「2年ぶりに岐阜に来られて嬉しい」映画『僕の中に咲く花火』岐阜出身の清水友翔監督、主演の安部伊織さん、ヒロインの葵うたのさんの3人で撮影地の岐阜に凱旋舞台挨拶!
8月22日(金)から愛知・岐阜で先行公開され、30日(金)より全国で順次公開される映画『僕の中に咲く花火』は期待の新鋭監督・清水友翔さんが地元岐阜を舞台に描く不器用で痛くても、心に寄り添う青春物語です。思春期独特の危うさを持つ主人公の稔を安部伊織さん、ヒロインで稔に寄り添う年上の女性を葵うたのさんが好演しています。そして主人公の父親役の加藤雅也さん、愛知出身の渡辺哲さんなど素敵なキャストが物語世界を彩ります。
愛知・岐阜での先行公開2日目、岐阜の柳ヶ瀬にある映画館・CINEXで上映後に舞台挨拶が行われました。長編初監督の清水監督×初映画主演の安部さんの相棒感漂う空気、撮影時に地元の雰囲気を満喫したという葵さんの話、そして観客との一体感が生まれたQ&Aやサイン会についてレポートします。(取材日:2025年8月23日)
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24歳の同い年!清水友翔監督と主演の安部伊織さんの相棒感 葵うたのさんと登壇
映画『僕の中に咲く花火』は、幼い頃の母との死別、父親との確執、思春期の兄妹、そして自分の居場所はどこにあるのか…という悩みを持つ高校生の主人公:大倉稔のひと夏の出来事がギュギュッと凝縮され、主人公の幾重の嵐が宿る心模様と共に岐阜の美しい風景が封じ込められた作品です。
映画『僕の中に咲く花火』を鑑賞後の余韻にひたる観客の前に清水友翔監督、安部伊織さん、葵うたのさんが登場しました。3人は会場を見渡し、その景色を胸に刻むような表情です。清水監督、安部伊織さんの挨拶のあと、ヒロイン役の葵うたのさんが「2年ぶりに岐阜に来られて嬉しいです」と言うと一層大きな拍手が送られました。

清水監督は「長編映画が本作が初めてで、今岐阜の劇場で流れている最初の舞台挨拶がこちらCINEXで、人生でこの瞬間は1回しかない…皆さんと貴重な時間を過ごせていることがありがたいです」と万感の想いを込めて話しました。そして「重い内容と言うか、メッセージ性の高い作品だったのでトークセッションは気楽にカジュアルにやりたいなと思います」と砕けた口調で話すと客席の雰囲気もフッと軽くなり笑い声が漏れました。清水監督、主演の安部伊織さんは24歳の同い年。気脈が通じた空気感があり、登壇中もお互いの言葉に頷き合ったり目線を交わしたりと相棒のような存在であり、同年代の葵うたのさんも含めていいチームだったことが伺い知れます。
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清水監督の母校 大垣西高校で撮影 当時の先生方に見守られての撮影「僕なりの恩返しができた」
清水監督に安部伊織さんが「劇中の学校は監督の母校なんですよね」と話題を振ると、清水監督は「そう!南平野小学校と、大垣西高校」とニッコリしました。監督は続けて「(高校では)当時いた先生たちに見られながら撮影をさせてもらいました。端っこでニタニタ笑われながらね」と話すと安部さん、葵さんも客席も爆笑。「中退しちゃったんで申し訳なく思ってましたが、自分なりの恩返しができたかなと思います」と清水監督が言うと客席の人も頷いて共感を示しているようでした。
舞台挨拶が行われた劇場CINEXは柳ヶ瀬商店街の中にあります。清水監督は客席に向かって「この場に来るために柳ヶ瀬商店街を歩いていた方も多いかと思います。撮影で柳ヶ瀬商店、他に養老鉄道、飛騨高山の方面などで撮っています。岐阜に住んでいる方だからこその楽しみ方ができるのではないかなと思います」とアピールしました。安部さんが「監督と僕は当時は一日中撮影していましたが、(葵)うたのさんはね~」と水を向けると葵さんは「私は空きの時間が割とあったので、散歩したり、日本酒飲んだりとか喫茶店のモーニングに行ったりとか、服を買ったりして満喫していました」と明るい声で答えました。清水監督や安部さんが忍び笑いしながら「町を知るための役作りですね」と前向きに捉えると劇場内の観客も大きく笑いました。
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観客からの率直な感想や質問がいっぱいのQ&A「この距離感でお話を聞けるのがレアで嬉しい」
質問・感想タイムになり、始めはおずおずしていた観客も覚悟を決めて挙手するようになりました。前日に行われたセンチュリーシネマの舞台挨拶にも来たという方は「うたのさんのファンで、今日2回目の鑑賞です。見るたびに味わい方が変わる作品だと思いました。それにしても、魅力的な女性と出会う高校生のひと夏の体験…衝撃的でした」と率直に話すと清水監督も安部さんも大きく反応。「魅力的な女性と田舎町で出会うために、何箱のタバコが要るのかな」と劇中のシーンについて安部さん・清水監督がニヤリ。その主人公とヒロインが出会う公園近辺にお住まいという方が「ロケ地が近所ということと、自分の子どもと同じ24歳という監督に興味があって鑑賞しました。ラストシーンの夕焼けの川辺も、冒頭の病院のところの道も昨日、仕事で通ったんですよ。」と話すと葵さん・監督・安部さんは「おーっ」と驚きの表情を見せました。清水監督は「ちょうど2年前の今日、トンネルの場面を撮影していて、当時は自分のことで精一杯でした。今、メイキングを見て振りかえったり、舞台挨拶ができたりすることで『自分もひとつ映画が撮れたんだな』と感じています」としみじみと語りました。
劇中の霊媒師役について「演じている方のシルエットがどうしてもあの人(麻原彰晃氏)にしか見えないんですが、意図していますか」という質問に清水監督は「霊媒師役はもともと女性をイメージしていたんですが、プロデューサーから紹介された役者さんで行こうとなって、たまたまです」と答えました。安部さんが「でもあの役者さん、名前アサですもんね」というと客席もその偶然にびっくりした表情を見せました。その後、客席から登壇者へプレゼント贈呈、映画の内容に関わる深い考察、劇中のイメージと違って洗練された安部伊織さん・葵うたのさんの姿に驚いたという素直な感想などがぽんぽんと飛び交い、すっかりアットホームな雰囲気に包まれました。観客にマイクを届ける係を葵さんが買って出た姿も印象的でした。
上映後のトークセッションということでストーリーの内容に触れる感想や質問が多いなか、「主人公の眼差しが素晴らしかった」「郷愁を感じた」という感想が届けられました。安部さんは「あまり説明がなく、台詞も最小限で余白を意識した作品なので、目の表情を意識しました。眼差しについての感想…嬉しいです」と役者冥利に尽きると感謝しました。続いて清水監督は「撮り方で黒沢明監督を意識したりとか、家の中のシーンの構図は小津安二郎監督、間の使い方は北野武監督などの先人の知恵を借りながら、自分で試しながらやってきました。日本映画の良さは”間”だと思っているので、昔ながらのリズムを大事にしたいと、今回のお芝居にも生かしてもらいました」と撮影のこだわりを明かしました。
地元で行われたアットホームな舞台挨拶は楽しい雰囲気のまま結びとなり、サイン会へと突入しました。パンフレットを5冊も購入する方もいて、地元の方の熱意を感じます。清水監督、安部さん、葵さんの順で並んで座り、一人一人と話しながらサインを入れていました。「この距離感でお話を伺えるのが嬉しい」という清水監督・安部伊織さん・葵うたのさんの今後の飛躍に期待大です!
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作品概要
8月22日(金)より 愛知・岐阜 先行公開
(名古屋/センチュリーシネマ 岐阜/CINEX/TOHOシネマズ岐阜/TOHOシネマズモレラ岐阜/大垣コロナシネマワールド ほか先行ロードショー)
8月30日(土)よりユーロスペース ほか全国順次ロードショー
Story
小学校の頃に母親を亡くした大倉稔は、家にほとんど帰ってこない父親と不登校で引きこもっている妹に悩んでいた。母を未だ忘れられない稔は、死者と交流ができると話題の霊媒師を訪ねる。そこで「ドラッグ」が臨死体験に似た働きをすることを知り、死後の世界への好奇心から非行の道を走り始める。そんな折、東京から帰省してきたという年上の女性・朱里と出会う。朱里の優しさに触れ、稔の心の寂しさは埋まっていく。だが、稔の前で不幸な事件が起こり…。
出演:安部伊織 葵うたの 角心菜 渡辺哲 / 加藤雅也 水野千春 佐藤菜奈子 平川貴彬 米本学仁 桜木梨奈 田中遥琉 古澤花捺 國元なつき
監督・脚本:清水友翔
プロデューサー:落合賢
製作:ファイアワークス LLP
制作:フォトシンス
制作協力:Arct‘4 Film
音楽:伊藤明日香
撮影監督:有近るい
美術監督:山下修侍
2025 年/日本/ビスタ/93 分/PG12
配給: 彩プロ
©ファイアワークスLLP