名作舞台を映画化!映画『あいあい傘』宅間孝行監督に名古屋でインタビュー
10月26日に公開となる映画『あいあい傘』は2007年に上演された舞台を元に映画化された作品で、舞台の作・演出を手掛けた宅間孝行さんがメガホンをとっています。25年前に姿を消した父親を捜す娘が新しい家族と暮らす父親と再会する姿を描いた物語で、主演は倉科カナさんです。
映画の公開とあわせて舞台の再演が全国で行われている中、宅間監督が名古屋でインタビューに応じてくれました。(取材日:2018年10月6日)
スポンサーリンク
2007年の名作舞台を映画化!
映画『あいあい傘』は2007年に劇団「東京セレソンデラックス」で上演された作品をもとに映画化した作品で、当時同劇団を主宰していた宅間孝行さんが脚本・監督をつとめています。舞台では1つのセットで登場人物たちの群像劇として展開していましたが、映画では物語の中心を立川談春さん演じる父親と倉科カナさん演じる25年ぶりに再会することになる娘としています。宅間監督は映画化するにあたって、広島から山梨に舞台を移したことを明かしながら「あまり違ったものを見ている感覚にはならないと思います」と語りました。
25年前に家族の前から姿を消した父親・六さんの事情、新しい家族と暮らす父親に苛立ちを隠せない娘・さつきの気持ち、彼らを取り巻くキャラクターも活き活きと描かれていて、登場人物たちの想いが丁寧に積み重ねられていき、クライマックスでは号泣必至の作品となっています。
スポンサーリンク昔の日本映画を研究し、こだわったワンカットでの撮影
長編映画としては2作目になる宅間監督は、今作で細かくカットを割ることをせずに、カメラを固定してワンカットでの撮影にこだわったことを教えてくれました。俳優としても様々な作品に出演してきた宅間監督は「僕らより上の世代は、長回ししていると映画という感覚があります。いい芝居があったら(カットを)割らないのは基本。」と語り、「(ワンカットでの撮影をすることで)1枚の画の力がものすごく強くなって、役者の感情が途切れずに撮影できるのであれば、悪いことが一つもない」と力強く話しました。
また宅間監督は「昔の日本映画をけっこう研究して、それを参考にしているところもあって、(今作は)原点回帰していると思う。」と言い、山田洋次監督の寅さんシリーズの画づくりや小津安二郎監督のローアングルでカメラを固定したワンカットなどを例に挙げました。
さつきが父親を探しにきた街で知り合った清太郎やテキ屋仲間と居酒屋で意見を交わす6分半の長回しのシーンについて「カメラを固定してワンカットで作るときに、縦位置で手前・ミドル・奥の三層をつくるというセオリーを持ってやっています」と話しました。このシーンに出演している倉科さんと市原隼人さん、高橋メアリージュンさん、やべきょうすけさんの4名はセリフと合わせてどこで、何をしてという全ての動きが決まっていて、特に市原さんは奥から手前に何度も行き来していて、「スクリーンで観るよりも奥行きはあるので、毎回全力で走っていました。あんなに人生で全力で走るのは、ないんじゃないかな」と撮影中の市原さんの頑張りを振り返っていました。
スポンサーリンク主演の倉科カナさんと市原隼人さんについて
宅間監督は倉科さんに主演を引き受けてもらうにあたって「あなたの代表作にしたい」と話し、倉科さん自身もさつきと境遇が少し似ている部分があったため「僕よりもさつきの複雑な気持ちをわかっていたんだと思います」と運命的なキャスティングであったことを明かしました。
舞台版では宅間監督が演じた清太郎役に市原さんをキャスティングした理由について「最近のイケメンは中性化していて男臭い俳優さんが少なくなっている中で、市原くんはイケメンですけど、男臭さを持っている点です」と話し、撮影現場で市原さんは「アホを演じることを楽しんでいました」と明かしました。
スポンサーリンクタクフェス第6弾『あいあい傘』名古屋公演
宅間孝行さんが主宰する演劇プロジェクト「TAKUMA FESTIVAL JAPAN」の第6弾公演として『あいあい傘』が埼玉、仙台、佐賀、栃木、東京、新潟、札幌、大阪、名古屋、全国各地にて上演中です。キャストは映画版とは異なり、星野真里さん、大薮丘さん、前島亜美さん、川原亜矢子さん、モト冬樹さん、そして宅間さんも出演しています。宅間さんは映画版で市原隼人さんが演じた清太郎、清太郎の父親の2役での出演です。名古屋での上演は以下の予定です。
公演スケジュールやチケットについてはこちらで
公演日程:2018年12月6日(木)~12月9日(日)
会場:ウインクあいち(愛知県名古屋市中村区名駅4-4-38)
主催:中京テレビ放送
協賛:フロンティアの介護
作品概要
10月26日より全国ロードショー
出演:倉科カナ 市原隼人 トミーズ雅 立川談春 原田知世
監督・脚本:宅間孝行
主題歌:竹内まりや『小さな願い』(ワーナーミュージック・ジャパン)
配給:SDP
©2018 映画「あいあい傘」製作委員会
スポンサーリンクフィンランド出身の世界的建築家アルヴァ・アアルトをめぐるドキュメンタリー映画『AALTO』ヴィルピ・スータリ監督に名古屋で初インタビュー アインズ様がドーナツに!?『劇場版「オーバーロード」聖王国編』コラボドーナツセット 大型黒板アートの展示もスタート! 「北原さんからは、脱ぎも辞さない覚悟を感じた」映画『サニー/32』主演の北原里英さんと白石監督に名古屋でインタビュー 深田晃司監督が名古屋で小中高校生に映画の魅力を伝える「メ~テレシネマ映画祭presents ティーン映画ワークショップ」レポート 愛知県は「特定警戒都道府県」に!緊急事態宣言を受けて名古屋の映画館の状況は?今、私たちにできること