2023-02-22

40周年を迎えた名古屋のミニシアター・シネマスコーレ 坪井篤史さんが支配人に就任 木全純治さんは代表に

 

2023年2月19日に名古屋のミニシアター・シネマスコーレが40周年を迎えました。40周年を記念して映画『止められるか、俺たちを』の上映が行われ、上映後には木全純治支配人と坪井篤史副支配人による御礼トークショーが開催されました。トークショーの中で、木全さんが代表となり、坪井さんが支配人に就任することが発表となりました。

またシネマスコーレの開業からの数年間を描いた青春群像劇『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』が2023年秋の公開に向けて準備を進めていることも紹介されました。スコーレインディーズスペースで行われたパーティには、白石晃士監督、久保山智香さん、根矢涼香さんもお祝いに駆けつけるなど、シネマスコーレと多くの映画制作者の深い絆と愛を感じる時間となりました。(取材日:2023年2月19日)

映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』若松孝二監督の命日である10月17日の上映を皮切りに全国へ

シネマスコーレは1983年に故・若松孝二監督が立ち上げたミニシアターで、アジア映画、日本映画、インディーズ映画など個性的な作品を次々に上映し、多数の舞台挨拶やイベント上映を行うなどして、名古屋の映画ファンが集う場所となっています。40周年を記念して上映された映画『止められるか、俺たちを』(2018年公開)は白石和彌監督がメガホンを取り、1969年の若松プロを舞台に映画作りに情熱を傾ける若き日の若松孝二監督と仲間たちの日々を描いた作品です。

映画の上映後、満席のシネマスコーレのスクリーン前に木全純治支配人が登場し、2022年12月に名古屋を中心に撮影が行われ、2023年秋公開予定の映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を紹介しました。映画『止められるか、俺たちを』の脚本を担当した井上淳一さんが脚本・監督をつとめていて、シネマスコーレを立ち上げた若松監督から支配人を任された当時34歳だった木全さん、シネマスコーレで若松監督と出会い、若松プロに入った愛知県犬山市出身の井上さんの物語が描かれています。

映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』では、映画『止められるか、俺たちを』に引き続き、井浦新さんが若松孝二監督を演じていて、若き日の木全さんを東出昌大さんが、若き日の井上淳一さんを杉田雷麟さんが演じています。木全さんは「東出さんが私を演じるなんてあり得ない」と話し「(東出さんが)私に近づいてくれて」と感想を述べていました。また「井浦さんが若松監督が僕と出会ったのと同年齢になった。今度の井浦さんは、見応えがあります」と魅力的な作品になることをアピールしました。

映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』は若松孝二監督の命日である10月17日に上映し、11月頃には名古屋先行での公開、東京他、全国での公開を調整しているとのことで「名古屋で大成功させて、全国に持っていく作品になっています」と力の入った様子でした。

〈関連記事〉

「名古屋は日常の延長のよう」東出昌大さん主演映画『とべない風船』名古屋舞台挨拶に宮川博至監督、柿辰丸さん、遠山雄さんと登壇

東出昌大さんを絶賛「真面目な好青年。不思議な魅力がある。三船敏郎になりうる人」と片嶋一貴監督 映画『天上の花』伏見ミリオン座で舞台挨拶 

名物副支配人の坪井篤史さんが支配人に就任「木全さんが『もう一回支配人をやりたい』と思えるような映画館をつくりたい」

トークショーの後半で、木全さんから「今日を持ちまして私は代表になり、坪井が支配人になります」と発表されました。坪井さんは「初めて聞いたときはショックで支配人の下にいるのが好きだった」と話し、「20年間、支配人のエキスはもらっているので、ノウハウを活かして面白い41年目のシネマスコーレになるといいなと思います」と宣言し「支配人、お疲れさまでした!」と言葉をかけました。

シネマスコーレはこれまでに、メ~テレが制作した2作のドキュメンタリー映画の題材になっています。2017年2月1日に放送されたテレビドキュメンタリー「シネマ狂騒曲 名古屋映画館革命」の劇場版が2017年4月にシネマスコーレで公開、11月からは全国公開されました。副支配人の坪井さんに密着し、シネマスコーレで様々な上映企画やイベントを行い、プライベートでも映画愛に溢れる日々の様子が描かれています。

『劇場版  シネマ狂騒曲 名古屋映画館革命』予告編

さらに、2022年7月2日より公開された映画『シネマスコーレを解剖する~コロナなんかぶっ飛ばせ~』は木全純治支配人を追ったドキュメンタリーで、新型コロナ禍で、開館以来、初めて休館に追い込まれるなど、様々な苦境に見舞われながらも、「なんてことない」と笑顔を絶やさず、映画文化の多様性を守るために奮闘する支配人の姿を追っています。

『シネマスコーレを解剖する~コロナなんかぶっ飛ばせ~』予告編

『劇場版 シネマ狂騒曲 名古屋映画館革命』『シネマスコーレを解剖する~コロナなんかぶっ飛ばせ~』は2作品とも、配信やDVDでは観られないので、上映される機会があったらぜひ観ていただければと思います。シネマスコーレについては、40周年を記念して発行された「シネマスコーレ40年史 燃えよ!インディーズ2」が1500円(税込)で販売されています。『劇場版 シネマ狂騒曲 名古屋映画館革命』『シネマスコーレを解剖する~コロナなんかぶっ飛ばせ~』の制作者と木全支配人、坪井副支配人とのインタビューが掲載されているほか、奇跡の舞台挨拶と題し、これまでにシネマスコーレで開催された伝説的なイベントの様子を紹介したり、名古屋の3つのミニシアター(名演小劇場・シネマテーク・シネマスコーレ)の3人の支配人による対談、「シネマスコーレとわたし」と題した長文の寄稿も多数掲載されています。

この日、舞台挨拶のためにシネマスコーレに来ていた白石晃士監督、俳優の久保山智香さん、俳優の根矢涼香さんがスコーレインディーズスペースで行われたパーティで、木全支配人にメッセージを伝え、シネマスコーレへの想いを語りました。シネマスコーレと多くの映画制作者の深い絆と愛を感じる時間でした。

支配人に就任した坪井さんはこれからのシネマスコーレについて「木全さんが『もう一回支配人をやりたい』と思えるような映画館をつくりたい」とコメントし、笑顔をみせくれました。

シネマスコーレ

Address:名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1階

名古屋市中村区椿町8-12

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
関連記事
モバイルバージョンを終了