歳の思い出になれば」遺影にまつわる娘さんの想い

≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫では、1月25日から2月22日までの期間中に応募された方の中から、愛知県名古屋市在住の青井秀實さん(以下:秀實さん)を選ばせていただきました。秀實さんは現在79歳で、応募された娘の青井郁佳さん(以下:郁佳さん)は応募の際に「父の80歳の思い出になれば」とコメントを添えていました。当選のご連絡をしたところ、郁佳さんからは「コロナ禍で生きがいを失い落ち込んでいたので、父に当選を伝えたところ、生き生きとした顔つきに代わりとても喜んでくれました」とお返事をいただき、撮影に向けての準備が始まりました。

3月上旬に名古屋三越写真室で撮影内容に関する打ち合わせを行いました。打ち合わせに参加したのは、撮影を担当する「天野写真室」のカメラマン・天野雅也さんとCine@nagoya(シネアナゴヤ)の水野由美子、秀實さん、郁佳さんの4名です。撮影場所は応募の際に、秀實さんの母校である「私立東邦高校」と希望をいただいていましたが、秀實さんは1960年卒業の11回生であり、通っていたのは千種駅近くの赤萩校舎であったことがわかりました。郁佳さんから「名古屋市内は市電もなくなり、面影もなく、学校も存在しないので、現在の東邦高校の教室で」と承諾をいただき、名古屋市名東区にある私立東邦高校で撮影を行うことになりました。また、撮影の際に東邦高校の恩師であり、現在は飲み仲間でもある久野秀正先生(以下:久野先生)との再会も希望されていて、東邦学園参与で東邦高校元校長である久野先生が東邦高校での撮影許可をとってくださることになりました。

秀實さんの高校時代の思い出をお聞きしたところ、中学時代はバスケットボール部に所属、東邦高校ではブラスバンド部に入部したことを教えてくれました。福岡や北海道など全国大会にも出場して好成績をおさめるほどだったそうで、メロフォンを担当されていたとのお話が飛び出しました。入学式のブラスバンド演奏に感動して入部し、高校から始めたブラスバンドでしたが、先輩の指導を受けて練習に励んでいたことを話してくれました。高校時代の思い出について相談をしていた久野先生からも「青井くんはブラスバンドだろう」とお墨付きをいただいていたそうで、楽器を持って撮影をすることが決まりました。秀實さんは高校卒業後に2年間ほど学校に楽器をセールスする仕事をしていたそうですが、29歳で起業した後は波乱万丈の人生だったそうです。懐かしい写真を見ながら、たくさんの思い出を聞かせていただく中で、15年ほど前に奥様が病気で他界しており、郁佳さんはお母様の遺影写真について心残りがあると、今回の応募動機につながるエピソードもお聞きすることができました。郁佳さんが≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫の話を秀實さんにした際に、最初は「遺影写真の撮影?」と怪訝な様子だったそうですが、「素敵な思い出の場所で写真を撮る」と話したところ、前向きに参加を決めてくださったそうです。

恩師や同級生に囲まれて青春時代のように撮影 たくさんの笑顔に嬉しい涙も

撮影当日は桜が満開で、快晴に恵まれました。撮影場所となった名古屋市名東区の東邦高等学校(以下:東邦高校)は春休み期間中でしたが、たくさんの生徒さんが部活動の練習をしていて、大変にぎやかな様子でした。秀實さんはコロナ禍でなかなかお会いできていなかった久野先生と東邦高校正門前で再会し、秀實さんの2名の同級生もかけつけてくれました。同級生の方が60年以上前の卒業アルバムを持ってきてくれ、当時の写真を見ながら高校時代を思い出し、笑いの絶えない撮影が始まりました。

教室での撮影では久野先生に教壇に立っていただき、秀實さんと同級生の方々には先生と向き合うように座ってもらいました。3人が並んで久野先生のお話を聞く姿はなんとも微笑ましく、皆さんも自然に笑顔をみせてくれました。

秀實さん1人での写真は楽器を持っての撮影です。メロフォンは現在ではあまり使われておらず、手配することが難しかったため、東邦高校の吹奏楽部の先生にお願いし、形状が似ているフレンチホルンをご準備いただきました。メロフォンにはトランペットのようなピストンがあり、持ち方もフレンチホルンとは異なるため、思い出の楽器そのものを持ってもらうことは叶わなかったのですが、ホルンを持つ秀實さんの姿はとてもかっこよく、教室内で場所を変えて何度も撮影を行いました。

また撮影を行った教室の近くでは、現役の吹奏楽部の生徒さんがパート練習を行っており、その様子を秀實さんと撮影の休憩中に廊下から覗くことができました。秀實さんも学生時代はたくさん練習をしていたと懐かしい記憶がよみがえったようで、素敵な場所で撮影ができたと感じました。撮影の合間には、卒業アルバムを眺めて学生時代の自身の写真を探し、昔話に花を咲かせて青春時代に戻ったような表情をたくさんみることができました。

最後は正門近くでの撮影です。秀實さんと久野先生の2ショットと同級生を交えての4ショット、撮影の様子を見守る同級生の娘さんは「父のこんな笑顔を見るのは久しぶりです」と涙をにじませながら話してくれました。撮影に参加された皆さんはカメラマンの天野さんからの細かな立ち位置や体の向きなどのリクエストにも応じてくださり、たくさんの素敵な写真を撮影することができました。撮影では立っている時間も長かったことから皆さんお疲れになっていないか心配になりましたが、最後までご協力いただくことができました。

東邦高校の皆さまには撮影場所の提供だけでなく、撮影用のフレンチホルンの貸出や赤萩校舎の資料も探していただき、メディア取材にも甚大なご協力をいただいきました。撮影の休憩中に、秀實さんや久野先生、同級生の中で話題になっていたのが「赤楚衛二さん」について。赤楚衛二さんは今年放送されたテレビドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(通称『チェリまほ』)の主人公を演じ、初の連続ドラマ単独主演を果たした注目の俳優さんなのですが、実は東邦高校出身のようなんです!同じく卒業生の俳優・山田裕貴さんについても話題になり、Cine@nagoya(シネアナゴヤ)で取材した時の様子をお話ししたところ、後輩の活躍を喜んでいました。

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それぞれに想いの詰まった2枚の写真

撮影から1週間後、秀實さんと郁佳さんに名古屋三越写真室にお越しいただき、完成した写真をお渡ししました。当初予定していたプレゼント内容は、台紙付きの写真1枚とデータ5点だったのですが、秀實さんと郁佳さんのそれぞれの想いに応えるべく、カメラマンの天野さんのご厚意で「秀實さんと久野先生のツーショット」「ホルンを持った秀實さん」の2枚の写真を台紙に貼ってお渡ししました。また同級生の方を交えた撮影でもいい写真がたくさん撮れていたことから、18点の写真データをお渡ししました。

台紙を開いて写真を見た秀實さんはご自身も久野先生も若々しく写っていることをとても喜んでいる様子で、郁佳さんもセレクトされた笑顔の秀實さんの写真に満足そうな表情でした。秀實さんと郁佳さんは、お渡ししたデータもすぐに出力し、その足で出来上がった写真を久野先生に届けにいかれたそうです。久野先生も大変喜んでくださったと連絡をいただきました。

「素敵な思い出のある場所で写真を撮ります」と呼びかけて行った写真撮影でしたが、郁佳さんからは「父の懐かしい時間を紐解き、青春時代を垣間見ることが出来たこと」が嬉しかったとコメントもいただきました。カメラマンの天野さんは「撮影に参加された皆さんにとっては、撮影自体がまた素敵な思い出になるような企画だったのではないかと思いました」とお話しいただき、今後もこのような写真を撮っていきたいと感想をいただきました。

完成した写真のお渡しをもって、≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫は終了となったのですが、この企画を通してたくさんの素敵な笑顔と嬉しい涙に出会うことができました。秀實さんや郁佳さんのように「素敵な思い出のある場所で写真を撮りたい!」という方は、名古屋三越写真室(0120-167-410)にお問い合わせください。また名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)水野由美子が皆さんの思い出を聞きだすインタビュアーとしてお手伝いさせていただければ嬉しいです。

CBC「チャント!」は1ヶ月に及ぶ密着取材

≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫はCBCテレビの平日夕方の情報番組「チャント!」(月~金 午後3:49~午後7:00)と朝日新聞名古屋本社版に取材をしてもらっています。CBC「チャント!」には、打ち合わせ、撮影、写真のお渡しまで、≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫のすべてを取材いただいた上に、秀實さんの普段の様子や久野先生にも取材をしていただきました。当選連絡の際にテレビの取材が入ることをお伝えしたところ、秀實さんも郁佳さんもとても驚いていましたが、「これもいい思い出になる」と快く取材に協力していただき、本当に感謝しています。CBC「チャント!」の放送は4月13日(火)を予定しているそうです。

4月13日(火)のCBC「チャント!」での放送がYouTubeでみられるようになっています。番組内で「タダで撮ります」と紹介されていますが、≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫は今回だけの特別な企画で、天野さんが無償で撮影をしてくださいました。今後も天野さんは「思い出の場所での写真撮影」のリクエストには応えてくれるそうですが、「タダ」ではない点だけ誤解のないようにお願いします。

朝日新聞名古屋本社版には募集告知の記事掲載をしていただき、撮影当日と写真お渡しの取材をしていただきました。掲載日が決まり次第、お知らせします。

朝日新聞デジタルに掲載されました

朝日新聞デジタル 残念だった…母の遺影、父に残したかった「おもいで」(2021年11月16日 掲載)

≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト≫にご参加をいただいた皆様、ご協力をいただいた皆様、本当にありがとうございました。Cine@nagoya(シネアナゴヤ)は〝名古屋でもっと映画を楽しもう!″を合言葉に名古屋を生活圏とする人々に対して名古屋に特化した映画情報を発信する映画情報サイトです。また今後も、このような素敵な笑顔に出会える企画を考えていきたいと思います。

Cine@nagoya(シネアナゴヤ)へのお問合せやご意見はこちらから

企画・レポート:名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ) 水野由美子


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