不倫夫を漫画で追い詰める！？映画『先生、私の隣に座っていただけませんか？』堀江貴大監督にリモートインタビュー
9月10日より公開となる映画『先生、私の隣に座っていただけませんか？』は黒木華さんと柄本佑さんがダブル主演を務め、結婚5年になる漫画家夫婦を演じています。夫の不倫に気づいた妻が「不倫」をテーマにした新作漫画を描くことで夫を追い詰めていく、夫婦の心理戦を描いたミステリアスなストーリーです。本作は『嘘を愛する女』（2018年）や『哀愁しんでれら』（2021年）などを生み出した、オリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2018」で準グランプリを獲得して制作された映画で、岐阜県出身の堀江貴大監督が企画・脚本・監督を務めました。漫画が重要な役割を果たす本作が生まれたきっかけや、劇中漫画を担当したアラタアキさんと鳥飼茜さんについて堀江監督にリモートインタビューを行いました。（取材日：2021年7月23日）
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漫画？現実？妄想？ 予想外の展開に混乱必至
映画『先生、私の隣に座っていただけませんか？』は夫の不倫に気づいた妻が「不倫」をテーマにした新作漫画を描くことで夫を追い詰めていく、結婚5年になる漫画家夫婦の心理戦を描いたミステリアスなストーリーです。
黒木華さん演じる妻・佐和子の新作漫画を読んでいくうちに、柄本佑さん演じる夫・俊夫は自分の不倫がバレているのではないかと精神的に追い詰められていき、さらには妻も不倫をしているのではないかという嫉妬も混ざり合っていきます。映画の中では漫画の展開を実写映像で描いている部分もあり、観ている私たちには漫画の中のフィクションなのか夫婦に実際に起きている現実なのかわからなくなっていく面白さもあります。
堀江貴大監督は「現実と漫画の世界がどんどん交錯していって、今、どっちなんだろうというのが心地よい混乱になればいいなと思っていました」と話しました。夫婦ともに漫画家であることがこの物語の独自性であり面白いところなのですが、堀江監督は「最初は不倫というテーマだけで、漫画家の企画ではなかったんです」と話しました。「不倫をストレートに描くとシリアスな物語になってしまいそうで、カラッとしたユーモラスな話にしたくて」と企画内容に悩んでいた頃にコンビニで立ち読みした週刊誌の不倫漫画特集をきっかけに「不倫漫画モノ」という企画になったことを明かしました。
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2人の漫画家による異なるテイストの画が重要なポイントに
妻・佐和子と夫・俊夫はともに漫画家ですが、2人の描く画のテイストは全く異なり、劇中漫画はアラタアキさんと鳥飼茜さんがそれぞれ担当しました。堀江監督は「2人のテイストが全く違う、全然違う絵柄であることが大事でした」と話し、佐和子の漫画を担当したアラタアキさんの画について「絵としての美しさもありつつ、繊細な表現や生々しさもあって、俊夫が嫉妬しそうだと思いました」と劇中漫画を依頼した理由を教えてくれました。
アラタアキさんとは劇中漫画のストーリー作りも一緒に行っていたそうで「カット割りのことも考えながら一緒にネームを作ってもらって、2-3か月かけて取り組んでもらいました」と話し、「佐和子の気持ちになって俊夫にどういう漫画を読ませていったら良いか、佐和子と（自動車教習所の）先生との関係をどうやって発展させていくと、俊夫が一番嫉妬していくかを考えました」と映画の重要な要素である劇中漫画の制作に力を入れていていたことを教えてくれました。
堀江監督は「佐和子は本音を言わないけど、漫画の中には本音があるんじゃないのかと思わせられる」と漫画を取り入れた本作の面白さを語りました。佐和子と俊夫の関係がどうなっていくのか、漫画の展開と映画の展開、両方を追いかけながら物語に引き込まれていく面白さをぜひスクリーンで味わってください。
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作品概要
9 月10 日（金）ミッドランドスクエアシネマほかロードショー
出演：黒木華 柄本佑／金子大地 奈緒／風吹ジュン
脚本・監督：堀江貴大
劇中漫画：アラタアキ、鳥飼茜
主題歌：「プラスティック・ラブ」performed by eill
配給：ハピネットファントム・スタジオ
TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2018準グランプリ受賞作品
©2021『先生、私の隣に座っていただけませんか？』製作委員会
