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2018-05-14

映画『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』西村まさ彦さん、夏川結衣さん、山田洋次監督が名古屋に!


 

5月25日公開の映画『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』の先行上映会が名古屋駅のミッドランドスクエアシネマで行われました。上映前の舞台挨拶に西村まさ彦さん、夏川結衣さん、山田洋次監督が登壇しました。撮影中のエピソードや夏川さんが台本を見たときに驚いたことなどを振り返ったり、西村さんの独特の間で笑いが起きるなど、和気藹々と楽しいトークが繰り広げられました。(取材日:2018年5月11日)

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山田洋二監督が「名古屋メシを褒めてもしょうがない」

名古屋駅のミッドランドスクエアシネマで行われた映画『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』の先行上映会の舞台挨拶に西村まさ彦さん、夏川結衣さん、山田洋次監督が登壇しました。

『家族はつらいよ』は2013年公開の山田監督の映画『東京家族』で家族を演じた役者陣が集結し、第1作は「熟年離婚」、第2作では「無縁社会」をテーマに日本中の家族を持つ多くの人々が共感し大ヒット作品となりました。シリーズで西村さんは橋爪功さん演じる平田周造の長男・幸之助を、夏川さんはその妻・史枝を演じています。

山田監督は「キャストとスタッフ一同で心を込めて作った作品です。皆さんが満足してくださればいいなと思っています。」と挨拶をされました。西村さんは何度か咳ばらいをしながら「私は中部地区の一つである富山出身です。」と中部地区を何度も強調して名古屋との縁をアピールし「その私がこの場所に立てること、皆さんと会えたこと忘れる筈がありません。」と独特の間合いで挨拶してお客さんを笑わせました。夏川さんは「シリーズ(の映画)に初めて出させていただいて、毎回みなさんに『待っていました』と言っていただき、感激しています。」と気持ちを話していました。

司会者から名古屋の印象を聞かれた山田監督は「僕のお袋は名古屋の出身ですから、子供の頃からよく来ていますよ。」と答え、名古屋のいいところについて「名古屋メシは?」と問われると「そんなものを褒めたってしょうがないなぁ。名古屋の人の魅力を語らなきゃいけないんでしょうけど、うまく言えないなぁ。」と少し困った様子と可愛らしい表情をみせていました。

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平田家の主婦を演じた夏川さんのある挑戦

シリーズ3作目となる『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』は、三世帯で暮らしている平田家の主婦である史枝が家出をして一家が大混乱するいう物語です。山田監督は「過去の2作を作る中で、三世代の家族の中心の2人(幸之助と史枝)に愛情の上でヒビが入るということがありえるなと思って、3作目はこの2人を中心とする話にしたわけです。」と西村さんと夏川さんが演じる幸之助夫妻がメインのストーリーになった理由を教えてくれました。

専業主婦の日常が描かれている今作を観た感想を聞かれた夏川さんは「キュンと胸が切なくなって、最後には愛の物語だなぁと思いました。」と答えていました。西村さんは出演作を観るといつも自分の粗探しをしてしまうそうなのですが「僕なんかは粗だらけでアラぶる者なんですが、(今作では)いち観客として作品を心から楽しむことができました。」とダジャレを交えながら自分以外の出演者の素晴らしさを語っていました。

また、夏川さんは「台本を読みながらビックリしたんですが『史枝フラメンコ踊る』と書いてありまして。」と話し出すと山田監督は「前もって言わなかったもんね。」と言い、夏川さんは山田監督からフラメンコを踊れるのかどうかなどと聞かれたこともなかったことを明かしました。このことについて山田監督は「考えたら失礼なことをしたなと。大変でしたね彼女(夏川さん)は。すごくハードな練習をしなんじゃないでしょうか?」と少し申し訳なさそうに当時を振り返っていました。夏川さんは「(フラメンコは)ものすごく難しかったです。でもフラメンコというのは怒りを表現しているんです。自分の不甲斐なさをぶつけてみました。」と撮影時の様子を話してくれました。

西村さんがフラメンコダンサーと一緒に踊る夏川さんのひたむきさを褒めると、夏川さんは監督から「夏川くん、周りだーれも汗をかいていないのに、どうして君はそんなに汗をかいているんだい?」と言われ、何にも言い返せなかったというエピソードを話すと会場のお客さんから笑いが起きていました。

監督は「妄想のようなシーンだから完璧に踊らなくてもいいんだけれど、結果としては見られるフラメンコになっていると思います。」と話し、夏川さんを苦笑いさせていました。

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これから映画を観るお客様へメッセージ

夏川さんは「映画を見終わった後に感想を言い合いながら食事をしたり、お酒を飲みにいくのが良いと思います。本当に自由に楽しんでください。」と話し、西村さんは「この作品を気に入っていただき、心の拠り所となれば嬉しいです。」と話しました。

山田監督は「家路に着きながら面白かったと思ってくだされば、作った人間としてこんなに嬉しいことはありません。」と気持ちを伝え「できることなら自分にとっての家族とは何なんだろう、自分の家族はこの映画の家族に比べて幸せなのかなどと思って、この映画が日本の家族を取り巻く様々な困難な状況について考えるきっかけになればいいなと思います。」と締めくくりました。

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作品概要

『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』

2018年5月25日全国公開

史枝(夏川結衣)は、育ち盛りの息子ふたりと夫・幸之助(西村まさ彦)、その両親3世代で暮らす主婦。ある日、家事の合間にうとうとしていた昼下がり、泥棒に入られ、冷蔵庫に隠しておいたへそくりを盗まれた!!夫から「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」と嫌味を言われ、余りに気遣いの無い言葉にそれまでたまっていた不満が爆発した史枝は、家を飛び出してしまう。一家の主婦が不在となった平田家は大混乱!身体の具合の悪い富子(幸之助の母/吉行和子)に代わり周造(幸之助の父/橋爪功)が掃除、洗濯、食事の準備と慣れない家事に挑戦するがそんなこと続くわけがない。家族揃って史枝の存在のありがたみをつくづく実感するのだが、史枝が戻ってくる気配は一向にない。家族会議、緊急召集!平田家崩壊の危機か!?

監督:山田洋次

脚本:山田洋次、平松恵美子

出演:橋爪功、吉行和子、西村まさ彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優

制作・配給:松竹株式会社

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