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2017-12-14

映画『悪と仮面のルール』舞台挨拶に主演の玉木宏さんが登壇 名古屋のことは「心のどこかで(笑)」


 

2018年1月13日に公開となる映画『悪と仮面のルール』の舞台挨拶付き先行上映会が名古屋市中区のセンチュリーシネマで行われ、主演の玉木宏さんが登壇しました。映画『悪と仮面のルール』は愛知県東海市出身の作家・中村文則さんの同名小説を原作とした重厚な世界観が特徴の作品です。映画上映前の舞台挨拶ということで映画の細かな内容には触れられなかったのですが、作品のテーマや撮影時のエピソードや共演者について語りました。(取材日:2017年12月7日)

名古屋のことは心のどこかで

満員の客席から大きな拍手で迎えられた玉木宏さんは「寒い中、足を運んでくれて、ありがとうございます。撮影は1年半前に行っているので、やっとここまでたどり着けたことを嬉しく思っています。今日はゆっくりとご覧ください。」と挨拶をされました。

また、名古屋出身の玉木さんは「名古屋には先月2回ほど来ています。名古屋は通り過ぎがちですが、(出身地である名古屋のことは)心のどこかで(思っています)。」と会場を笑わせました。

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原作や脚本について

愛知県東海市出身の芥川賞作家・中村文則さんの原作小説について玉木さんは「独特な世界観で日本の作品ではあまりなかったようなスタイルで、(舞台が)日本でなくても成立するストーリーだと思います。救いがないようで(救いが)あって、一言で言うのは難しいけれど、最終的にはラブストーリー。言葉の数も多いし、自然とその世界にどんどん引き込まれていく印象がありました。」と魅力を語りました。

脚本を見たときに「内容が詰まった原作だったのでどこまでその世界観を壊さずに脚本になるのだろうと思っていましたが、実際に読んでみたら原作の世界観がそんなに失われずに出来上がっていたので、原作ファンの方にも喜んで頂きたいと思っています。」と話し、「監督も困ったときには原作を読みながらやっていたし、僕も原作を頼りにヒントを得ながらやったこともありました。」と原作への敬意を示しながら映画を作っていたことを明かしました

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同い年の中村哲平監督

今作のメガホンをとった中村監督について「同年代の方が違うものを積み上げてきて、同じ土俵に立てるというのはすこく刺激的なことだと思うし、新しいものを生み出せる力になるのではないかと思っていました。」と話し、実際の撮影で中村監督は具体的な演技の指示よりも、「文宏ならどうしていますかね?」という問いかけをしてくれて、それが心地の良い責任感だったと話していました。

空間の力に助けられたオールロケーション

映画『悪と仮面のルール』では、すべてのシーンをロケハンで見つけた場所に美術さんが飾り付けをして撮影をしたそうで、空間の力に助けられることがあったそうです。「吉沢亮さん演じる伊藤のアジトにしている場所は築年数の経っている古ぼけたアパートで、そこに向かっていく階段も斜めになっていて、本当にアジトっぽくて気持ちの助けになりました。」と話していました。

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整形をして別の人間になった男

玉木さんが今作で演じる文宏という男は、ある目的のために顔を変えて、別の人間として行動をしています。難しい役だったのではという質問に玉木さんは「作品的に繊細なので、静かに強くということを思いながら演っていました。結果的に何を伝えたいかは非常にシンプルで、原作のあとがきにも書いてあって、究極のラブストーリーだと(思います)。新木(優子)さん演じる香織のことをまっすぐ思って、心の動揺が見えないように外で戦う男というイメージで演じていました。香織しか知らないで育ってきた、香織のために善悪の間で揺れ動いている本当にピュアな男性だったと思います。」と丁寧に答えていました。

「整形で表面的な部分を変えられるだけで、心の中や目は変わらないと思っていたので、目には感情があらわれてくると思います。」とも話していましたが、感情や心の動揺が表われている玉木さんの目のお芝居にも注目して欲しいです!

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撮影現場での共演者とのエピソード

撮影現場での共演者とのエピソードを聞かれた玉木さんは「共演者の皆さんはセリフがとても長かったので、あまり邪魔をしてはいけないなと思っていました。」と言いながらも探偵役の光石研さんとはたくさん話をしたことを教えてくれました。光石さんが代官山までジョギングをする理由について「(光石さんは)走る俺に気づいて欲しいと言う自分が大好きな人」と話し、「(出演されている)作品のイメージでは怖い方なのかと思っていたが、とても楽しい人でした。休憩中にいろいろな話をしてくれると心が癒されました。」と話しました。

香織役の新木さんとは数日間しか一緒にいなかったそうなのですが、とても真面目で真摯な姿勢だったと振り返り「(緊張している)様子には見えなかったです。飄々としているように感じました。」と印象を語りました。

テロリスト役の吉沢亮さんについては「年齢よりもすごくしっかりしている気がします。原作者の中村文則さんの作品が大好きだと話していて、中村さんが現場に来て会えるのをすごく楽しみにしていました。芝居も面白いというか刺激的なお芝居をしてくる人なのでこういう出会いがあった事はすごく良かったと思います。」と共演の感想を話していました。

お客様へのラストメッセージ

舞台挨拶も終わりの時間が近づき、司会者から最後のメッセージを求められた玉木さんは「140分間という長めの作品ですがしっかりと見ていただく作品だと思います。善悪と言うのは曖昧なものですが、何が善で何が悪かと言うことを考えるきっかけになればと思っています。」と締めくくりました。

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作品概要

『悪と仮面のルール』

2018年1月13日全国公開

自分は絶対的な悪=“邪”になるために創られたことを父から告げられた11歳の久喜文宏は、父が初恋の女性・香織に危害を加えようとしていることを知り、父を殺して失踪する。十数年後、文宏は顔を変えて“新谷弘一”という別人になり、香織を守るためなら手段を選ばない冷酷な殺人者として行動を始める。

出演:玉木宏、新木優子、吉沢亮、中村達也、光石研、村井國夫、柄本明

監督:中村哲平

脚本:黒岩勉

原作:中村文則『悪と仮面のルール』(講談社文庫)

配給:ファントム・フィルム

http://akutokamen.com/
©中村文則/講談社 ©2017「悪と仮面のルール」製作委員会

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