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2018-02-22

【3/10名古屋公開】映画『ピンカートンに会いにいく』主演の内田慈さんと坂下雄一郎監督にインタビュー


 

名古屋では3月10日より公開となる映画『ピンカートンに会いにいく』はアラフォーの女優・優子が、20年前に所属していたアイドルグループ“ピンカートン”を再結成するために奔走していくさまを描いたオリジナル作品です。

商業映画3作目となる坂下雄一郎監督が主演の内田慈さんとともに名古屋でインタビューに応じてくれました。映画撮影時の苦労や互いの魅力についてを語り、何度も笑いが起きる和やかな雰囲気の中で行われた取材の様子をレポートします。(取材日:2018年2月8日)

原作のないオリジナル映画を生み出すプロジェクト

映画『ピンカートンに会いにいく』は松竹ブロードキャスティングオリジナル映画プロジェクトの第5弾作品です。このプロジェクトは“力のある監督が撮りたい映画を自由に撮る”“新しい俳優を発掘する”をテーマに掲げていて、坂下監督は昨年1月公開の映画『東京ウィンドオーケストラ』に続いて、同プロジェクト作品の監督をつとめました。

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映画『ピンカートンに会いにいく』の始まり

アイドル再結成の話を作ろう考えていてた坂下監督は「ざっくりとしたあらすじをプロデューサーに見せてすぐに脚本をつくることになったが、そこから難航しました。」と話し、最初は主人公のキャラクターも主婦という設定だったそうですが、そこから試行錯誤して、大幅な方針変更が何度かあったそうです。

映画『ピンカートンに会いにいく』では、芸能の仕事を諦めきれないアラフォーの元アイドルの優子(独身)が“ピンカートン”の再結成を持ち掛けてきた松本と一緒に4人の元メンバーに会いに行く様子が描かれています。アイドル現役時代に彼女たちの間に起きた出来事も描かれていて、坂下監督は「作戦として、大人たちの関係性をそのまま子供たちにあてはめて、現役時代を描くことにしました。」と話してくれました。

現役時代のシーンではかなり辛辣なアイドルの本音がセリフに織り込まれているのですが、坂下監督は「アイドルを取材したわけではなく、(監督自身が)映画学校時代に経験した同級生でありライバルでもある仲間たちとの関係性が反映されていると思います。」と教えてくれました。

プロデューサーの推薦で出演が決まった内田さんは元アイドル役の経験も多く「今までやってきたことが活かされたらいいなとは思っていました。」と出演が決まった時の気持ちを語ってくれました。脚本については「リズムがとても面白かった。アイドルの裏にある人生がみえたので、群像劇とコメディが両立しているのが魅力だと思いました。」と話していました。

坂下監督は「コメディ要素の多い脚本だけど、(内田さんには主人公の優子の)繊細さを含みつつ演じてもらえた。」と主演の内田さんの魅力も語っていました。

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テンポの良いセリフの掛け合いが絶妙

主人公の優子は非常に癖のあるキャラクターで、ト書きには「小気味好く悪口を言う」と書かれていたそうです。内田さんのセリフのテンポがとても速いのですが「本読みで監督と相談して、共演者さんとのセリフの間もかなり詰めました。どんな時でもセリフが飛ばないように訓練しました。」と撮影前のエピソードを話してくれました。

物語の最初のほうで、電話で呼び出された優子が松本との待ち合わせ場所で出会うシーンは非常に速いテンポや2人の掛け合いがコミカルで面白いので、撮影の様子をお聞きしました。このシーンはクランクインの日の撮影で長回しだったこともあり、たくさんのセリフや決められた動きへの対応など、演者としてはかなり大変だったそうです。しかし、この撮影を監督がバッチリと演出し、決まったことで「2人のタッグが完成した。」と内田さんは撮影を振り返っていました。

基本的にアドリブはほとんどなく、どの役者も台本どおりのセリフを言っているそうなのですが、ピンカートンのメンバー5人が集まって会議室で話しているシーンの最後のほうだけはアドリブの部分もあるそうです。内田さんは「(アドリブの部分が)編集にも残っていて嬉しかった。」と話していたので、どこがアドリブなのかぜひ映画を観て、みつけてみてくださいね。

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2つの時代の繋がり演出

映画『ピンカートンに会いにいく』では大人になった元アイドルと彼女たちのアイドル現役時代の2つの時代を描いています。監督が演出で気を付けたことを聞いたところ「(大人と現役時代で)立ち位置や並びが同じになるように、髪型も(同じにするために)カツラ、ウィッグを被ってもらった(人もいる)。」と話し、「大人になってもキャラクターが変わらないようにしたことで、わかりやすくなったと思う。」とこだわった点を教えてくれました。


また大人の5人の出演者が決まった後で、現役時代のオーディションが行われたそうですが、坂下監督は「キャスティングが成功したと思います。」と話し、「撮影順は大人が先で(撮影したものを)一応みせたので、似せようとしてくれたかもしれない。」と現役時代を演じた若手の女優さん達の頑張りもうかがわせました。内田さんは自身の現役時代を演じた小川あんさんについて「ライブのシーンでは小川さんから提案があって、フリーで歌うところの振りを同じにしようと声をかけてくれました。」と一緒のシーンでは心を開いてぶつかってきてくれたと振り返っていました。

ラストシーンでは、大人のキャストと現役時代のキャストが同じ衣裳を交代で着て撮影を行ったそうで、2つの時代が見事にリンクして見えます。内田さんをはじめ、大人&現役ピンカートンメンバーのダンスをぜひ劇場でご覧ください!

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作品概要

映画『ピンカートンに会いにいく』

名古屋では3月10日よりセンチュリーシネマにて公開

ブレイク寸前で解散した伝説のアイドルが、20年の時を経てまさかの再結成!?

“イタい”のになぜか胸が熱くなる新感覚コメディ!

監督:坂下雄一郎

出演:内田慈、松本若菜、山田真歩、水野小論、岩野未知、田村健太郎、小川あん、岡本夏美、柴田杏花、芋生悠、鈴木まはな

HP:http://www.pinkerton-movie.com/

上映時間:1時間26分

製作・配給:松竹ブロードキャスティング

配給:アーク・フィルムズ

(C) 松竹ブロードキャスティング

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