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2020-01-19

映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』伏見ミリオン座で片渕須直監督舞台挨拶とサイン会


 

昨年12月20日から全国で上映中のアニメーション映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は2016年に劇場公開され超ロングラン上映が続いていた『この世界の片隅に』に新しいエピソードを加えた新作です。昭和19年に18才で広島市から呉市へ嫁いだすずさんを主人公に、第二次世界大戦下の広島・呉の人々の様子が描かれています。片渕須直監督が名古屋市の伏見ミリオン座を訪れ、上映後の舞台挨拶に登壇し、作品への想いを語りました。また舞台挨拶後にはパンフレット購入者へのサイン会も行い、長い行列ができていました。(取材日:2020年1月18日)

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伏見ミリオン座オリジナルの本編前上映用コメントも撮影

アニメーション映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の片渕須直監督が名古屋市中区の伏見ミリオン座スクリーン1で行われた上映会後の舞台挨拶に登壇し、上映終了直後の作品の余韻が残る中、満員の客席から大きな拍手で迎えられました。

片渕監督は「12月20日公開で2週目くらいに名古屋に来るつもりだったのですが、帰省シーズンで切符が取れなくて、やっと来られました」と冗談とも本気ともとれる話し方で客席を笑わせました。また移転前の伏見ミリオン座には何度も足を運んでいたので、昨年4月に移転した新館に来られたことを喜んでいる様子で「以前も上映前に流れるコメントを撮影してもらって、今回も撮影しました」と話し「前と変わらず途中からしどろもどろになりますので」と打ち明けると客席から「そうだった」と声があがるなど和やかな雰囲気で舞台挨拶が進んでいきました。

2019年4月に移転した伏見ミリオン座の様子・アクセス方法は?

実際の天気に忠実な作中の描写を語る片渕須直監督

映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』で追加されたエピソードのひとつに、主人公のすずさんが遊郭で働くテルちゃんの為に、積もった雪の上に南の島の絵を描くというものがあります。片渕監督は「あのシーンは昭和20年2月26日なんです。実は2月25日は日本全国が大雪だったんです。広島でも珍しいくらいの雪が降って、翌日は天気が良くて雪解けが始まっていて、あのシーンでは雪解けの水が流れる音が聞こえたのではないかと思います」と実際の天気に忠実に作っていたことを教えてくれました。またテルちゃんに絵を描いてあげる路地について「映画では架空の遊郭の横に路地があるのですが、実際に遊郭があった場所に行くと川が暗渠になっているところを見つけました」とすずさんが暗渠の上に積もった雪に絵を描いたと話しました。

さらに「地面の下で水が流れていて、境川に繋がっているんです。境川にかかる小春橋は周作さんとすずさんが映画館に入れなくて佇んでいた橋で、今でも現存しています」などと今も残る場所が描かれていることを改めて語りました。「本当の呉の町や本当に雪が降って雪解けが始まった日のことを描いていて、本当にあった世界の一部の上に、すずさんやてるちゃんや周作さんがいると感じてもらえればと思います」と想いを伝えました。

伏見ミリオン座のロビーには『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』のコーナーがあり、作品の詳細な紹介や資料を見ることができます。舞台挨拶でも話していた片渕監督の想いが書かれたパネルもありました。

集まったお客様ひとりひとりに声をかける片渕須直監督

舞台挨拶の最後には、片渕監督が客席の最前列に座り、お客様と一緒に記念撮影を行いました。

舞台挨拶終了後にはパンフレットへのサイン会が行われ、片渕監督のサインを求める長蛇の列がミリオン座の階段に続き、上のフロアに溢れないように折り返すほど並んでいました。

サインをしてもらうパンフレットは伏見ミリオン座の1階でも販売されており、パンフレットを買って行列の最後尾に並ぶために階段を登っていく人が後を絶ちませんでした。

片渕監督はサインの際にはお客様から感想を聞いたり、質問に答えるなど、ひとりひとりとのコミュニケーションを大切にされ、笑顔で応えていました。帰りの新幹線の時間ギリギリまで約1時間にわたって希望されるすべての方へのサインをしてくれました。

片渕監督は伏見ミリオン座の入り口のポスターパネルにもサインをしてくれました。伏見ミリオン座での公開は1月30日までです。ぜひ早めに観に行ってくださいね!

作品概要

この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

2019年12月20日(金)より伏見ミリオン座ほかにてロードショー

伏見ミリオン座

Address:名古屋市中区栄一丁目4-16

愛知県名古屋市栄1丁目4?16

【Introduction】

210 万人の胸を震わせたあの場面が、まったく異なる印象で迫ってくる。この映画は、大ヒット映画『この世界の片隅に』の単なる長尺版ではない。250カットを超える新エピソードによって、これまで目にしていたシーンや人物像が、まったく異なる印象で息づきはじめる。『この世界の片隅に』を知る人も、知らない人も1 本の‟新作“として体感することになるだろう。すずの内面を大人の表現で魅せる女優のん、岩井七世(リン役)、細谷佳正(周作役)など、前作のキャストがパワーアップして再集結。さらに遊郭の女性テル役として花澤香菜が初参加。コトリンゴによる書き下ろしの新曲と共に、私たちを新たな世界へといざなう。

声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓/花澤香菜/ 澁谷天外(特別出演)

原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊) 企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵

キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典

美術監督:林孝輔

音楽:コトリンゴ

プロデューサー:真木太郎

監督・脚本:片渕須直

製作統括:GENCO

アニメーション制作:MAPPA

配給:東京テアトル

製作:2019「この世界の片隅に」製作委員会

©2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会


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