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2020-05-02

『カメラを止めるな!リモート大作戦!』を観て思い出した2年前の名古屋シネマスコーレでのアツい夜 お家でできるミニシアター支援


 

5月1日よりYouTubeで配信が開始された短編映画『カメラを止めるな!リモート大作戦!』は2018年に一大旋風を巻き起こした映画『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督とキャストが再結集して、完成まで全員が一度も会わずに完全リモートで制作した30分弱の作品です。

YouTubeで無料で観ることができますので、ぜひご覧になってください。

本編の中に「コロナ」というワードは出てきませんが、外出できない、人と会えない、様々な制約を受けて生活している中で、テレビディレクターの主人公・日暮が映画『カメラを止めるな!』と同じようにプロデューサーからムチャぶりをされ、苦労しながら映像を作り上げる物語です。映画『カメラを止めるな!』のキャストがそのままの役で出演していて、できないことが多い中で工夫しながら作品を完成させていく様子はコミカルかつ感動的です。ある登場人物の部屋の壁に「SaveTheCinema」のロゴが貼ってあったりと現実とリンクする部分も多くあり、今の暮らしの中で感じている想いを口にするシーンには涙が止まりませんでした。

上田監督は「この作品が誰かの気分を少しでも明るくすることが出来たら幸いです。」とコメントを寄せていて、約1か月間、できないことばかりに目を向けてきた日々から抜け出すきっかけを貰ったような気がしています。この状況下で『カメラを止めるな!リモート大作戦!』を私たちに届けてくれた上田監督に心からの感謝の気持ちを伝えたいです。

名古屋シネマスコーレでの映画『カメラを止めるな!』公開初日

名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)では2018年に映画『カメラを止めるな!』の名古屋公開初日の様子を取材・レポートしています。短編映画『カメラを止めるな!リモート大作戦!』を観て、あの日のことをいろいろと思い出したので、振り返ってみます。映画『カメラを止めるな!』名古屋公開の初日は東京での公開から約1か月後、名古屋のミニシアター・シネマスコーレは熱気で包まれていました。

〈レポートより抜粋〉

名古屋での公開初日となった7月21日に名古屋駅西口のシネマスコーレでは、 19時05分からの上映回のチケットが早々に完売となり、21時20分からの追加上映が急遽決まりました。当日の朝10時から配布される整理券を求めて、オープン前からお客さまが劇場前に列をつくり、追加上映分も18時ごろには立ち見分も含めて完売したそうです。

〈レポート全文〉

感染拡大必至!名古屋で公開となった話題の映画『カメラを止めるな!』初日レポート

立ち見も含めて80名近くの人が映画『カメラを止めるな!』を楽しみ、上映後に登壇した上田慎一郎監督、濱津隆之さん、真魚さんもその熱気に驚いている様子で「ギッシリですね!」「隙間が全然ない」「立って観ていただいた方、お疲れさまです」と話していました。愛知県豊橋市出身の真魚さんは名古屋での出演作の上映に感慨深いものがあると涙声で語っている姿が印象的でした。

映画『カメラを止めるな!』が名古屋で公開となったこの日、名古屋市内では『劇場版コード・ブルー』のファンイベントが行われ、2500人のファンが集まっていました。

2500人のファンの熱気に包まれた『劇場版コード・ブルー』真夏の日本縦断ツアーin名古屋

山下智久さん、新垣結衣さん、戸田恵梨香さん、比嘉愛未さん、浅利陽介さんの登場に、会場はかなりの熱気に包まれていました。同じ日に2018年を代表する2つの映画のイベントが名古屋で行われ、両方の現場で取材ができたことは、名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)を運営してきた中で、最もアツアツだった日です。あの日を思い出し、また現場で取材がしたいと強く願っています!

映画『カメラを止めるな!』の舞台挨拶後のサイン会には長蛇の列ができていて、翌日以降も整理券を求めて朝から行列ができ、連日満席となりました。8月からはシネコンでの上映も始まりましたが、シネマスコーレは「お客さまがいなくなるまで上映を止めるな!の覚悟です。」とコメントを発表し、11月23日まで4カ月間に及ぶロングラン上映を行いました。

シネマスコーレは座席指定がなくチケットのネット予約はできませんが、観たい映画のために朝から並んで整理券を手に入れ、暗闇の中でスクリーンに釘付けになり、近くの席の知らない方の息遣いを感じながら一緒に笑い、泣く、貴重な映画体験をさせてくれる場所です。頻繁に行われる舞台挨拶では映画制作者、出演者の方の話を近距離で聞き、サイン会で直接感想を伝えるチャンスも多くあります。映画人とこんなに密接に触れ合うことができるのは、映画愛溢れるスタッフの方々が長い時間をかけて築き上げてきた関係性があってのこと。名古屋の映画好きが集い、同じ空間で感動を共有し、映画人と交流する経験ができるミニシアターは、これからもそこにあり続けてほしいです。

シネマスコーレは愛知県の緊急事態宣言発令を受けて4月13日より休館しています。再開の日程は追って告知と発表していますが、休館が長引けは再開が困難になる苦境に立たされています。日常を取り戻した時に、大好きな映画が観られる場所が変わらずにそこにあり続けてくれるために、今、私たちにできるミニシアター支援の方法をご紹介します。

お家で映画を観て名古屋・愛知のミニシアターを応援する方法

ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金 プロジェクト

4月13日よりMOTION GALLERYでスタートしたクラウドファンディングで、開始から3日で目標額の1億円を達成し、4月28日には2億円を突破しています。支援は一口3000円からの「思いっきり応援コース」と一口5000円からの「未来チケットコース」の2種類があります。「未来チケットコース」の特典である映画鑑賞券のシアター名を支援時に指定することで、思い入れのあるミニシアターを直接支援することができます。愛知県では尾西シネラマパワー(尾西市) / 刈谷日劇(刈谷市)/ シアターカフェ(名古屋市)/ シネマスコーレ(名古屋市)/ 鶴城映劇(西尾市)/ 名古屋シネマテーク(名古屋市)/名演小劇場(名古屋市)が、岐阜県では岐阜朝日劇場(岐阜市)/ 岐阜CINEX(岐阜市)/ 岐阜ロイヤル劇場(岐阜市)が参加しています。

クラウドファンディングの特典であるサンクス・シアターでは約200作品の中からコースの金額に応じた既定本数のストリーミング再生が可能で、5月下旬に配信開始で1年間は繰り返し鑑賞することができます。『カメラを止めるな!リモート大作戦!』からもメイキング映像などの特典映像がサンクス・シアターのラインナップに入ってます。

ミニシアターエイドの詳細はこちらでご確認ください。

『A DAY IN THE AICHI 完全版 ただいまあいち』

愛知県春日井市出身のカンパニー松尾監督があいちトリエンナーレ2019で製作した長編セルフドキュメンタリー『A DAY IN THE AICHI』を、完全版として再編集した『A DAY IN THE AICHI 完全版 ただいまあいち』が4月24日(金)20時から5月17日(日)23時59分まで有料配信されます。

売り上げから必要経費を除いた利益はシネマスコーレ・名古屋シネマテーク・刈谷日劇・TOKUZOに寄付されます。4時間20分という長編ドキュメンタリーを1800円でおうちで観ることで、ミニシアターやライブハウスの支援になります。

詳細は『A DAY IN THE AICHI』公式HPでご確認ください。

仮設の映画館 5月2日10時スタート

5月2日10時よりスタートする仮設の映画館は、『精神0』の想田和弘監督とその配給会社・東風の発案によるインターネット上の映画館です。ホームページ上で観たい映画と映画館を選択することで、1800円の鑑賞料金を映画館と配給会社で分配し、観客・映画館・配給・製作者による「映画の経済」を回復させる試みです。

スタート時は『春を告げる町』『精神0』『タレンタイム~優しい歌』『巡礼の約束』など7作品が鑑賞可能で、11作品がラインナップされてます。作品ごとにストリーミング配信期間が決まっており、鑑賞期限はレンタル購入後24時間以内で動画共有サイトVimeoで鑑賞します。愛知県内の参加劇場は名古屋シネマテーク、名演小劇場、シネマスコーレです。(2020.5.1現在)

仮設の映画館の詳細はこちらでご確認ください。

名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)は、また映画館で映画製作者の皆さんと、映画業界で働く皆さんと、映画ファンの皆さんとに会えるその日まで、名古屋の情報発信を続けていきたいと思います。掲載希望の情報がありましたら、情報提供・お問合せよりご連絡ください。

 


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